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ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

バランス

2022-04-03 | 仕事


心理の仕事をしていると、
疲れた人、病んだ人に接する機会が多いのですが、
そのような人に、とても優しく接してはいるけれど、
自分の周りにいる人にきつーく当たる人が結構多くて、
私は常々、疑問と反発を覚えることが多いのです。

どういうことかと言うと、
患者さんには気持ち悪いほど丁寧に接している女医さんが、
スタッフ(つまり私だ)には居丈高に接したり、
クライエントさんには不自然な猫なで声とひきつった笑顔で接している心理士が、
後輩(これまた私だ)に平気で意地悪をしたりすることがよくあり、
私はこういう女医さんや心理士が見せる優しさは偽りであり
周りにいる人を平気で傷付けて内省をしない人に
人を癒す資格などないのだと
内心、憤っていたのでした。

ただ、先日、精神科のえらーい先生が書いたエッセイで、
自分は外で、重い患者さんに誠心誠意、尽くしていたつもりだけれど、
その間、家庭では妻や娘に非常に冷たく当たっていたことに気付かされた、
というくだりを読みました。
その先生が言うには、外で患者さんに優しさを放出している分、
家では家族に冷たく当たって鬱憤を晴らすことで、
無意識のうちに、心のバランスをとっていたらしい、ということでした。

八つ当たりされる家族やスタッフはたまったものではありませんが
きっとそういうことなんだろうな、と妙に腑に落ちました。

患者さんにも優しく、スタッフや家族にも優しい人はいるんですよ。
それができない人は、優しさの総量が足りないんだと思います。
あるいは、自分の総量を超えた仕事を引き受けてしまっているか。
恐ろしいのは、総量を超えた分、周りの人に八つ当たりをすることで
心のバランスをとっていることに、
気付いていないことなんですよね。

これはきっと、心理の仕事に限らず、
看護師さんとか、介護職とか、サービス業とか、
人と接する仕事である限り、
いやいや、仕事に限らず、人間関係全般において、
きっと当てはまることなんだろうなあ。

そう思うと、
仕事は自分一人でしているつもりになっていても、
実はスタッフや家族に支えてもらって成り立っているのであり、
そういう見えない人たちの支えがあって、
社会全体が成り立っているんだなあという思いが深くなります。

…というわけで、皆、自分の器を超えた仕事やサービスはほどほどにして、
のんびりやっていきましょう、と
私は言いたいです。


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ズームおばさん

2022-03-21 | 仕事

最近はコロナのせいで
会議のほとんどがオンラインで行われるようになってきました。

私もしばしば参加させていただいているのですが
顔がお団子のように並んで表示されるのが、どうも苦手です。

昨日の会議でも、私のすぐ横に若くてかわいい社員さんが表示され
若い子 VS ザ・おばさん(私)の対比、
もっと言うなら、若い子 VS その劣化版(私)みたいに感じられてしまい
心苦しい気がしたものです。

顔面補正をマックスにかけて対処を試みたものの
一人だけピンボケした顔になっただけで
決して若くは見えず。
諦めました。

せめて自分の画面だけでも、
顔の並び順を変えられる機能をつけて欲しいです。
(若い子を離したい)

しかし、オンライン会議のツールも、
色々と便利な機能が増えて、楽しいですね。
私のお気に入りは、口や眉毛に色をつけてくれる機能で
実際にお化粧をするより綺麗になれる気がします。
昨日も色と透明度をあれこれ調整して
ベストな組み合わせを追究していました
(←仕事しろ)。

ほかにも搭載して欲しいのは
目を大きくする機能かなあ。。

しかし、補正しすぎて
オンライン会議のときだけMatt化するおばさんになっても痛いな!


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子連れ出勤

2022-03-15 | 仕事

昨日、出勤すると、給湯室に小さな女の子が座って
パソコンの画面に見入っていました。
上司が自分の娘を職場に連れてきたのでした。

コロナの影響でオンライン授業になってしまい
家に置いておけないので、一緒に連れてきたそうです。

コロナ禍で、学校や保育園が閉鎖して
行き場を失ってしまった子供たちが、
親と一緒に職場に来ることが増えました。
皆、自然にそれを受け入れています。

昔、アグネス・チャンさんが、子供を職場に連れて行ったことで
日本中から総バッシングを受けましたが
時代は変わったなあと思います。
ちなみに、私の職場で子供を連れてきているのは
皆、男性です。
奥さんと共働きで、一緒に子育てをしているのです。

私の職場が特殊なのかもしれないですが
時代の変化を実感します。
よい時代になったなと思います。

自分の言動がその他大勢と違っていたとしても
必ずしもそれが間違っているとは限らず、
時代の先をいっているだけなのかもしれない。

時と場所が変われば、常識は変わる。
そう考えると、少し気が楽になります。


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出会いの回避

2022-03-11 | 仕事

先日、知り合いに紹介された単発のお仕事がありました。
都内の某会社で心理のミニセミナーを開催するというもので
私を含め、心理士が5~6人、集まりました。
皆、初対面の方々でした。

仕事はスムーズに終わり、その場で解散になりました。
軽く挨拶をした後、皆、セミナーの会場から出て、
出口のエレベーターホールに向かいました。

そのままそこでエレベーターを待っていればよかったのですが
私は廊下を直角に曲がり、トイレに行きました。
そして、適当に時間をつぶした後、エレベーターホールに戻り
人がはけた後のエレベーターに一人で乗って帰りました。

トイレに行くふりをして
私は初対面の方々と過ごす気まずい間を避けたのでした。

私は、口では人と交流したい、新しい出会いが欲しいと言いながら
本当は人とやり取りをするのが億劫で
自分から人を遠ざけているんだなと思いました。

些細な出来事なのですが、
このような小さな回避の積み重ねが
今の孤独につながっているようにも思いました。

もしかしたら、新しい知り合いができたかもしれないのに。

出会いにも小さな勇気がいるんだなと思いました。
小さな勇気を積み重ねて、
今とはちょっと違う自分になりたいです。


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面紗をとれ

2022-02-27 | 仕事
少し前に視聴していた中国ドラマ、「如懿伝」で、
皇帝が美女で名高い寒香見という西域のお姫様と
初めて相まみえる印象的なシーンがありました。

寒香見は異教徒の風習で、顔の下半分を面紗で隠しています。
皇帝や皇后、並み居る側室たちの前で舞を披露した後、
皇帝から「面紗をとれ」と命じられます。

寒香見は西域随一の美女との噂だし、確かに舞は上手だけど、
実際のところ、顔はどうなのよ?と、皆の視線が集中します。
面紗をとった寒香見は…
期待を裏切らない美女で、皇帝は以後、寒香見に首ったけになります。

私も先日、この「面紗をとれ」と命じられる場面に遭遇しました。

採用面接に呼ばれ、私はマスクをつけて会場に出向きました。
顔を晒さないで面接できるのは楽だな~と油断していたところ
「本人確認のため、マスクをとってください」と
面接官に言われました。

その瞬間、私の意識は時空を超えて
面接会場から清朝の紫禁城にタイムスリップし
広間で衆人環視の的になっている寒香見
(ただし顔に自信がない)の心情とシンクロしました。

私はしばし逡巡した後(油断して口紅をつけていなかった)、
マスクを外し、顔を晒しました。
寒香見のがっかりバージョンを図らずも再現してしまったと
私は誰にも理解されないであろう小さな孤独と落胆を抱えて
面接に臨むことになったのでした。


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