monologue
夜明けに向けて
 



28日、NHKBSで「井上陽水ドキュメント「氷の世界40年」という番組が放映された。
その中で面白かったのは陽水氏を世に出した森本レオ氏の証言だった。陽水氏を囲んで友達みんなでアルバム「断絶」を聴こうとした時、歌い出しの瞬間、陽水氏が息を呑んだので「あがってるんじゃん。なんだよ」といって笑った時「生きるか死ぬかなんだ。この瞬間にかかってるんだ。緊張するに決まってるだろう」といって怒り出したという。その場の人々は陽水氏が歌を歌うのではなくて聴くだけでそんなに熱くなるのに驚いただろう。アンドレ・カンドレとしてデビューして発売した「カンドレマンドレ」がまったく売れず、井上陽水として制作したこのアルバム「断絶」にかれがどれほどかけていたかよくわかった。必死の思いだったのだ。井上陽水名義で最初に出したシングル「人生が二度あれば」はあまりヒットしなかったが名曲「傘がない」は、わたしたちの世代の多くの心をとらえ井上陽水の代表曲となった。現在は正体不明の不思議キャラで本音を洩らさない陽水氏もブレーク前には本音を洩らして怒った青春時代があったというのに胸を打たれた。
fumio

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )