monologue
夜明けに向けて
 



わたしは米国での弾き語り時代、 GARY PUCKETT and the UNION GAPの"WOMAN, WOMAN をレパートリーの一曲にしていた。グレン・キャンベルもカバーしていたがわたしはゲイリー・パッケットのハードな歌い方が好きで発声をそっくりコピーして歌っていた。そのクラブの女性バーテンダーが昼間、LAPD(ロス市警)の職員をやっていたので夜仲間の職員たちを店に呼んでわたしの歌を聴かせた。わたしがバーテンダーにリクエストされた「ウーマン・ウーマン」を歌うとそれから女性職員たちがよく連れだってやってきて「ウーマン・ウーマン」をリクエストするようになった。かの女たちは「おんなよ、自分の心を偽っていないか?」という内容に自分を重ねて身につまされるようだった。

 LAPD(ロス市警)の警官は夜中の巡回が大変である。毎夜、目をつけた麻薬デイラーの家の前で窓に向けてヘッドライトを当てる。危険地帯のドーナッツ・ショップでドーナッツを食べ顔見知りの家に立ち寄り一休みする。海岸のあたりに駐車している車の中のカップルは恋愛なのか事件なのか見極めがむづかしい。午前2時にバーが終わって出てくる客はほとんどが飲酒運転だけど蛇行がひどい以外みんなつかまえるわけにはゆかない。わたしが夜中、巡回地点になっているという友達の家でギターを弾いているとパトロールがやってきたことがあった、ひとしきり歌を聴いて拍手して「もう遅いからあまりうるさくないように」と言い残して次の場所へ出ていった。
fumio

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