今日は9月3日、このところロンドンは晴天が続いているといって『あなたは運が良い』とホテルの受付の女性が言っていた。それでも朝と夕方は気温が日本より低く上着を着るようであった。ホテルの食堂で朝食を食べて大英博物館に行くことにした。
ホテルから町中を見物しながらゆっくり歩いて大英博物館へ行った。まるでお上りさんの気分であったが事実だから仕方が無い。
さて大英博物館に入るとその規模の大きさに驚かされた。
グーテンベルグの発明した印刷機で印刷した書籍(A3版ほどの大きさだった)が並べられていた。書籍はもちろんガラスケースの中で触ることは出来なかった。触ると紙がぼろぼろと粉になってしまうという話であった。何しろ500年も前の本ですからね。
次にエジプト文化を展示してあるところへ行った。ここには巨大なエジプトの建造物がずらーっと並べられていた。一瞬エジプトへ来たのかと錯覚してしまった。これほどの遺物を運んできてしまって良いのだろうかと疑問に思った。
その他文明が初めて築かれた地域や新しく発見された南米の古代遺跡から運ばれたものがこれ見よがしに展示されていた。
私は疑問になって ”何故これほどまで世界各地域の遺跡からいろんな遺物を集めたのか” と係の方に聞いてみた。彼曰く、
「世界の古代遺跡は盗掘されたり紛争によって破壊されたりします。それを守るには莫大な資金が必要ですね。それを我が国がやり遂げたのです。我が国以外で世界遺産の保存を出来る国はないでしょう」
彼の自信たっぷりな説明には一応納得させられてしまったが、私の中には納得しがたいものが残っていた。
その昔、バイキングやスペイン、ポルトガル、フランス、オランダなどと植民地争いをしていた時期に競って集められたという。それが国の強さを示したのかもしれない。
大英博物館には毎日でも見学に行きたいほどの魅力があった。たった1日だけ見てもその概要すら理解できないと思った。
売店で大英博物館を紹介する書籍を買ってホテルに戻った。