寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

好奇心旺盛は良いけれど(20140805)

2014年08月05日 13時25分35秒 | 日記・エッセイ・コラム

 最近の報道を見ていると生命に関する嫌な事件が連続している。例えば長崎県で発生した同級生の女子の命を奪った女子高生は生命に関して異常なほどの好奇心を持っていたという。好奇心を持つことを否定したら人間の発達はなくなるだろう。しかし人を殺してみたいというのは異常としか言えない。それを聞いた周囲の大人は何をしていたのだろうか。特に最も身近にいる親は精神科の医者に相談したという。それから何をしたのだろうか。相談された医師はどんな処置をしたのだろうか。精神科では理由は不明であるが入院を拒否したという。児童相談所には勤務時間外に電話をかけたので相談できなかった。また警察には相談しなかったという。人を殺したいという考えは極めて異常であり、警察に相談しなかったのは残念であった。
 さて、加害者である高校生の好奇心を生物を殺すと言うことから別の方向に変えられなかったのだろうか。そこには論理を尽くした説得も必要だったと考える。自分のことを言って恐縮だが私は子供の頃から好奇心旺盛であった。それでまだ知識を持っていない事柄については、近所の高校の先生や中学校の先生方に聞いてみた。その問題が理解の外にある場合には勉強していれば理解できるようになると先生方に教えられ、不思議帳(ノート)なるものを作っていつかきっとその謎を解いてやると書き留めたものだった。大学生になる頃にはそこに書き留めた事柄のほとんどの問題は解決した。こういう先生や大人が近くにいないということは子供たちにとって不幸なことであり、大人の社会的責任意識が低下している証拠なのかもしれない。これは我々自身の問題でもあるのではないだろうか。


思い出話「エアロフロートに乗って4」(20140805)

2014年08月05日 08時21分32秒 | 日記・エッセイ・コラム

 今日は9月3日、このところロンドンは晴天が続いているといって『あなたは運が良い』とホテルの受付の女性が言っていた。それでも朝と夕方は気温が日本より低く上着を着るようであった。ホテルの食堂で朝食を食べて大英博物館に行くことにした。

 ホテルから町中を見物しながらゆっくり歩いて大英博物館へ行った。まるでお上りさんの気分であったが事実だから仕方が無い。

 さて大英博物館に入るとその規模の大きさに驚かされた。

 グーテンベルグの発明した印刷機で印刷した書籍(A3版ほどの大きさだった)が並べられていた。書籍はもちろんガラスケースの中で触ることは出来なかった。触ると紙がぼろぼろと粉になってしまうという話であった。何しろ500年も前の本ですからね。

 次にエジプト文化を展示してあるところへ行った。ここには巨大なエジプトの建造物がずらーっと並べられていた。一瞬エジプトへ来たのかと錯覚してしまった。これほどの遺物を運んできてしまって良いのだろうかと疑問に思った。

 その他文明が初めて築かれた地域や新しく発見された南米の古代遺跡から運ばれたものがこれ見よがしに展示されていた。

 私は疑問になって ”何故これほどまで世界各地域の遺跡からいろんな遺物を集めたのか” と係の方に聞いてみた。彼曰く、

「世界の古代遺跡は盗掘されたり紛争によって破壊されたりします。それを守るには莫大な資金が必要ですね。それを我が国がやり遂げたのです。我が国以外で世界遺産の保存を出来る国はないでしょう」

 彼の自信たっぷりな説明には一応納得させられてしまったが、私の中には納得しがたいものが残っていた。

 その昔、バイキングやスペイン、ポルトガル、フランス、オランダなどと植民地争いをしていた時期に競って集められたという。それが国の強さを示したのかもしれない。

 大英博物館には毎日でも見学に行きたいほどの魅力があった。たった1日だけ見てもその概要すら理解できないと思った。

 売店で大英博物館を紹介する書籍を買ってホテルに戻った。