ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

ボランティア

2014-07-26 12:27:26 | 仕事
待ちに待った夏休みが始まりました。

仕事から放れて、パーッと楽しもうと思っていたのですが
実際にはその真逆に。

動物たちのことで、クヨクヨ悩むことに。。。

夏休み中は、日直の先生が、日替わりで
動物たちの世話をしてくれることになっているのですが
責任が分散されてしまうせいか、
世話が行き届かないことが多いそうなのです。

で、見かねた用務員さんが
最低限の世話をしているそうです。
暑さもあって、毎年、夏休みは、
動物が死んでしまうことが多いとか。

私はパートタイマーなので、
出勤する場合は、上司の許可が必要です。
上司と交渉して、1週間に1回は、
動物の世話をしに
学校に来ていいことになりました。

でも、動物の世話が、1週間に1回で
済むはずがありません。
上司は「日直が世話をすることになっているから」と言いますが
私は心配でたまりません。

「動物の世話は日直の仕事」
と割り切ることができたら、
私はパーッと遊べたと思います。

でも、動物たちの生死にかかわることを
思考の枠外に置くことは
できませんでした。

結局、自分にできる範囲で、
ボランティアとして
世話をしに行くことにしました。

今日も午前中、学校まで行ってきました
(電車で8駅・・・結構遠い)
用務員さんが、飼育小屋の掃除をしてくれていました。
(やっぱり日直の先生はやっていない

私はカメの世話をしました。

浴槽の水をバケツで汲み出して
ホースで綺麗な水を入れました。
二匹のカメが手足を伸ばして、
ぐるぐる回って泳いでいました。

透明な水が、朝の光を反射して
水晶のようにキラキラしていました。

その様子を見ていたら
私は自分の心の中に
目には見えない宝石がたまっていくように感じました。

動物たちがくれる、
見えないごほうび。

動物たちが元気でいてくれたら、
私はそれでいいのだ。


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カメの話

2014-07-16 18:48:27 | 仕事
私が勤めている学校には、色々な動物がいますが、
今日はカメの話をしようと思います。

学校のカメは、校庭の隅、
大きな木の下の浴槽で
ひっそりと暮らしています。
大きなカメと小さなカメが二匹います。

目立たない場所にいるせいもあってか、
今までは、あまり目をかけられることもなく
その存在を知らないという人もいました。
私が初めて見たときは、
浴槽は濁って腐臭のする泥水でいっぱいで、
とてもカメがいるようには見えませんでした。

用務員さんが見かねて、
「これじゃカメの虐待だよ」と言いながら
泥水を汲み出していました。
やがて、底の方からカメが二匹、出てきました。
じっとして動きませんでした。
流し場に連れて行き、そっと洗ってあげると、
少しだけ動いたので、生きているのが分かりました。

ウサギやハムスターは、その愛らしい見た目もあり、
比較的、多くの人から世話をされているように思います。
私は、校庭の隅にいて、忘れられがちなカメを
できるだけ世話してあげたいと思いました。

浴槽をデッキブラシでゴシゴシこすって洗い、
綺麗な水の中に放してやったとき、
カメが、手足を大きく伸ばして
スーッとまっすぐ泳ぎました。
水面が木漏れ日でキラキラしていました。
「ああ、気持ちがいい。」
そんなカメの気持ちが、
はっきり伝わってきました。

それからは、カメの世話がやみつきになりました。

最近は、水を替えるときに、
カメ二匹を外に出してやって、
自由にお散歩をしてもらっています。
生徒がいると、カメをつついたり
上下に重ねて遊んだりするので
なるべく生徒がいない時間帯を狙って散歩させています。

カメは思い思いの場所に歩いていきます。
彼らのゆったりした歩みを見ていると
心が和みます。

ある日、ちょっと目を離したすきに、
大きい方のカメが、少し離れたところにある
田んぼの中に入ってしまったことがありました。

生徒たちが代かきをしたばかりの、
平らに整い、きれいに水を張った田んぼです。
そこにカメが、自分でドボンと入ってしまったのです。

しまったと思ったときには既に遅し。
カメは、ぐんぐん、中の方まで入って行って、
手の届かないところまで進んでしまいました。

もう片方の端から上がってくるまで
待つしかないなと思い、
私はそのまま、放っておきました。
カメが楽しそうに見えたせいもあります。
私には、カメがウキウキしながら
泥遊びをしているように見えたのです。

そこに人の足音。
私は咄嗟に、「叱られる!」と身を固くしました。
振り返ると、用務員のおじさんでした。
「すみません、すぐ戻します」と言うと、おじさんは、
「いいよ、どうせ田植えのときに
子供の足跡でぐちゃぐちゃになるんだから。」
と、カメに寛大でした。

私とおじさんは、しばらく一緒に、
田んぼの中を自由に歩くカメを眺めていました。
カメは、手足を力強く動かしながら
泥を掻き分け進んでいましたが、
田んぼの真ん中に来ると、ふっと止まり、
首をぐっと伸ばして、目を細めました。

五月の爽やかな風が吹いていました。
「今年は、カメにとって、天国だねえ。」
用務員のおじさんがつぶやきました。
私は、目の奥が、じわっと熱くなりました。

このときの光景を、
私はこの先もずっと、忘れないと思います。
手足を泥だらけにしたカメでしたが、
とても美しかったのです。


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苦手だった子

2014-07-09 19:01:59 | 仕事
苦手な子がいました。

顔を見ると「さなぎだ!!」と近寄ってきてお尻を蹴ってくるし
私の持ち物を取り上げて遠くに放り投げたり
乱暴な言葉を吐いたりします。

なるべく近寄らないようにしているのですが
向こうから寄ってきて
色々な意地悪をするのです。
子供のすることとはいえ、正直、かなりうざい。。。

昨日は、図工の授業で、皆で自由にお絵書きをしたのですが
「さなぎ」と大きく書いた紙を持ってきて、
背中にセロハンテープで貼れと要求します。
適当に流していたら
色々な字体(?)の「さなぎ」の紙を作っては持ってきて
受け取りを強要されました。。。

授業後、すぐに捨てようと思ったのですが
裏紙に使えるなと思って
自分の机の引き出しの中に入れておきました。

そして今日。
廊下を歩いていたら運悪くその子に遭遇
(なるべく会いたくないのによく会ってしまう)
「さなぎ、昨日の紙、どうした?!」と
大声で聞かれたので
「引き出しの中に入れてとってあるよ。」
と答えました。

すると、その子は一瞬だけ、
とても嬉しそうな顔になりました。

その顔を見て、私は初めて
その子を「かわいいな」と思いました。

私も、幼稚園児のとき、
母に、紙粘土で作ったブローチをプレゼントしました。
母は、そのブローチをつけてお出かけすることは、さすがになかったけれど、
ドレッサーに入れて、ずっと大事にとっておいてくれました。
私は、そのことが、とても嬉しかった。

その子も、きっと、
同じような嬉しさを感じたんじゃないかなと思います。

裏紙にするということは言わなかったけど・・・(笑)


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縁の下の力持ちたち

2014-07-02 19:44:07 | 仕事
今日は畑で野菜の収穫をしました。

子供たちが収穫をする一足先に、私は畑に行き、
草むしりをしました。
蚊にいっぱい刺されたし、雑草の花粉(?)で、鼻水が止まらない。

で、子供たち登場。
ワイワイいいながらキュウリやナスを収穫。

子供たちが去った後、
例によって(笑)スコップを片づけ、
山のように積まれた野菜を洗う私。

疲れた。

少し前までは、
「はあ~。最近の子供たちは、片づけをしない」
と、愚痴っていたところです
(過去の記事はこちら→→『やっぱり疑問に思う子供の態度』)

でも、最近、考えが変わりました。

ずーっと前から、子供って、こうだったと思うんです。
きっと、私もその一人だったに違いない。

野菜の収穫も、いも掘りも、
もっと言えば、運動会も学芸会も音楽会も、
きっと入学式も卒業式も、
大人たちがお膳立てをしてくれていて、
自分たちは、一番いいところだけ、体験させてもらっていた。

私の中で、色々な行事を楽しんだ思い出が残っているけれど、
その影には、きっと、私のような大人たちが
裏方として働いてくれていたんだろう。

その人たちのことは、名前も、存在すらも覚えていない。
でも、その人たちの見えない努力が、私の思い出を
今でもしっかりと支えてくれているのだ。

この仕事をしていなければ、
この事実には、ずっと気付かずにいたことだろう。

縁の下の力持ちたちに、遅ればせながら、お礼を言いたい。


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