monologue
夜明けに向けて
 



息子から、テキサスの友達の結婚式に出席したときのDVDが送られてきた。

 オクラホマからテキサスへと走る車の窓外の田舎らしい風景を見ていると
映画「俺たちに明日はない」の衝撃的な最後のシーンがよみがえった。あの州境で
ボニー&クライドは待ち伏せされて射殺されたのだ、と。
名作映画の一シーンは心のどこかにしまわれていて
折りにふれて顔を出してその感動をふたたび思い起こさせてくれる。

到着した式場にはハリウッドのスタジオで役者が演じる虚構のアメリカ人ではなく
現在に生きるアメリカ中西部の本当の人々の姿があった。
かれらは新郎新婦を祝福し実に楽しそうにふるまっていた。

 式後、かれらが向かったダラスのJ.F.ケネディの射殺現場は
一大観光スポットになっていて道路に塗った白ペンキのXマーク地点に立ったり、陸橋その他の建物などからのライフルの発射角度を検証して
それぞれに推理を組み立てる観光客で賑わっているのを目にすると
複雑な思いがする。それはまるで知的エンターティメントのようだ。
あのアメリカの闇を象徴する奇妙な事件はいまだに風化することなく現代の人々の興味を駆り立てている。
いつの日にか真実が明らかにされ、あの推理エンターティメントに終わりを告げるのだろうか。
fumio


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