monologue
夜明けに向けて
 




 ♪あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖振る♪
♪紫のにほへる妹を憎くあらば人妻故に吾恋ひめやも♪

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  額田王は668年の蒲生野の宴でのライブで大海人皇子が「紫のにほへる妹」と詠んだ時、この「妹」が自分のことと思っていたが実は「政権」を指すことを壬申の乱によって知ることになった。大海人皇子は「政権」に恋して娘である十市皇女の夫、大友皇子を滅ぼしてしまった。その頃、十市皇女と大友皇子の間には葛野王(かどののおおきみ)が産まれていた。

 それで壬申の乱の後、額田王と十市皇女と葛野王は助け出されて大海人皇子のもとに戻ってきたのだが大海人皇子が乱に勝利して天武天皇2年正月に即位すると、天智天皇の娘、鸕野讚良(うののさらら、またはうののささら)皇女が皇后に立てられ天武天皇の在位中、皇后はずっと天皇を助けた。かの女はのちに持統天皇として即位することになる。

 その頃、皇太子兄弟に愛され時代を画したシンガーソングライター額田王の役割はもうすでに終わっていた。そして歴史の舞台から静かに消えていったのである。
fumio

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