monologue
夜明けに向けて
 



いよいよ12万とされる大軍の幕府軍が見守る前でハジマーシュすなわち「創む明日」と呼ばれる芸術家森宗意軒の笛太鼓琵琶で盛り上げ踊り歌い演出する原城(ハライソ)舞台は佳境に入った。戦うことを忘れて愛おしむ、と異国の言葉でコーラスしている。
幕府軍は観客にとどまらず自分たちも踊り唱えずにいられない。ついにクライマックスを迎えるとその時、雷鳴が轟き閃光が奔りすべての一揆衆の命の代わりに、一揆のシンボル四郎だけを引き渡すという裏取引通り舞台中央に16歳の美少年天草四郎(益田時貞)がひとり残された。
雷光に照らされて「わたくしはユダヤ人の王ナザレのイエスJesus de Nazaré, Rei dos Judeus」メサイヤである。世を救う、と宣言した。
そして、「LOVVAD・SEIAOSẨCTISSIM・ SACRAMENTO (最も貴き贄を讃え崇める)」と続けた。
額には☆の印が輝いている。その圧倒的なオーラに撃たれて幕府軍も一揆衆ももう境がなかった。わけがわからないままウオーン、ウオーンとみんなが抱き合い啼きだしたのであった。
それが一揆の終わりだった。
fumio

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