
「ミュージックフェア」(CX 土曜 pm.6:00)に岡林信康が出演していたので仕事をしながら見ていました。
ぼくが岡林のコンサートによく出かけて行ったのは1960年代の終わりから70年代の初め。
デビュー曲の「山谷ブルース」がいきなりヒットして、ぼくは当時まだあまり彼のことをよく知らないものだから、曲の雰囲気から判断して大ベテランだと思っていました。
渋谷のジャンジャンだったか新宿厚生年金ホールだったか、どこで聞いたのかよく覚えていません。
「岡林は労働者の気持をほんとうに知りたいために、山谷に住んでいるんだ」(本当は1週間程度の滞在)
いつかのコンサートの帰り、ほとんど追っかけ状態だった友人がこんなことを言っていました。
「オレも山谷暮らししてみようかと思うんだ」
今はもうどうしているのかわからない彼は、本当に山谷で1年以上暮らしました。
岡林に会えたのかどうか……。
岡林の歌は一貫して貧しい人々を描いた社会派。学園闘争や安保闘争で闘う学生・労働者に広く受け入れられました。
岡林をきっかけに、フォークソングはその後、吉田拓郎や井上陽水、高田渡、泉谷しげるなどが現れて、一大フォークソングブームに発展しました。
フォークソングはやがて社会派的傾向から離れ、Jポップと呼ばれる新しい分野が築かれることになりました。
それまでは、おしゃれな音楽といえば洋楽だったのですが、若者を中心に音楽ファンの興味が日本の音楽シーンに移っていったのです。
すべての始まりは岡林信康。
(彼の私生活についてはいろいろと言われていますが、それは置いといて)
今「ミュージックフェア」が彼を呼んだのは、世相を反映して共感する人が増えて来ていると思ってのことなのでしょうが、歌った曲目ではっきり社会派と言えるのは、「チューリップのアップリケ」だけ。「山谷ブルース」も「ガイコツの唄」も「友よ」もなし。
1「チューリップのアップリケ」
作詞:岡林信康、大谷あや子/作曲:岡林信康
2「君に捧げるラブ・ソング」
作詞/作曲:岡林信康
3「風詩」
作詞/作曲:岡林信康
4「虹の舟唄」
作詞/作曲:岡林信康

「(番組は)ぼくとは違う世界だね、お上品で」
何を勘違いしたのか、司会の恵俊彰は「ありがとうございます」だって。
岡林は皮肉が通じずに苦笑い。
ジャケ写の『岡林信康の世界』はLPレコードで、CDはないようです。
わが家にはこのレコードが2枚あるのです。
結婚前にカミさんとそれぞれ1枚ずつ持っていて、「同じ時間に一緒に聞こうね」……なんて、そんなことするわけない。
そうではなくて、妹夫婦が長野に引っ越す時に、荷物になるからと置いていったレコードの中にまざっていたので、ダブったのです。
録音は1968年から1970年。
かなり初期のもので、バックにハッピーエンドが参加しています。
(放送禁止になった「手紙」は入っていません。聞きたい人はここで。)
1.山谷ブルース
2.流れ者
3.くそくらえ節
4.ガイコツの唄
5.チューリップのアップリケ
6.友よ
7.今日をこえて
8.性と文化の革命
9.それで自由になったのかい
10.私たちの望むものは
ダブっているので、ほしい人がいたら譲ります。
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