寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

カマイタチとつむじ風(20140811)

2014年08月11日 10時28分44秒 | 子供のための科学のお話

 子供の頃私の住んでいた家の西側に羽後街道が通っていた。道はまだ舗装されていなかった。そのために道路は2列の牛車の車幅の轍跡(わだちあと)がついていた。それをたった一人でツルハシを持ってわだちあとの両側を崩してわだちあとを埋める仕事を黙々とやっている人がいた。

 中学校からの帰り道そこを通ると時々つむじ風が吹き土の細かいものが渦を巻いて舞い上がるのをみたことがある。それは学校の校庭でも起こりこちらはもう少し大きなものになることがあった。(著者注:つむじは頭髪が描く渦巻きを示す)

 友達はそれを見るとカマイタチが来た。逃げろと言って遠巻きにその渦を見守っていた。カマイタチの中に入ると皮膚がおいりっと避けることがあるという。私は東京にいたときにはそのようなことを見たことがなかったので不思議に思った。それで父親に聞いたり、理科の先生に聞いたりしたがその現象がどうして起きるかについてはわからなかった。

 ある日空きビンを洗っていると父がビンを回すと中の水が早く出るぞと教えてくれた。言われたとおりにするとなるほど中の水が勢いよく出るのだった。どうしてだろうとそれを何回も繰り返しているとビンの出口の所に穴が空いていることに気がついた。そして水はビンの中で激しく回っていて外へ引っ張り出されるように吹き出していた。激しく回っている水はまるでつむじ風のように見えた。それでつむじ風の起きる原因が理解出来たような気がした。普通に水の入ったビンを逆さまにすると少し水が出て空気がビンの中に入る。少しすると水は出なくなる。それでビンを振ると中の水が勢いよく出た。理科の先生に見たことを話したところ、先生は驚いたように私を見て説明してくれた。説明は難しかったがとても面白いと思った。

 この現象が海上で起きると大変なことになることがある。海面付近の水温が高くなると水蒸気が激しく上昇する。そこへ周囲から低温の大気が流れ込むとその大気の温度が上昇し同様に水蒸気を伴って回転しながら上昇する。水蒸気を含んだ大気が上昇すると中心部の気圧は周辺よりも低くなる。それが大きくなると熱帯低気圧になりさらに台風へと発達する。

 そんなある日、新聞の広告の雑誌の特集記事の中に「台風の眼」というのが載っていた。私は父に頼んでその雑誌を買って貰った。それは小説になっており一人の少年が父親の船に乗って釣りに出た。するとしばらくして一天にわかにかき曇り黒い雲がすごい早さで空いっぱいに広がった。父親は「これはどえらいことになるぞ」と言って嵐に備えた。やがてものすごい風が吹き荒れバケツの水をまけたような雨が突き刺さってきた。舟は木の葉のようにゆれた。しばらくすると突然風が止み波が小さくなった。空を見上げると星が見えた。嵐になったときにはまだ太陽が真上にあったのにと不思議に思っていると父親が今は台風の眼の中に入ったので風がなくなったのだと説明した。そしてこれからもう一暴れするから注意するようにと言った。そしてまた嵐の中に突入した。やがて風が弱くなり大きなうねりの中で舟がゆれていた。太陽は西方にかたむいていたがまだ空にあった。台風を無事やり過ごしたのだ。少年は台風を経験し台風の眼を初めて見た。

 私はこの小説を読んでますます気象について興味を持った。


台風26号接近中20131015-16:57

2013年10月15日 17時59分35秒 | 子供のための科学のお話

 秋も少しずつ深まってきて、台風の季節も終わりかと思っていたら26号が東海関東南部に接近中と発表されました。当地では現在北東の風が時々強く吹いています。雨もその風に乗って北側の雨戸をたたいています。お子様のために台風の進路と自分のいる位置における風向きの変化について説明しましょう。

 台風は、次のように考えると理解しやすいでしょう。透明なビンに水を入れて口と底を持ってぐるぐる回すように振りまわします。 ビンの中の水はぐるぐる回ります。そのままの状態でビンを逆さまにすると、水は勢いよく口から吹き出します。そして真ん中に穴が開いて空気が中へ吸いこまれていきます(出来たら風呂場など広いところで実際にやってみて下さい)。これが台風のイメージです。空気は見えないので水でやるとわかりやすいですね。空気がビンの中に吸い込まれるとその圧力で水はさらに勢いよく外へ出ます。空気の通る穴は水がないつまり雲がないのです。台風の場合はこれを眼が出来たと言います。TVや新聞などの写真を見ると台風の真ん中に丸い黒い部分があります。それが台風の眼です。眼の所は風が弱く晴れていることがあります。そしてその穴に向かって周囲の空気が渦を巻いて吸い込まれていきます。それが台風の風です。

 次に台風はそれ自身は動くことが出来ないが、周辺の気圧の状況とジェット気流の通路によって進行方向が変化すると言われています。2013101512
 気象庁の本日12時に発表された天気図(右図)を見てみましょう。台風の進路の両側に高気圧がありますね。その間の北に低気圧があります。台風はこの間を進むのです.左(大陸側)の高気圧が時速20km/hで南東に進み、右側(太平洋側)の高気圧は時速30km/hで東に向かって進んでいます。

 さらに低気圧も時速35km/hで東に進んでいます。台風は太平洋(右)の高気圧と北にある低気圧に引っ張られて北東方向に進む予想になっています。以上の話は専門家から見ると異議があるかも知れませんが、大方は当たっていると思います。

 今私の心配事は、台風が私の家の右側を通るか左側を通るかと言うことです。台風の風は向きがしょっちゅう変わりますが、通常は台風の中心に向かって吹きます。私の家は北川が少し高くなっており、西側は樹林があり風を緩和してくれます。南東側は低くなっており風がまともに当たります。それで台風の進路が気がかりになるのです。数年前に屋根が飛ぶという被害を受けました。

 明日の午後には台風一過と言う日本晴れが期待されます。被害が出ないように、あるいは軽くてすむようにと思ってベランダや庭にあるいろいろなものを午前中に整理してひもで縛ったおきました。役に立つとよいのですが。


ミノタンのお正月(タコ揚げ)

2013年01月01日 23時35分51秒 | 子供のための科学のお話

 ミノタンは今朝早く起きて、パパ、ママと初目の出を見に行きました。海のずーっと向こうの方が少しずつ明るくなり、やがて燃えているように真っ赤なお日さまが昇って来ました。お日さまの上にあった雲が黄金色に輝き、とってもきれいでした。
 パパとママはお日さまに向かって手を合わせて、ミノタンが健やかに成長するように、世界の平和が早く来るように、そして世界中の人たちが幸せになるようにお祈りをしました。
 ミノタンは、お日さまがすっかり海から出るまで見ていましたが、お日さまの光が強くなって来たので眩しくなりました。すると、パパが、
 「お日さまが上の方へ昇って来ると、目を悪くするからいつまでも見ていてはいけないよ。これから少し海岸を散歩してから帰ろうか」
 と言って、ミノタンを真中にして手をつなぎ波打ち際を歩きました。地上が明るくなったので、砂の上にたくさんの貝殻が落ちているのが見えるようになりました。
 「パパ、この白いものはなんなの?」
 とミノタンはパパに聞きました。
 「これは貝殻っていうんだよ。海の砂の中に潜って棲んでいたいろいろな貝の抜け殻なんだよ」
 とパパが言いました。
 「砂の中にいたら苦しくないのかな」
とミノタンは不思議に思いました。
 「ミノタンが大きくなって、いっぱい勉強すると解るようになるんだけど、今はまだ難しいことだね」
 と言いながら少し貝の話をしてくれました。
 「普通の貝は海水がしたるくらいの浅い海の砂の中に棲んでいてね、貝殻の隙間から管を出して海水の中に溶けている空気(酸素)を吸うんだよ。ほら、前に水族館に行ったとき水槽の中に潜っていた人がいたね、あれと似ているね。だから砂の中にいても平気なんだよ」
 とパパが教えてくれました。
 ミノタンは難しいと思いましたが、貝に興味をもったようです。こんど貝のお話の絵本を買ってもらおうと思いました。
 初日の出を見てお家へ帰って来ると改めて
「おばあちゃん、パパ、ママおめでとうございます。」
 とミノタンは大きな声でおばあちゃんとパパとママに元旦の挨拶をしました。
「はい、おめでとう」
 とパパとママは声を合わせてお返事をしました。
 ミノタンの大きな声を聞きつけて、田舎から来ていたおじいさんが二階から降りて来ました。
「ミノタン、おめでとう」
 と、おじいさんがニコニコしながら言いました。
「おじいちゃん、あけましておめでとうございます」
 とミノタンは大きな声でチャンと挨拶ができました。
「おやまあ、ミノタンはよくご挨拶ができたね」
 とおじいちゃんとおばあちゃんが言いました。
「ご褒美にお年玉をあげましょうね」
 と、おばあちゃんが、小さくてきれいな袋をくれました。
「わーい、おじいちゃんおばあちゃん、ありがとうございます。パパ、ママお年玉をもらったよ。ほら!」
 とミノタンは、うれしさいっぱいにお年玉を見せました。
「さあ、お雑煮を食べましょうね。ちょうどおもちも焼けてきたわ」
とママが言いました。
「いただきます」
 とミノタンは言ってお雑煮を食べ始めました。
「ミノタン、おもちは少しずつよくかんで食べるのよ。そうしないとのどに詰まってしまうからね」
 とママが言いました。
「はーい」
 と言いながら、おもちを少しずつかみ切って食べました。
「おいしいね」
 とミノタンは、おもちを残さずに食べました。
「ミノタン、おせち料理も食べてね」
 と、おばあちゃんが一言いました。
 ミノタンは、厚焼き卵や黒豆やお煮染めを食べました。
 「もうお腹いっぱいだよ。ごちそうさま」
 と言ってミノタンは、お庭の見えるところへ行きました。お庭には、椿の木が赤い花をいっぱいつけていました。そして、雀が土の上の何かをつついていました。
 それからミノタンはおじいちゃん、おばあちゃん、パパ、ママたちとお寺に初詣に行きました。参道は、たくさんの人が歩いていました。お店も出ていました。ママはミノタンのために交通安全のお守りを買ってくれました。
 午後になると、コウタンが遊びに来ました。すると、おじいちゃんは、タコを作ってあげようと言いながら細く割った竹をもってきました。おじいちゃんは竹をナイフで削りながら、昔の子どもの遊びについて話してくれました。
「お正月には、男の子はみんなタコあげをしたもんだよ。タコは自分で竹を削って作ったもんだ。そらこうしてね。そして習字の紙を貼り、貼った紙に絵や文字を描いたものもあったな。できたタコは、両端の下の方に紙のシソポを付けるんだ」
「シッポは何で付けるの」
 とコウタンが聞きました。
「いいとこに気がついたね。タコがあげるとき、シツポを付けておくとタコがくるくる回らなくなるんだよ。そしてタコの上の竹はこうやって糸で少し曲げて弓のようにしておくといいんだ」
 と言いながら、おじいさんはタコをどんどん作っていきました。
「糸は、真ん中と骨の四隅に付けて、5本の糸を一緒に持ち、下の方の糸を少しだけ長くするといいんだ。そら、シッポを付ければできあがりだよ」
 ミノタンとコウタンは、おじいちゃんとおじいちゃんの作ってくれたタコをあげに近くの公園に行きました。公園には他の子もタコをあげに来ていました。そこにヒロもタコをあげていました。
「あ、ヒロもタコあげに来ているよ」
と二人は同時に言いました。ヒロも気が付いて、
「ミノタン、コウタンおめでとう」
と大きな声で言いました。
「やー、ヒロ、おめでとう」
とミノタンとコウタンも言いました。ヒロのパパにもきちんと挨拶をしました。
「やあ、ミノタンとコウタン、おめでとう。今年もヒロシと仲良くしてね」
 とヒロのパパも、挨拶しました。
「オッ、君たちのタコは手作りだね。すごいな、お父さんが作ってくれたのかい」
「これは、ボクのおじいちゃんが作ってくれたんです。絵はコウタンと二人で措いたんです」
 と、ミノタンが言いました。
 二つのタコは、ちょうどよい風に乗って気持ち良さそうにお空で遊び始めました。
 しばらくすると、ミノタンはタコがどうしてお空にあがるのか不思議になりました。
「ミノタン、何を考えているの」

 と、コウタンが聞きました。
「うん、どうしてタコはお空にあがるのかなあって、不思議に思ってたんだ」
 とミノタンは言いました。すると、近くにいたヒロのパパがこコニコして、説明してくれました。
「タコに糸を付けるとき、上の両端に付けた糸は下のよりも少し短く付けてあるだろう。そうすると、風がタコに当たると下に流れる風よりも上に流れる風の方が多くなるんだよ。そうするとタコは上に行くんだけど、いやー、これはまだまだ君たちには難しいね」
 ミノタンは、大きいタコを作り、それに乗ってお空にあがってみたいなあと思いました。

 飛行機が空を飛ぶ、ヨットが風上へ向かって走る、タコが揚がる、霧吹きの霧が出る原理は、基本的には、ベルヌーイの定理(1738年発表)を利用したものです。そう、高校の物理の授業で習ったことですね。ベルヌーイの定理について詳しくはネットで検索すると出てきます。 かなり難しいですが。


ミノタン渋柿を食べる

2013年01月01日 22時02分02秒 | 子供のための科学のお話

 高い青空に、いわし雲がきれいに浮いています。
 今日は、ミノタンの幼稚園では貸し切りバスで遠足に行く日です。ミノタンはママとお弁当を持って幼稚園にきました。しばらくするとコウタンもママと一緒に幼稚園にきました。ミノタンは大きな声で、
「コウタンお早う、コウタンのママお早う」
 と言ってコウタンのところへ走って行きました。コウタンもミノタンに走りよって、
「ミノタンお早う」
 と言いました。
「ミノタンお早う。好いお天気でよかったわね」
 とコウタンのママもにこにこして、ミノタンの頭をなでてくれました。少し離れたところでママたちが挨拶を交わしています。
 ほかのお友達もママと一緒に幼稚園に集まってきました。
 先生が、表へ出てきて、大きな声で、
「みなさん、お早うございます。いつものようにリス組は緑色のハタのところへ、ウサギ組は黄色のハタのところへ集まってください。これから園長先生のお話があります」
 と言いました。幼稚園のお友達は、おしゃべりをしながらハタの前に並びました。
「よい子の皆さんお早うございます」
 と園長先生が言うと、ミノタンたち園児も大きな声で
「園長先生、お早うございます」
 と挨拶をかえしました。園長先生はにこにこして、
「今日はとっても好いお天気になってよかったですね。これからバスに乗って遠足に行きます。皆さんは元気ですか」
「はーい、元気でーす」
「それでは、先生たちのお話を聞いてバスに乗りましょう」
 ミノタンたちは、担任の先生の後について順序よくバスに乗り込みました。みんながバスに乗ると、バスは静かに走り出しました。園児たちは、お友達とお話をしたり外の景色を見ていました。
 しばらくすると、ミノタンのおじいちゃんのいる田舎みたいなところに着きました。
「さあ、皆さん目的地に着きましたよ。バスの中でお話しした注意を守って元気よく遊びましょう」
 と先生が言いました。ミノタンたちは仲のよいお友達同士でおしゃべりをしながらバスを降り、広場の方へ行きました。
 広場でみんなで歌を歌ったり、鬼ごっこをしたり、ボールで遊んだりしているうちに、お昼のお弁当の時間になりました。
 園児たちは先生の周りに座って、ママたちとお弁当を食べました。高くすんだ青空の下でお弁当を食べると、幼稚園で食べるお弁当よりもおいしく感じ、残すことなくみんな食べてしまいました。
 お弁当を食べ終わると、ミノタンたちは、木登りを始めました。
 この広場には、子どもたちが木登りができるように木の回りにはしごがかけてありました。しばらく木の上で歌を歌ったりしていましたが、ミノタンとコウタンは、きれいなオレンジ色の実が沢山ついている木を見つけました。
「わあー、きれいな実が沢山ついているね、コウタン」
「うん、おいしそうな実だね。ミノタン」
 コウタンもこの実が気になってきました。周りを見ると、たくさん実をつけて地面近くまで下がっている枝を見つけました。その枝のところへ行くと、近くにいたおじさんが、
「これは、柿というんだよ。でもまだまだ渋いよ。もっと赤くなると柔らかくなっておいしくなるよ」
 と教えてくれました。ミノタンとコウタンは、オレンジ色の実を一つとって、ハンカチで皮を拭き、そーっと囁ってみました。
 二人とも柿の実を噛ったとたんに、
「ウッ」
 と言って、思わずつばを吐いてしまいました。ミノタンとコウタンは、おじさんが言った〝渋い〟ということがわかりました。
 二人は、
「早く、赤く柔らかくなった柿の実を食べたいね」
 と話し合いました。

 お日さまはミノタンたちを優しく見下ろしながら暖かい日差しを投げかけていました。

 柿の実は、未熟なうちは渋く鳥たちに食べられないように身を守っているのです。そして実の中の種子が熟すと、果肉を甘くして鳥たちが喜んで食べるようにします。そして一緒に食べた種子を遠くへ運んでもらって、そこで芽を出して大きくなり、たくさんの実を付けてもらう作戦を立てているのです。こうして自分たちの子孫(遺伝子)を残すのですね。

 筆者は、パリで完熟した柿を食べたのを思い出しました。実の天辺にスプーンで適当な大きさの穴を開け、スプーンで柔らかい果肉をすくい取って食べたものでした。パリで柿を食べることが出たことに感動しましたし、スプーンで皮を破らないようにすくって食べたことにも感動しました。旅に出るとこんな些細なことにも感動するものですね


ミノタン、不思議なコマを見る

2011年10月11日 23時52分40秒 | 子供のための科学のお話
 

    きょうは幼稚園で、先生が不思議なことを見せてくれました。それは、どんな向きにコマを置いても輪の中にあるコマは回り続けるのです。ミノタンは、この話をパパがお休みの日にして買ってほしいとおねだりしました。
 「ミノタン、それはねジャイロコマと言うんだよ。心棒になっている棒が輪の外に出ていただろう。その心棒の先を形を変えて糸の上にのせて綱渡りをさせたり、縫い針の先に乗せたりしてもコマは回り続けるんだよ。」とパパは、説明してくれました。そしてどこで売っているのかなといいながら、すぐにコンピューターに向かってどこで売っているか探し始めました。
  「うん、わかったぞ。○マル商会で売っているんだ。近くで売っているのはどこかな・・・・・。家の近くで売っているところまでは、わからないね。」とパパがいいました。
 「デパートなら売っているよね。パパが会社の帰りに探してくれればいいよ。」とミノタンはいいました。
  「そうだね、なるべく早く探してこよう。」とパパはいいながら、「そうだ今日は、コウタンたちも呼んでみんなでコマを作ってみよう。」といいました。というわけで、コウタンやヒロに電話をかけました。二人とも何も予定がなかったので喜んでミノタンのお家へお昼ご飯を食べてから集まることになりました。その間に、ミノタンのパパはコマを作る材料を集めていました。ミノタンはパパに聞きながら、パソコンのコマのサイトを見てみました。ミノタンは、コマの種類がとってもたくさんあることを知りました。そして回し方にもいろいろあることも知りました。
 今日は、家族みんなでお昼に焼きそばを食べました。ハルちゃんはもちろんミルクがごちそうです。
 コウタンとヒロがまもなくミノタンの家へやってきました。みんなはお庭に面した部屋にミノタンのパパを囲むように座りました。 パパは、初めにニンジンを薄く切って周りにギザギザを付けたものをみんなに渡しました。それから厚さ1㎝(センチメートル)のニンジンを下の方をとがらせたものも用意していました。ミノタンたちは、不思議そうに、「エー、ニンジンでコマを作るの?」と声をそろえて言いました。するとパパは、次に爪楊枝を取り出してとんがっている方を2㎝位に切ったものをニンジンに刺しました。 「さあ、君達も同じようにやってごらん」といいながらみんなに同じものを渡しました。みんなはわいわいいいながらパパのまねをしてニンジンに楊枝を刺しました。
 「コマが出来たら回してみよう。」といいながらパパはニンジンコマをおぼんのうえで回しました。すると赤いニンジンコマがきれいに回りました。ミノタンたちも回しました。
 「わー、ニンジンコマが回った回った。すごいねー。ママ見に来てよ。」  といいました。 「ほんと、きれいね。」とママがいいました。 「さて次は、厚紙でコマを作ってみよう。」とパパが厚紙に丸を書いたものを出して、ハサミで丸く切り出しました。そして円盤を中心から扇形に三つに分けて赤色、黄色そして青色を塗りました。その他に同じ色を輪に塗ったものをつくり、丸く切った中心の所に、また楊枝を刺しました。
  「さあ、出来たぞ。それでは試しに回してみよう。」といいながら、作ったコマを回しました。色を輪に塗ったものは、きれいにいろの輪ができました。ところが扇状に色を塗ったものは、黒っぽい色になってしまいました。ミノタンたちはビックリしてパパの方を見ました。パパは色の不思議について説明してくれました。ミノタンたちは、色には三原色というのがあり、それをいろいろな割合で混ぜるといろいろな色が出来ることだけが判りました。でも難しかったようですね。


ミノタンの日時計

2011年08月22日 07時10分47秒 | 子供のための科学のお話

 幼稚園では、節分の豆まきやおひな祭りの行事がすぎました。幼稚園のお庭は春のお日様が暖かく照っています。
  ミノタンやお友達は、幼稚園が明日からお休みになるので、園長先生のお話を聞くためにお庭に並んでいます。
  「みなさん、明日から幼稚園はお休みになりますが、4月の幼稚園が始まるまで元気でいて下さいね。4月から年長組になるイルカ組の人たちは、お姉さんやお兄さんになるのですから、年少組の子どもたちの見本になるようになりましょう。とくに、給食で食べるものに好き嫌いのある人は何でも美味しく食べられるようになりましょう。それから、年少さんにお話をしてあげられるようになるために、絵本を自分で読めるようになりましょう。そして、お父さんやお母さんのお手伝いもしましょう。それではこれで解散にします」。と園長先生は、子供たちに手を振ってあいさつを終わりました。
 年長組の園児たちは、もう卒園式を済ませていたのでミノタンたちが、4月からは年長組になるのでした。園児たちは、それぞれのお父さんやお母さんと手をつないで、帰っていきました。ミノタンは、コウタンやヒロと何か相談をしています。
  「うちのパパがお彼岸にお墓参りをした後で、何かおもしろいものを作ってくれるんだって。だから一緒に見ない」。とミノタンはコウタンとヒロにいいました。
  「うちのパパやママに聞いて、どこにも行かないっていったら、ミノタンのおうちへ行くよ」。とコウタンとヒロがいいました。
 3人は、パパやママの所へ走っていきました。ミノタンのパパは何を作ってくれるのでしょうか。楽しみですね。
 パパがお休みのお彼岸のお中日(春分の日)に、ミノタンの家族はお寺へ行きご先祖様のお墓参りをしました。お家へ帰ってくると、パパとミノタンはすぐに着替えました。そこへちょうどコウタンとヒロがきました。
 パパは、お庭にシートを敷いて、板と大工道具を持ってきました。
 「さあ、みんなこのシートに上がってみていなさい。これからお日様で時刻がわかる時計を作るんだよ」。
  「へー、お日様で時刻がわかるの」とミノタンがいいました。
 「不思議だね」とコウタンとヒロが同時にいいました。
 「お日様で、今何時かわかったら、とっても便利だね」。とパパがいいました。
  「でもね、不便なこともあるんだよ。まず夜は、お日様がでていないからわからないし、雨が降ったり曇っていたりするとわからないんだよ」
 「どうしてなの」と3人は不思議そうに聞きました。
 「それはね、ほら、君たちの陰がシートの上にできているね。お日様がでている間は、陰ができるけど、お日様が沈んでしまうと陰ができないからわからなくなってしまうんだよ」とパパがいいました。パパはお話ししながら木をノコギリで切ったり、角を削ったり台になる板にコンパスで半円を書いていきました。そして半円を書いた線の上に12等分の印を付け、中心とその点を結ぶ線を引いていきました。
 「これって、パラシュートの絵みたいだね」と、ミノタンがいいました。
 「ほんとだ、僕こういうのをテレビで見たことがあるよ」と、コウタンがいいました。
  その間にも、パパは板にペンキを塗ったり仕上げをしていました。
 「さあ、できたよ」と、パパがいいながらきれいなものを見せてくれました。
 「これが日時計といってお日様の位置で時刻がわかる装置だ」と、パパがいいました。
 子供たちは、「かっこいいね」とか、「きれいだね」といいながら日時計をさわっています。
  出来上がった日時計は、板の上に書いた半円の真ん中と円の中心を結んだ線の上に三角形の別の板が乗っています。
 「これが日時計だよ、この三角の板を南と北に向けて平らな(水平な)所におくと、ほら三角の板の陰が下の板の目盛りの所にくるだろう」といってパパが指を指して説明してくれました。
 「今できている陰の部分に印を付けておくよ」といって、パパは小さなタック紙に時計の時刻を書き日時計の陰の端につけました。そして、また少し難しいお話をしてくれました。
 「今日は、春分の日だね。秋の秋分の日と春の春分の日には、お日様が東の海からでて、西の海に入る昼間の時間と、夜の時間が同じになるんだよ。だから今日のお昼の12時になると、お日様は真南に来る。だからこの三角の板の陰が一番細くなり、この12の所を指すんだ。そして夕方の6時になると、こっちの端に来るんだよ。日本の国は広いから、場所によって少しずれることがあるけどね。ミノタンたち幼稚園の子どもにはやっぱり難しいかな」といってパパはにこにこしていました。ミノタンたちは、日時計が珍しくいつまでもじーっと見ていました。
 ミノタンのままが、「ミノタンおやつですよ。パパも一緒にお菓子を食べなさい。飲み物もどうぞ」といって美味しそうなお団子をお皿にいっぱいのせたものとジュースのビンを持ってきました。お団子を食べジュースを飲んでしばらくして、ミノタンたちは日時計の所へ戻ってきました。すると三角の板の陰がとなりの目盛りの所へ移っていました。
  「わー、陰が動いた。陰が動いた」と子どもたちは大喜びでした。パパとママも楽しそうにその光景を見てにこにこしていました。


ミノタン月世界へ行く

2011年06月26日 22時57分02秒 | 子供のための科学のお話

 ミノタンは、おばあさんが読んでくれる昔話がとっても好きです。
 きょうもおばあさんにお願いして、丸いお月さまを見ながら昔話を読んでもらっています。
 

 昔、京の近くのあるところに、おじいさんとおばあさんが仲良く住んでいました。
 おじいさんとおばあさんは、竹を使ってカゴやザルなどをつくり、それを京へ売りにいって生活をしていました。
 ある日、おじいさんは、竹やぶへ竹をとりにいきました。
  おじいさんは、どの竹を切ろうかなと竹を選びながら竹やぶのなかを歩いていました。
 すると、おじいさんは、下の方が光っている 一本の竹を見つました。
 おじいさんは不思議に思って、竹のねもとの方をていねいに切ってみました。すると、竹の中に、とてもかわいい小さな女の子がいました。
 おじいさんは、その女の子をそおっと竹の中から取り出して、急いで家へ帰りました。
 「おじいさん、きょうはずいぶん早く戻ってきましたね。良い竹が見つかりましたか。」とおばあさんは、おじいさんにききました。
 おじいさんは、小さな女の子をおばあさんに見せながらいいました。
 「きょうはとっても不思議なことがありましよ。このかわいい女の子が竹の中にいるのを見つけたので、急いで戻ってきたんだよ」
 おばあさんは、その小さな子をひとめ見ると、とっても好きになり、神様が私たちに授けてくださったのだと感謝しました。
 そして、おじいさんと二人でこの女の子を大切に育てることにきめました。
 おじいさんとおばあさんは,その小さなかわいい女の子をかぐや姫とよぶことにしました。
 おじいさんとおばあさんは、かぐや姫を毎日まいにち大切に育てました。
 かぐや姫は、おじいさんとおばあさんに大切に育てられて、どんどん成長していきました。
 かぐや姫は、成長するにつれてますます美しくなり,その美しさはたいへん評判になり遠くの人たちも見にくるようになりました。
 おじいさんもおばあさんも、とても幸せな毎日を過ごすことができました。
 かぐや姫は、とても幸せでしたが、ある年の秋が近づくと少しずつ悲しそうな顔を見せるようになりました。
 おじいさんとおばあさんは、とても心配になり、かぐや姫にどうしてそんな悲しそうな顔をするのかをききました。 
  すると、かぐや姫は目に涙をいっぱいためながらいいました。
 「おじいさんおばあさん、わたしはもうじき月の世界へ帰らなければなりません。月からお迎えの乗物がきます。おじいさんとおばあさんにはとても大切にしていただいたこと、そしてこんなに大きくなるまで大事に育てていただいたことをたいへん感謝しています。でも、こんどの十五夜の夜にはどうしても月へ帰らなければなりません。」
 おじいさんとおばあさんは、とても驚きそして悲しくなりました。
 なんとか、かぐや姫を自分たちのところにいつまでもとどまるようにお願いしましたが、かぐや姫は月へ戻らなければならないわけを話してくれませんでした。
 そしてとうとう、かぐや姫が月へ戻らなければならない十五夜がきてしまいました。
 かぐや姫は、それはそれはりっぱな乗物にのって月へ帰っていきました。
 おじいさんとおばあさんは、とても悲しくなりましたが、かぐや姫が幸せになってくれることをお祈りしました。

  ミノタンは、いつのまにかかぐや姫といっしょに月の世界へきてしまいました。
 「月の世界へ、ようこそお出でくださいました。ゆっくり楽しんでください。」とかぐや姫がいいました。ミノタンは、いつの間にか宇宙服を着ていました。

 「あー、待って、僕はどうしたらいいのか教えてよー。」とミノタンは言いました。
 ひとりぼっちになったと思ったミノタンは、ふと気がつくとそこには宇宙服を着ているミノタンのママがいました。そして宇宙船の船長さんもいました。安心したミノタンは、お空に青くとてもきれいな星が浮かんでいるのを見つけました。
 「きれいだねー」とミノタンがいいました。
 「ほんとにきれいねー」とミノタンのママもその星の美しさに感動しました。
 「あの青い星は、ミノタンやママや船長さんが住んでいる地球だよ。
 あの青いところは海で、白い綿のように浮かんでいるのは、お空に浮かんでいる雲だよ。」
  ミノタンもママも、きれいな地球にみとれているうちに、かぐや姫はいつのまにかいなくなっていました。
 ミノタンは、宇宙服をきていました。もちろんママも船長さんも宇宙服を着ています。
 「ミノタン、すこし飛び上がってごらん。」と船長さんは、ミノタンに いいました。
 ミノタンは、ママと船長さんに両手をつかんでもらって、すこしだけ飛び上がってみました。
 するとミノタンは、船長さんの肩のところまで高く飛び上がることができました。
 こんどは手をはなしてもらって飛び上がってみました。するとどうでしょう、ミノタンは、ママや船長さんの頭の上まで飛び上がることができました。
 そしてゆっくり降りてきました。船長さんは、ミノタンをやさしく抱き留めてくれました。
 「ママ、ぼくってすごいでしょう。こんなに高く飛べるんだから、オリンピックの選手なれるね。」
 「そうね、ミノタン期待してるわよー。」
とママはいいました。
 「船長さん、どうしてこんなに高くまで飛べるの。」、とミノタンは、船長さんにききました。
 「ミノタンは、いいことに気がついたね。それではどうして高く飛べるのか教えてあげよう。
 月では同じ物が、ミノタンたちの地球の重さの約7分の1になるんだよ。だから、ミノタンは地球で体重が14 Kgだとすると、月では2 Kgになってしまうんだよ。だから高くまで飛べたんだね。」と船長さんは教えてくれました。
 「ママも飛んでごらんよ。」とミノタンはいいました。
 ママが飛ぼうとすると、船長さんはママに
「軽く飛んでみてください。おもいっきり飛ぶと危険ですから。」といいました。
 ミノタンのママも軽く飛んでみました。そうすると、ママはスローモーションの映画を見ているようにゆっくりと上にあがり、ふんわりと降りてきました。
 ミノタンは、宇宙服を脱げばもっと高く飛べると思いました。
 そして宇宙服を脱ごうとしました。すると、船長さんが、あわてて「ミノタン、宇宙服を脱いではいけません。」といいました。
 「どうして?」とミノタンはききました。
船長さんは、やさしくミノタンに説明してくれました。
 「月の世界には、みのたんの地球とちがって、空気が無いんだよ。だから、宇宙服を脱ぐと空気が吸えなくなって苦しくなってしまうんだよ。宇宙服には、空気の入れ物がついているでしょう。だから、息苦しくならないんだよ。」
  ミノタンは、青い地球やお空いっぱいにちりばめられたたくさんの星を見ることができる月の世界が、とっても好きになってしまいました。そしていつまでもお空の星や青い地球を眺めていました。
 しばらくたつと ミノタンはのどがかわいてきました。そしてママにいいました。
 「ママ、のどがかわいたよ。」
 ママは、どうしたらよいかわかりませんでした。
 すると、船長さんが、ミノタンの宇宙服スイッチを押しました。
 すると、宇宙服の中で、口のところにチュウーブのはしがでてきました。
 「ミノタン、そのチューブのはしを口で吸ってごらん。」と船長さんがいいました。
 ミノタンは、船長さんにいわれたとおりにしました。すると、チューブからミノタンの大好きなオレンジジュースを飲むことができました。
 「わー、おいしー、ママも飲んでごらん」とミノタンは、ママにもすすめました。
 ママもチュウーブからオレンジジュースを飲みました。
 しばらく、ミノタンは月の世界を歩きまわりました。
 ミノタンは、少しはしゃいでいたので、疲れてしまったようです。そしてママの背中に背負われて眠ってしまいました。
 おばあさんが昔話の絵本を読み終わってみると、ミノタンはいつのまにか、おばあさんのお膝に頭を乗せて寝てしまいました。

 「ミノタンこれでかぐや姫のお話は終わりですよ。おやおや、ミノタンはねむってしまいましたね。」と、おばあさんはミノタンにやさしい目をむけました。

 ミノタンは、かぐや姫と一緒に月の世界へ行き、とっても楽しい月の世界を探検した夢を見ていたのでした。