寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

想い出話 荒波に 削り研がれた 東尋坊

2012年05月24日 22時48分39秒 | 旅行記

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 若い頃から一度東尋坊へ行ってみたかった。

日本海の荒波に削られた玄武岩の柱状節理が写真で見ると、どうしても現地でこの目で見たいと思っていた。

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深く切れ込んだ湾のなかに遊覧船乗り場があった。時間の都合で遊覧船には乗れなかったが、海から見ると又異なった景観を味わえるのだろうと残念に思った。

 

 

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少し離れた岩の上に海鳥が休んでいた。

ここへ来る途中にはたくさんのお土産屋があった。どの店で売っているものもみな同じようなものだったが、明らかに日本産のものではないきれいな小石の袋詰めを一つ買った。


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東尋坊の由来をひもとくと、その地名はやはり東尋坊という坊さんがいた。東尋坊は手に負えないほどの悪さをするので仲間の坊さんが物見を名目にここへ連れ出して、宴会に過去づけて海へ突き落としてしまったという。すると一天にわかにかき曇り猛烈な嵐になったという。それを沈めるためにみんなで鎮魂の催しをした。そして東尋坊の名前を忘れないようにこの値を東尋坊と呼ぶことにしたという。

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東尋坊から望める雄島は、長い橋を渡っていくことが出来る。この島はほぼ全体が原生林?で覆われている。一番高いところに神社があり、高樹齢の大木が生い茂っていた。島を一周する道があり、いろいろな景観を見ることが出来る。

筆者はこの後、信長に滅ぼされた朝倉城を見に行った。


想い出話 初夏の奥入瀬渓谷

2012年05月10日 17時59分14秒 | 日記・エッセイ・コラム

 

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 新緑の奥入瀬は木々の葉が眩しく輝いていた。

 渓流の水は少し濁っていたが、新緑を映してきれいに見えた。                         

 

Pic00001 緩やかに流れる川幅の広いところと、小さな滝ともいえない段差をいくつも重ねて標高差を小さくしていく奥入瀬渓流は、各所各様の景色を映し出して、面白い。

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 途中に大きな滝があった。水は十和田湖から流れてくるのだろうか。

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Pic00003_2  十和田湖について沿岸を回っていると、少しあれているように見える建物があった。

 内部はお土産を置くスペースが少しあり、壁には見たことのない布が垂れ下がっていた。

 建物の中を見ていると、35~40歳くらいの女性が外出先から帰ってきた。いろいろ話をしていると、この方は、ラオスの婦人方と交流を深め、手織物を輸入して生業を支援しているという。

 そこで食事を作ってくれるというので、お願いした。出てきたものは、チャンチャン焼きという                 

Pic00004_6_2ものであった。チャンチャン焼きというのは、北海道の漁師が浜で、鉄板の上にいろんな魚介類をごちゃごちゃ置いて下から焼くという漁師料理であるという。一人前というのは升小寂しかったが、味はなかなかであった。

 店でラオスの婦人の手織り布を購入した。

その後、十和田湖の周りをまわって山間の一軒宿の谷地温泉へ行った。

 この宿には外国人のお上さんがいた。ハーフの娘さんたちも宿を手伝っていた。露天風呂の温泉もあり湯治場のような間取りであった。冬季は深い雪に埋もれるという。


囲碁の話ーアマチュア本因坊ー

2012年05月06日 23時41分35秒 | 日記・エッセイ・コラム

 去る4月末日に街のホールで女流プロ8段の方とアマチュア本因坊の原田実さんが我が町の囲碁愛好家の人たちに、指導碁を打って下さった。女流プロの方は8面打ち、原田さんは5面打ちで行われた。女流プロの方の指導碁は、2時間という時間内では終局まで行き着かなかった。しかし、一言ずつ感想を述べ、手直しをして、ここがこうなので黒が厚いようですねといってほめて下さった。 

 他方、原田さんの指導碁は、2人の6段の方が3子、4段の方は5子、2段の方は7子そして初段の方は8子で行われた。勝敗は指導碁なので云々いうつもりはないが、原田さんの全勝であった。

 原田さんにはこんな逸話が伝えられている。もう半世紀以上も前の話である。大学の囲碁部の部室には、いつも貧相に見える学生が昔の碁打ちの棋譜を並べていたという。新学期になると街の碁会所で囲碁に夢中になっていた新入生が囲碁部に入部したいと訪ねてきてきた。

 原田さんは、どのくらい打つのですかと聞く。新入生は、町の碁会所では自分に勝てる人はいないし強い5段と自負していたので、5段ですと少しへりくだって答えた。すると原田さんは、新入生に井目(9子)おいて下さいといった。新入生は、この人は何だろうと思いながらも、盤上に井目の黒石をおいて対戦が始まった。しばらく打っているうちに新入生の旗色が悪くなってきた。そしてついに負かされてしまったという。このような話しは一人や二人ではなく、入部を望む新入生には全員井目おいてもらって棋力テストを行ったという。そして全局原田さんの勝ちに終わったという。しかし、次からは、5子で打ちましょうとか4子でいきましょうといったという。当時の新入生は、卒業時期には原田さんに2子で打てるようになった者もいた。

 原田さんが在学中の囲碁部は、大学囲碁リーグ戦で常に一部の上位にあったという。一部リーグには、東大、慶大、早大、日大など強豪大学がひしめいていた。

 その後の原田さんの活躍は、アマチュア名人戦、十傑戦、本因坊戦などで優勝を次々に勝ち取っていった。当時のアマチュアでは、菊地さん、村上さんなどというつねに上記アマチュア戦に出場して優勝を分け合った人たちがいた。

 原田さんは、大学卒業後は製作所へ入社し、仕事をしながらの各期戦に出場していた。しかし会社の仕事の都合が付かない場合は、欠場するということだった。仕事を休んでまで出場することは決してなかったという。そこがまた、原田さんの魅力なのかもしれない。

 原田さんは、東海道線沿線湘南に住まわれているので、我が町の囲碁愛好会へ来ていただき、指導碁を打っていただきたいと思う。

 原田さん、末筆になってしまいましたが、お体にはくれぐれもお気をつけていつまでも囲碁を教えていただきますようお願いします。


春燃えて 人も自然も 衣替え

2012年05月01日 20時05分38秒 | 日記・エッセイ・コラム

 春は自然も人の気持ちも新しい息吹を感じる時期である。後期高齢者の筆者も春になると何故か新たな事に挑戦してみようと心が引き締まってくる。木々の枯れ枝に新芽が出て、葉が大きくなると同時に色が濃くなっていく。その葉が太陽の光を利用して、大気中の二酸化炭素を、根から吸い上げた水とで有機化合物を合成していく。その際に、大気中へ酸素を放出する。この反応を光合成という。

 合成された有機化合物と酸素は動物によって利用される。前者はエネルギー源となり、後者は有機化合物を燃焼させてエネルギーを産出する原動力になる。

 この現象に目をつけた科学者がいた。それはShimuraさんという某公立大学の教授になった方である。この方は、前記の光合成は電子的に進行することに目をつけた。そして葉緑素の成分であるクロロフィルに構造が似た物質を合成することに成功した。

 この物質は、フタロシアニンという名前で呼ばれており、別の物質を合成するさいの副産物として産出し、利用価値がないということで放棄されていた。フタロシアニンはガラス製造の原料の一部として使用すると、皆さんもご承知の太陽光に当たると変色するガラス、サングラスに利用されている。バスの窓ガラスにも使用されている。

 Shimuraさんは、この物質の特許申請をしないまま学会で発表してしまった。すると、ガラス業界だけで無くいろんな分野の人たちが猛烈な勢いで研究し、製品化を果たしてしまった。アメリカ合衆国などの研究者なら、先ず特許申請をして、それから学会で報告するのが常法であるが、Shimuraさんはそれをしなかった。研究者としては、一般的な製品が生産されるようになるとその物質から別の物質に研究目的が変わる。Shimuraさんも例外で無く、フタロシアニンのさらに複雑な構造の物質に研究を進めた。それはオフタロシアニンという物質であるが、どのような性質を持つ物かについては伺っていなかった。

 今は、定年を迎え絵を描くことにいそしんでいるという。年賀状に描かれている絵は何かの展覧会で受賞の対象になったと聞いている。

 頭の中でも、新旧交替が繰り返されている。それがどのように表現されるかによって他の人に深い感銘を与えることになる場合がある。

 筆者は、Shimuraさんの話を若い方々への励ましの言葉として利用させていただくことがある。

 かくいう筆者も、心の衣替えをしようと思う今日この頃である。

 

 

 


春は生き物たちの命の燃えるとき

2012年05月01日 00時29分57秒 | 日記・エッセイ・コラム

春になると、草木の葉の色がいかにも若々しくなる。

Dsc00002_2これは落葉樹に限らない。常緑樹の場合も、濃い色の葉の上に若葉が出てくる。若葉が出そろうと、古い葉が落ちて新旧交替する。

草花も一斉に咲き始め、素れっぞれの色を競う。

Dsc00004_2朝方には、すばらしい鳥たちの合唱を聴くことが出来る。その中に独唱のテノールを聞くことが出来る。鳥の大きさは、両手で包み込むくらいである自宅周辺で咲いていた花を収録した。

近頃、カラスの鳴き声が変わり求愛活動が盛んになったようだ。自然の移ろいに注文をつけるわけにはいかないが、夜中に泣くのは遠慮して欲しい。

Dsc000152mmくらいのアリが勝手口から侵入して、砂糖を探し回っている。我が家では砂糖入れ容器よりも少し大きなパットに水を入れてその中に砂糖の入れ物を置くことにしている春盛ん 色とりどりの 華匂うムカデも里に出てきた。10cmほどもある大きな虫である。ときどき家の中に入ってきて悪さをすることがあり、進入禁止の薬剤を撒いているのだがあまり効果がない。

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物置の床下に蛇が住んでいる。それがときどき玄関付近に出てきて、連れ合いを脅かすことがある。この蛇は色素が無いようで内蔵が透けて見える。あるいは脱皮した直後なのかもしれない。

というわけで、我が家の周辺は自然がいっぱいである。それを喜んでいい物やら不明であるが、今時の贅沢とはこのような物なのかもしれない。