ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

「岡林信康の世界」

2009年01月31日 | 音楽
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 「ミュージックフェア」(CX 土曜 pm.6:00)に岡林信康が出演していたので仕事をしながら見ていました。
 ぼくが岡林のコンサートによく出かけて行ったのは1960年代の終わりから70年代の初め。
 デビュー曲の「山谷ブルース」がいきなりヒットして、ぼくは当時まだあまり彼のことをよく知らないものだから、曲の雰囲気から判断して大ベテランだと思っていました。
 渋谷のジャンジャンだったか新宿厚生年金ホールだったか、どこで聞いたのかよく覚えていません。
 「岡林は労働者の気持をほんとうに知りたいために、山谷に住んでいるんだ」(本当は1週間程度の滞在)
 いつかのコンサートの帰り、ほとんど追っかけ状態だった友人がこんなことを言っていました。
 「オレも山谷暮らししてみようかと思うんだ」
 今はもうどうしているのかわからない彼は、本当に山谷で1年以上暮らしました。
 岡林に会えたのかどうか……。

 岡林の歌は一貫して貧しい人々を描いた社会派。学園闘争や安保闘争で闘う学生・労働者に広く受け入れられました。
 岡林をきっかけに、フォークソングはその後、吉田拓郎や井上陽水、高田渡、泉谷しげるなどが現れて、一大フォークソングブームに発展しました。
 フォークソングはやがて社会派的傾向から離れ、Jポップと呼ばれる新しい分野が築かれることになりました。
 それまでは、おしゃれな音楽といえば洋楽だったのですが、若者を中心に音楽ファンの興味が日本の音楽シーンに移っていったのです。
 すべての始まりは岡林信康。
 (彼の私生活についてはいろいろと言われていますが、それは置いといて)

 今「ミュージックフェア」が彼を呼んだのは、世相を反映して共感する人が増えて来ていると思ってのことなのでしょうが、歌った曲目ではっきり社会派と言えるのは、「チューリップのアップリケ」だけ。「山谷ブルース」も「ガイコツの唄」も「友よ」もなし。

1「チューリップのアップリケ」
  作詞:岡林信康、大谷あや子/作曲:岡林信康
2「君に捧げるラブ・ソング」
  作詞/作曲:岡林信康
3「風詩」
  作詞/作曲:岡林信康
4「虹の舟唄」
  作詞/作曲:岡林信康

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 「(番組は)ぼくとは違う世界だね、お上品で」
 何を勘違いしたのか、司会の恵俊彰は「ありがとうございます」だって。
 岡林は皮肉が通じずに苦笑い。

 ジャケ写の『岡林信康の世界』はLPレコードで、CDはないようです。
 わが家にはこのレコードが2枚あるのです。
 結婚前にカミさんとそれぞれ1枚ずつ持っていて、「同じ時間に一緒に聞こうね」……なんて、そんなことするわけない。
 そうではなくて、妹夫婦が長野に引っ越す時に、荷物になるからと置いていったレコードの中にまざっていたので、ダブったのです。

 録音は1968年から1970年。
 かなり初期のもので、バックにハッピーエンドが参加しています。
 (放送禁止になった「手紙」は入っていません。聞きたい人はここで。)

1.山谷ブルース
2.流れ者
3.くそくらえ節
4.ガイコツの唄
5.チューリップのアップリケ
6.友よ
7.今日をこえて
8.性と文化の革命
9.それで自由になったのかい
10.私たちの望むものは

 ダブっているので、ほしい人がいたら譲ります。

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ヘイヘイマイマイ新春2009福袋LIVE

2009年01月04日 | 音楽
 永原元さんがプロデュースする、新春ライブに行って来ました。
 フォトアルバムです。

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 会場は中目黒の「楽屋(らくや)」。

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 北海道出身なのに沖縄大好きの元ちゃんらしく、お年玉に、北海道産のジャガイモと、石垣島の珊瑚。

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 司会は「あらびき団」で稲川淳二のマネをしている、BB.ゴロー。カープファンなもので、山本浩二だの衣笠祥雄だの達川光男だののマネをしますが、テレビではうけないだろうな。

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 最初はピアノ弾き語りの石橋和子さん。なかなか良い雰囲気。小さい会場でゆっくり聞きたい感じです。
 広河隆一さんを“勝手に”支援しているそうで『NAKBA』のアーカイブ版の紹介をしていました。

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 バイオリンの穴澤雄介さんは目が不自由ですが、演奏は見事を通り越してスゴイ! 「口笛吹きと犬」は圧巻でした。

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 プロデュースをして、演奏をして、出演者の面倒を見て進行管理も。いやあ元ちゃんお疲れさま。尊敬します。

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 酒井康平さんは、アシのYに言わせると、馬場俊英バンドでやってるとか。爽やかな人気者です。

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 VIVA a COMIDAはブラジル系のデュオ。正月だからでしょうか、着物で登場のaiさんですが、たいそうなゲラだし、なんだか旅館の中居さんみたいです。歌はド迫力でした。

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 ハミング キッチンはイシイモモコ さんと眞中ヤス さんの二人からなるアコースティック・デュオ。イケメンと美女のカップルで、歌なんかどうでもいい。(いや、失礼)

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 沖縄民謡の古我地(こがち)さんは歌というか語りというか、沖縄のオバアのようすを愉快に表現しています。
 「千円でおつりね」
 「お前が買うんだから釣りは自分で計算せい」
 「おばちゃんこのパン、カビ生えてるよ」
 「なんでもっと早く買いに来ん」
 「クソ熱いのにこの飛行機、窓が開かん」
 空港でタクシーに乗って、「ヒロシん家まで」
 そんなオバアいるのかな。でも面白かった。

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 演奏の間、AKI君はひたすら絵を描いています。今日は何ができるのでしょうか。

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 湯川トーベンさん。風邪を引いてしまったそうで、マスクにだるまみたいな厚着で小屋入り。
 「大丈夫?」
 「大丈夫じゃないけど、大丈夫にする」
 さすがプロ、と思ったら、歌の途中で咳き込みそうになって、えらく調子が悪い。それでもファンサービスは忘れず、最後までやり通しました。
 しかし、辛そうでした。お大事に。

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 中川五郎さんの歌は、世相を風刺したメッセージソング。
 「だれかがトクしてるように、ぼくには見える」というような、世情を皮肉った歌は、今の時代には痛烈です。
 しかし、中川さん以外にも出演者の多くから、反戦、平和、平等などを訴える歌がたくさん飛び出しました。世相を反映しているようです。

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 開演から3時間を過ぎた頃になると、さすがの元ちゃんも、出ずっぱりで疲れてきたようす。みんなから大食いだのなんのと言われていましたが、身体が大きいからしかたがない。だから一人でこれだけ頑張れるのだし。

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 よしだ よしこさんは、燃える水(石油)を争って男たちは戦争をし、「女たちは戦の中で子どもを産む」と、イラク戦争の悲しみを歌っていました。ちょっぴり中島みゆきを思わせる、力のある歌声です。

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 開演から5時間。AKI君の絵が出来上がりました。
 「今日のタイトルはなに?」
 「アフリカのサバンナです。真ん中はライオンです」
 「どうして、アフリカのサバンナを描いたの?」
 「描きたかったからです」
 「そうか、描きたかったからか」
 「ハイッ!」

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 トリは平安(ひらやす)隆さん。明日が誕生日で58歳。三線で何でも弾きます。津軽三味線もヒップホップも。

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 最後は出演者全員でエイサー。延々6時間に渡るライブは内容たっぷりでした。最初は飽きたら途中で帰るつもりでしたが、時間を感じさせないほど楽しいライブでした。
 今年はいい年になるでしょう!

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「RYUKYU BEATLES」

2008年11月17日 | 音楽
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 「RYUKYU BEATLES」は「沖縄最高峰のミュージシャンが結成をした『奏琉(ソウル)楽団』」なるバンドが「純琉球楽器のみでビートルズ名曲をカバー」(amazonの内容紹介による)したもの。
 湯川トーベン氏が「北海道ツアーで行った札幌『小春南』で掛かっていたので思わず購入」してしまったそうです。

 「EIGHT DAYS A WEEK」あたりは、エイサーにアレンジしてあるし、「YELLO SUBMARINE」もおもしろい。
 たしかに、珍しいと言えば珍しい。

 だけども、ミュージシャン(彼は「バンドマン」という)と一般人では感性が違うのか、それともぼくの感性が劣っているのか(たぶんそうだろう)、「だから何」という感じは否めません。
 沖縄の楽器はやっぱり沖縄の音楽がいいなあ。

 でもまあ、話の種にはなるので、紹介しておきます。
 演奏は見事なので、一度聞いてみても損にはならないでしょう。

 曲目は以下。

 1. NORWEGIAN WOOD
 2. TICET TO RIDE
 3. EIGHT DAYS A WEEK
 4. YELLO SUBMARINE
 5. OB-LA-DI. OB-LA-DA
 6. DAY TRIPPER
 7. MICHELLE
 8. IN MY LIFE
 9. NOW HERE MAN
 10. HEY JUDE

 奏琉楽団メンバーは、
よなは徹(三線・笛)  上地一成(太鼓)  翁長洋子(琴)  森田なつこ(胡弓)

 上地一成はもと「りんけんバンド」。他のメンバーも、若手実力派が集まっています。

 amazonで売っています。【ここ】にアクセス。

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「ニライカナイぱなり」にて

2008年11月16日 | 音楽
湯川トーベン&永原元&AKIライブペイント

 湯川トーベンがツアーから帰って来たのと、久しぶりのAKIのライブペイントを見に、吉祥寺の沖縄料理店「ニライカナイぱなり」に行って来ました。

Panari01

 本店は別の場所にあって、「ぱなり」はつまり「離れ」。

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 店内は作りが複雑で、30人も入れば満員。六本木の「島唄楽園」の三分の一くらい。
 カウンター内のごちゃごちゃ感がいいです。

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 ずらりと並んだボトルの列は、全部泡盛。

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 鴨の薫製。でもこれ、沖縄料理かなあ。

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 Y子さんが頼んだカボチャのオムレツ。沖縄料理?
 ほかにおなじみのチャンプルや沖縄そばも。
 味付けはやや薄味ですが、けっこういけてます。

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 店が狭くて、どっからカメラを向けても障害物だらけで至極撮り難い。
 左から、太鼓の永原元、絵を描いているのがAKI、ギターとボーカルの湯川トーベン。

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 ライブ終了! 全員で乾杯!

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 ミニ元登場! 
 元ちゃんの太鼓を叩かせてもらうちびっ子パーカッショニスト。
 この後、泣かせた。

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 AKIクンの今日の作品。
 「日本の未来のために『愛』をかきました。花まわりを妖精が飛んでます」
 だそうです。

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『アクロス・ザ・ビュー』

2008年10月02日 | 音楽
Acrossa

 昨日、10月1日はJ-WAVEの開局20周年記念日とかで、特番が組まれていました。
 事務所では、1日中J-WAVEがかかっていて、その番組で時間を判断しています。
 とくに、平日4時30分から始まるピストン西沢と秀島史香のグルーブラインはお気に入りです。
 いつぞや渋谷を歩いていたら、ピストン西沢と間違えられたことがあります。
 しかしぼくの風貌は、ピストンというよりも元BOX-4のチョモランマですが……(しらないか?)。

 開局当初、番組の合間合間に流れていたのがこの曲「アクロス・ザ・ビュー」。
 作曲のリチャード・バーマーについての詳細は、まったくわかりません。

 J-WAVEというラジオ局、日本の放送局なのに英語ばっかりでずいぶん気取っている、と思いつつ、邪魔にならないのでBGM代わりにかけていると、まるでヒーリングミュージックのように心地よい曲がたびたび流れて来て、その曲のタイトルが「アクロス・ザ・ビュー」。
 放送では一部しか聞かれなかったので、全曲が聞きたくて買ったのがこのCDです。

 当時お気に入りのナビゲーターは、ジェームス天願(てんがん)というすごい低音の男性。
 この人はあるとき突然J-WAVEから姿を消して、その後は沖縄を中心に活躍しているようですが、詳細はわかりません。
 今ではテレビでもおなじみのジョン加平(かびら)やクリス・ペプラーもJ-WAVEのナビゲーターでした。

 開局当時のJ-WAVEは英語が主体でしたから、帰国子女や留学経験者、在日アメリカ人などのディスクジョッキーを多数使っていました。

 Acrossb

 開局から6年後の1994年に、おおたか静流(しずる)が歌詞をつけて歌ったのがこのシングルCDです。
 この小さいサイズが時代を感じますね。
 今では、この手の音楽にはほとんど興味がありませんが、当時はそうとう“ご執心”だったようです。

 あらためて聞いてみても、たいした曲とは思えませんが、ようするに当時のラジオ局がこのようなテーマミュージックを使うことそのものが斬新であったということなのかもしれません。

 しかし、J-WAVEにはこれからもお世話になりそうです。

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「島唄楽園」ろっ敬老ーるNight

2008年09月15日 | 音楽
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 久しぶりの、夜の六本木。
 六本木交差点角の誠志堂ビル4階にある「島唄楽園」という沖縄居酒屋でのライブ。

 店の雰囲気はまったく六本木っぽくなくて、下北沢か吉祥寺の雰囲気です。
 グルクン唐揚げ、海ぶどう、耳ガー、ジーマミー豆腐、自家製のトーフヨー、料理もなかなかよい。

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 この日のプロデュースは元ちゃん(永原元)だそうで、最初から最後まで出ずっぱりの大熱演。ごくろうさんです。
 「元ちゃん!」
 「あ、ああ。ひさしぶりー。絶対今日来てくれると思ったんだ、そんな予感がしたんだよね」
 ??ウソつけ……

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 元ちゃんをのぞいて、演奏者はみんなおじさんおばさん。歌とギター、三線の平安隆(ひらやす たかし)さんは元ちゃんの師匠のような人で大ベテラン。
 すばらしくハリのある声で沖縄民謡を歌います。
 「ヘンナオジサン!」

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 エイサーを踊りながら登場した、よしだ・よしこ さん。
 沖縄の人って、どうしてこんなに良く通る声をしてるんだろうか。
 竹富島あたりで沖縄の風に吹かれながら聴いたら、とってもよさそう。
 青い空と紺碧の海が見えて来た。

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 この日、湯川トーベンさんはお客さん。
 もっぱらおしゃべりが快調。
 六本木の駐車場が高いからと、今日は車を置いて来たので、めずらしく泡盛の大盛りを飲んでましたが、大丈夫?
 「泡盛を飲みたいって言ったら、こんなに来ちゃったよ! 飲みきれないよな」とかなんとかいいながら嬉しそう。

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 左から、湯川トーベン、よしだ・よしこ、平安隆、永原元。

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 最後はみんなでエイサー。
 これ、やさしそうで難しい。

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 実は、この日は満月。でも、中秋の名月は前日の14日。なんでだろ。
 中秋の名月は暦、満月は月齢、堅いこといわずにあわせればいいのにね。

 写真は14日に家のベランダから撮ったものです。

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 『原爆詩集 八月』朗読You TUbe

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へんなLPレコード

2008年08月23日 | 音楽
 ぼくのコレクションは、CDよりもLPが圧倒的に多いのですが、カミさんと子どもたちに占領されているリビングにすべてが置いてあるもので、聴く機会がほとんどありません。
 そこで、事務所の方にせめてオーディオだけでも移動させようと作戦を練りました。
 レコードのすべてを移動されると、蔵書といっしょになって重量オーバーになります。めんどうですがレコードは下の階まで取りに行くことにします。それでも、鑑賞の機会はずっと増えるはず。
 で、LPラックを見ると、あるべきところにあるべきものがない。引っ越して、とにかく「突っ込んだ」ままになっていたのです。
 気になるところを適当に差し替えていると、へんなレコードに行き当たりました。

Bells1

 アルバート・アイラーの『ベルズ』というLPで、収録曲は表題のこの1曲のみ、裏面はありません。
 1965年5月1日、ニューヨークのタウンホールで行われたコンサートのライブ盤です。
 アルバート・アイラーは当時、一部のジャズファンにやたら人気があった、いわゆる「アバンギャルド(前衛)ジャズ」とか「フリージャズ」とかいわれたジャズメンの一人で、正直、ぼくは苦手です。
 聞いていると「ギャーッ」と叫びたくなる。
 それをなぜ持っているのか、その理由は、……良く覚えていません。
 たぶん、当時としてもへんなレコードなので、後々話題になるからと思ってのことでしょう。

 アルバート・アイラー=テナーサックス
 ドナルド・アイラー=トランペーット
 チャールス・タイラー=アルトサックス
 ルイス・ウォレル=ベース
 サニー・マレー=パーカッション

 このメンバーを見ただけでも、フツーのジャズファンはジンマシンが出ます。
 ぼくの持っている盤のジャケットはオレンジ色ですが、何種類も色違い(こちら)が出ていて、それを全部揃えている変わり者もいました。

 驚くのはジャケットだけでなく、中味もすごい!

Bells3

 中味の表面はこんな感じ。溝が刻んであるのはこちらだけ。

Bells2

 こっちは裏面の写真。ご覧のようにレーベルはただの赤い紙で、盤面はのっぺらぼう。
 半透明のまるでべっ甲のような“おしゃれな”模様がついています。
 ところがこれは、模様ではなくて材料の塩ビに混じった不純物。
 これを出したESP-DISKというレコード会社は、この頃倒産寸前。そのへんにある売れ残りのレコード盤をつぶして材料をつくり、とにかく当面の資金作りをと自棄のやん八で出したのがこれ。
 なので、レコード本体も黒いのや赤いのや白いのや、そしてこんな不純物がいっぱいの粗悪品までいろいろありました。
 ところが、これが意外にもヒットして、EPSレコードは持ち直し、調子に乗ってその後さらに10枚ほど出すものの、結局倒産。
 その後、ESPレーベルは権利の移動があったようで、今はどうなっているのか詳しいことはわかりません。調べるつもりもありません。

Colt

 ESPとは無関係ですが、こんな真っ白けのレコードも出て来ました。ジャケットもレーベルもただの白い紙で何も印刷されていません。
 当時流行っていた「海賊盤」で、この3枚は全部ジョン・コルトレーン。
 これは、インパルスレコードが録音したものの別テイクを集めたものらしく、きっと録音スタッフのだれかが小遣い銭稼ぎに流出させたのでしょう。
 「インチ・ワーム」「インプレッションズ」「ネイマ」「マイ・フェヴァリット・シングズ」などが収録されていて、メンバーはコルトレーンのほかにエリック・ドルフィー、ファラオ・サンダース、マッコイ・タイナー、エルビン・ジョーンズとおぼしき音が聞き取れます。
 いずれブラインド・テストの名人に聞き取ってもらうつもりでいたのですが、そのままになってン十年。
 どれも演奏はすばらしいので、正規ルートでも売れたと思うのですけど、なにぶん海賊盤なので、プレスの状態が良くなくて音に歪みが出ている個所があります。実にもったいない。

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 『原爆詩集 八月』朗読You TUbe

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’83 MILES DAVIS

2008年08月20日 | 音楽
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 タバコの広告ではありません、今から25年前の1983年5月28日に「よみうりランドEAST」で行われたマイルス・デイヴィス(1926年5月26日 - 1991年9月28日)のコンサートのパンフレットです。
 この時もPAの故篠崎隆志君にチケットを手配してもらったのだろうと思います。
 奥に押し込んでしまった資料などを探していると、懐かしいものに再会してつい読みふけってしまいます。

 マイルス・デイヴィスといえば、ジャズの大御所ですが、とにかくわがままなことでも有名。
 レコーディング当日、お気に入りのワインが用意されていないからと言ってさっさと帰ってしまったり、ハリウッドの美人女優が、「マイルスさん素敵な車ですね」とお愛想を言いながらリムジンに近寄ると、「汚い手でさわるな!」と怒鳴りつけたり。
 この日もご多分にもれず、何がお気に召さなかったのか会場に現れません。
 7時に開演の予定がいつまでたっても始まる気配なし。
 時折「もうしばらくお待ち下さい」と何度か紋切り型の放送があるものの、待てど暮らせど進展はなく、「しばらくって、どのくらいなんだ!」と、事情のわからない観客はイライラを通り越して爆発寸前。
 8時半をすぎた頃、ようやく紋切り型でない放送がありました。
 「ただいま、ヘリで飛び立ちましたので、15分ほどで到着すると思います」
 へりだあ? どういうこっちゃと思いましたが、これでコンサートが始まるわけで、一安心。
 今日が土曜日で良かった。

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 9時を過ぎて、やっとのことヘリからステージに直行したマイルスは、遅刻を帳消しにしても余りある、すばらしい演奏を聴かせてくれました。

 終了は12時過ぎ、帰りの電車が心配でしたが、小田急線は待っていてくれました。

Miles_2

 マイルスは水泳が大好きなのですが、アメリカで黒人はプールに入れません。そこで、日本に来る時は必ずプール付のホテルを要求します。
 「……その日、午後、“プール”に誘ったマイルスは、早々と呼吸を乱して泳ぐのをやめた私をせせら笑いながら、40分余り、一度も水からあがることなく往復し続けた。さらに、アスレチックジムに移って、宙づりになり、バーベルをあげて、『どうだ!』といわんばかりに鍛錬の成果を誇示してみせた」(児山紀芳 パンフレットより)

 マイルス・デイヴィスは、ジョン・コルトレーンと並んでぼくの好きなジャズプレーヤーです。しかし、後年の8ビートのマイルスはどうにも受け入れられません。わけのわからない音楽で、とてもジャズとはいえなくて、本人はジャズとロックを融合させたなどと言っていたようですが……。
 個人的な趣味からいえば、「マイルストーンズ」「カインド・オブ・ブルー」そして、キャノンボール・アダレイとやってる「サムシン・エルス」などが好きです。
 あまりにもベタですが。

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 『原爆詩集 八月』朗読You TUbe

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「TRIPLE DIAMOND」

2008年07月26日 | 音楽
 久々に、ほんとうに久々にライブに行ってきました。
 「TRIPLE DIAMOND」は実力派のベテラン3人が組んだロックバンドで、けっこうな爆音です。
 「TRIPLE DIAMOND」ファンのY子さんと、アシのYと三人で西荻窪の「Terra」へ。

01trio

 左から、高橋誠(g)、嶋田吉隆(ds)、湯川トーベン(b)。
 このところベンチャーズに始まって、ベンチャーズに終わるパターン。
 やっぱり「10番街の殺人」ではじまりましたが、途中から「ワイプアウト」や「パイプライン」が混じります。
 どれでもデケデケデケデケ。

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 湯川トーベン、ベース&ときどきボーカル。
 トーベンさんのベースはじつに艶っぽい。

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 高橋誠、ギター&ボーカル。相変わらずめちゃめちゃうまいギターです。
 テレビのSMAP×SMAPに出演。

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 嶋田吉隆、ドラムス&時にはボーカル。ぼくはこの人のドラムが大好きです。
 迫力と繊細さを兼ね合わせています。

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 しばし休憩のあと、衣装を換えて後半のスタート。
 後半になると、演奏はいっそう激しくなります。
 「楽器の音がでかいから歌、聞こえないよね」
 「え? ボーカルが小さい?」
 「そうか」

06tohben

 「お、迷彩だ。チェ・ゲバラみたいだな」
 このあたりになると、どんな曲をやっているのかさっぱりわからなくなりますが、迫力とかっこよさは満点。

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 後半の最後はやはりベンチャーズで「キャラバン」。この曲は嶋田吉隆のドラムが圧巻。エルビン・ジョーンズの技術とアート・ブレイキーの力強さをミックスしたような見事な演奏です。

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 ソロの途中から、他の二人のもスティックをもたせて、パーカッションの三重奏。

 09makoto

 高橋誠のソロ。この人の演奏はまるで神業。上には上がいるのかも知れませんが、日本人アーチストではトップクラスと言って間違いありません。

 アンコールは、トーベンさんの曲、おなじみの「バンドマンブルース」。
 なんとなく、トーベンさんのテーマソングみたいですが。

Setlist

 これは、アシのYが高橋誠から奪った「セットリスト」。
 「ずいぶん変わっちゃったけどね」
 打ち合わせをやって曲を決めているのでしょうけれど、変更するのは当たり前、みたいな。
 いつだったか、ほかのライブでぼくがもらったセットリストは、A4二つ折りでワープロ打ちの立派なものでしたが、ベテランのバンドはその場の雰囲気で変えていくので、そんなに丁寧に作り込む必要がない、ということなのでしょう。
 しっかし、某出版社の社長の字と匹敵するすごい字だなあ。

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森田童子~孤立無援

2008年05月25日 | 音楽
 風間完画伯のジャケットがいい。
 しかし、ぼくが持っている森田童子のイメージとはだいぶかけ離れています。
 なぜならこの2枚のベスト盤は1993年発売で、映画とドラマがヒットした『高校教師』の主題歌としてのイメージですから。

Morita_doji

 そもそも、森田童子と『高校教師』はミスマッチな気がします。
 (だいたいあんな高校教師が実際にいたら、フザケルナ! と言いたいです。いや、ウラヤマシイかな?)

 ぼくがこれを買ったのは『高校教師』が目的ではなくて、1に入っている「孤立無援の唄」と2に入っている「球根栽培の唄」。
 ともに70年安保闘争当時話題になった言葉で、「孤立無援の唄」は京大助教授で作家だった高橋和巳のエッセー「孤立無援の思想」から来ています。
 高橋和巳が「孤立無援の思想」を発表したのは1960年代の半ば。同名のエッセー集にある短い評論ですが、これが全共闘を中心に大ヒットしました。
 森田童子のこの唄の中に、友だちが書店で立ち読みしながら『孤立無援の思想』を万引きし、“ぼく”の自転車の後ろにまたがって逃走しながら読んでいるところがあります。
 自転車の後ろで走りながら読めるような簡単な文章じゃないですけどね、あれは。
 そういえば、当時は万引きが犯罪であるという意識に乏しい学生が多かったですね。

Morita_doji2

 森田童子が活動を開始したのはそれから約10年後の1975年、西荻窪のロフトなどでライブが行われ、連日の超満員でした。
 つまり、70年安保で挫折した学生運動の残されたろうそくの焔のようなものだったのです。浅川マキ、山崎ハコらとともに、暗めの女性歌手が人気だった時代です。
 近頃の「ヤング(死語)」にはまったく受けません。それどころか、“彼女”に「暗い部屋で~一人でこんなの聞いてると思うと~、きもちわるい~い~」なんて言われて嫌われますからご注意を。

 「球根栽培の唄」というのは地下出版本『球根栽培法』の意味で、チューリップやダリアの球根を栽培することではありません。
 全共闘世代の人なら知っていますが、火炎瓶や時限爆弾や改造拳銃を作ることを、隠語で「球根を栽培する」と言ったのです。
 唄に出てくる「赤ヘルメットのお前」は森田童子本人でしょうか。危険な臭いに似合わない癒し系の声は、青年から中年に向かおうとする、多くの元闘士たちの傷ついた心を癒してくれました。

 ちなみにこの2枚を含め、森田童子のCDはすべて廃盤.今後再発されることはないでしょうから、貴重品になってしまいました。

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宝物「flute n' alto」

2008年05月10日 | 音楽
 チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、チャーリー・ミンガス、セロニアス・モンク、ソニー・クラークなど、1950~60年代頃のジャズが好きで、若い頃には神田神保町の「トニー・レコード」という古レコード店にずいぶん通い、そうとう投資しました。
 ジャズ喫茶の店長と張り合って、一時は二千枚を超えるコレクションを持っていたこともあります。
 置き場所に困って少しずつ処分して、今では本当のお気に入りだけ600枚ほどが残っています。
 まあ、本の蔵書に比べたらどうということないですが。

 その中でも、お気に入りでかつ宝物がこれ。

Budshank1

 Bud Shankの「flute n' alto」というLPアルバムです。
 Bud Shankは1950年代から60年代にウェスト・コーストを中心に活躍した白人ジャズメンで、アルトサックスがメインです。
 これは、フルートもやっているめずらしいアルバムです。
 それで、タイトルが「flute n' alto」。
 コルトレーンやマイルスのように強烈なインパクトはありませんが、邪魔にならないきれいな演奏を聴かせてくれています。

Budshank2

 このアルバムが宝物である理由はもう一つあります。
 発売元のワールド・パシフィックというレコード会社は、ほとんど廃盤がありません。何枚かあるバド・シャンクのアルバムも再販復刻されていて、CDになった現在もたいてい入手可能です。
 ところがなぜか、この「flute n' alto」だけは廃盤のままで一度も再販されていないのです。
 うがった言葉でいえば、「幻の名盤」ということになるでしょうか。
 
 引っ越してからLPレコードは棚に収めっぱなしで全然整理していないので、少しずつ整理しながら、珍しい盤が見つかり次第、順次メモ代わりにブログにアップしようと思います。

        ◆◆◆

 テレビのエンタの神様に、見覚えのある顔が登場。
 あ、六本木近くにある某出版社の社長だ。
 いつお笑い芸人に転職したのかしら。
 乃木坂ならぬ「芋洗坂係長」だって、社長から係長に格下げ?
      (岡田阪神浴君にしかわからない楽屋落ち)

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AKI Birthday

2008年04月03日 | 音楽
 池尻大橋のChadで4月1日、障害を持つ天才イラストレーターのAKI(木下朋幸)クンが21歳を迎え、応援するミュージシャンが集まってバースデーライブが行われました。
 Chadは小さな店で、普段なら20人ぐらいしか入らないところ、テーブルを小さくして椅子を増やし、息苦しいくらいの満員でした。

Aki01

 「きょうはどうもありがとうございました」とAKIクンの挨拶は、これから始まるのになぜか過去形。限られたボキャブラリーを精一杯使って、頑張ったぞ。

Aki02

 トップのMUEさんは癒し系というのでしょうか。AKIクンの絵が気に入って、手描きのTシャツを作ってもらったのが縁だとか。

Aki03

 ゲンちゃん(永原元)のパーカッションに合わせてAKIライブペイントの始まり。
 なんだかチベットの坊さんみたいだなあ。
 この日はゲンちゃんのおかあさんもいらしていて、着物姿の小柄な人でした。太ももみたいな腕をしたでっかいゲンちゃんがよくこんな小さなおかあさんから生まれたものだと感心していたら、横から「最初から大きかったわけではないよ」。

Aki04

 絵は見る間に仕上がっていきます。なんだかおどろおどろしい絵ですが何が出来上がるのでしょうか。

Aki05

 途中、沖縄の三味線でうたってくれる、ゲンちゃんの師匠にもあたるという方が、渋い喉を披露してくれました。ゲンちゃんのパーカッションとぴったりあってものすごくよかったのですが、不覚にもお名前を失念。

Aki06

 「この絵のタイトルは何ですか。紹介してください」とゲンちゃんに促されたAKIクンは、一瞬考えて答えました。
 「ちきゅうおんだんか、です。どうぶつたちがくるしんでいます」

Aki07

 おなじみ高橋誠! 数曲やってそそくさと帰っちゃった。「黒豆煮てるから」って、正月じゃあるまいしどんな黒豆だ。

Aki08

 トクベン(中野督夫/湯川トーベン)の登場で盛り上がりというかドヒャドヒャというか、「あ、和尚、まいど」って、何が和尚だ。中野督夫の客いじり。
 ぼそりと「…すわったところが悪いよね…」と言ったのはトーベン御大。一番前だったもんなあ。

Aki09

 狭いステージに出演者を全員呼んじゃったもんだから大変なことに。楽器もマイクも入りません。

Aki10

 ちょっと落ち着いたところで、メインゲストの斉藤哲夫さんが登場。
 あの有名な宮崎美子をスターにしたコマーシャル、「いまのキミはピカピカに光って~♪」を知っている人はかなりの年配。トーベンまつりにも来てくれたことがあります。

 宮崎美子のミノルタのコマーシャルはここで見ることができます。

Aki11

 客席とステージが一体になっての(狭いからそうならざるを得ません)フィナーレ。11時ごろまで盛り上がりました。
 みんなで「AKIクンおめでとう!」

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デビュー35周年勝手にソロライブ

2008年02月25日 | 音楽
デビュー35周年勝手にソロライブ in 三鷹
湯川トーベン
三鷹「バイユーゲイト」

<ahref="http://himawari823.no-blog.jp/photos/uncategorized/2008/02/25/toben1.jpg">Toben1

 昨日、24日、今月上旬の二つのコンサートは逃してしまったので、近場でもあることだし顔を出してきました。
 この日はソロです。一人でも十分盛り上がります。
 軽妙なトークと、テンポのいい演奏と歌で、客席は大喜び。

Toben2

 三鷹はトーベンさんの地元。すっかりくつろいだ雰囲気で(時間に関係なく)おしゃべり。
 「家から来てね、潮音がいたから誘ったんだけど、断られちゃった」

Toben3

 店のマスターともおしゃべり。
 (ライブ終了後、「オレこんなカッコしたっけ。いつ?」。今日ですよ、今日)

Toben4

 ギター演奏もすばらしかった。
 デビュー35周年! これからも頑張ってみんなを楽しませてください。

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吉永小百合『第二楽章』

2008年02月06日 | 音楽
Dainigakusho

 「原爆が広島、長崎で落とされてから50余年が過ぎました。第二楽章を、小さな声で、祈るように粘り強く、語り続けたいと思います」
 ライナーノーツの最後に、吉永小百合さんはこう書いています。

 吉永小百合さんについて調べようとネット上をうろうろしていたら、こんなCDを見つけました。
 彼女が原爆の詩を朗読していることは知っていましたが、CDになっていることを知りませんでした。不覚!
 しかもこれが発行されたのは1997年6月、10年以上も前です。
 さっそくアマゾンに注文したら明くる日届きました。(しかも割引価格で)
 このほかに、長崎篇、沖縄編もありますが、今回は大平数子さんの「慟哭」や栗原貞子さんの「生ましめんかな」の朗読を聞きたかったので、とりあえずこの1枚を購入。

 朗読はギターやオーケストラをバックに静かに語られます。
 峠三吉の原爆詩集のあの有名な「序」、“にんげんをかえせ”に始まって、代表的な原爆の詩が11編語られています。

 『第二楽章』 朗読:吉永小百合
 1. 序/峠三吉
 2. ヒロシマの空/林幸子
 3. オーケストラ演奏
 4. 生ましめんかな/栗原貞子
 5. 梅干し/池田ソメ
 6. 慟哭/大平数子
 7. オーケストラ演奏
 8. 子供たちの詩
   げんしばくだん/坂本はつみ
   おとうちゃん/柿田佳子
   先生のやけど/かくたにのぶこ
   無題/佐藤智子
 9. 灯籠ながし/小園愛子
 10. 折づる/栗原貞子
   永遠のみどり/原民喜
 11. オーケストラ演奏
 4. 生ましめんかな

 僕の感想は、とっても小百合さんらしくて、まじめでやさしい雰囲気が出ています。ただ、いささか入り込みすぎている感じがして、ところどころ“くさい”。(笑)
 そういえば、『母べえ』で自分の手紙を子供たちに語って聞かせるところが、やっぱり入り込んでいましたね。
 これ、くせなのかもしれません。
 まあ、吉永小百合さんにダメは出しにくいでしょうしね。

 それはともかく、さすが大女優、「なるほど、こういう解釈もあったか」と納得させられるところが多々ありました。
 いずれ「長崎篇」「沖縄編」も聞いてみたいと思います。

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残念!かな?

2008年01月27日 | 音楽
 先日、友人がもう使わないからといって、しまい込んであったレコードプレーヤーを無償でいただいてきました。
 我が家にはもう一台パイオニア製の名機があるのですが、事務所に置くには大きすぎるので、ちょうどいいサイズです。
 早くセッティングしたかったのですが、置き場所が確保できず、おまけにインフルエンザに罹ってしまったので、今日、無理をしない程度に周りを整理して場所を作りました。

Stylus

 友人の家でスイッチが入ることや、ターンテーブルの回転など、基本的なことをチェックしましたが、針が付いていなかったので、音が出るかどうか、まあこれが一番基本的なことですが、それを行っていませんでした。
 アシのYがお茶の水に行くついでに、適合針を買ってきてもらいました。
 3,780円。これを高いというか安いというか微妙な値段です。

 本来レコードプレーヤーというのは、回転のバランスやカートリッジの精度などはかなり追求されるものですが、基本的にはきわめてシンプル。
 回転部とカートリッジやアームがしっかりしていれば、そうそうめったなことで故障などするものではありません。
 もう一台のパイオニアは、もう30年になりますが、まったく支障がありません。

 ところがこのプレーヤー、心配なのはフルオートマチックだということ。
 レコードプレーヤーが自分でレコードのサイズを判別し、蓋を閉めなければ作動しない。
 逆に言えば、人間の操作で好きなところから聞いたりはできません。
 DJには不向き。

 言ってみればよけいな機能なのですがそれを必要とする人がいるのでしょう。
 ただで貰ったものなので文句は言いませんが……。

Phono

 案の定というか、できれば起きてほしくなかったことが発生しました。
 まず一つは、つないだオーディオ装置にphono入力端子がなく、AUXにつないだために、いくらボリュームを上げても大きな音が出ません。
 これはこちらの問題。

 すべてのレコードが一定の場所(かなりはじめのほう)で針飛びする。レコードに傷はありません。
 これはおそらく、アームが自在に動いていないという可能性が考えられます。
 30センチ盤以外、自動でも手動でも選択できず。
 手でアームを乗せることができません(すべて自動)から、ドーナッツ盤や25センチ盤は聞くことができません。

 さあ、これらのことを解決して使用すべきかどうか、いささか悩みます。
 新しく買ったレコード針がもったいない。

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