ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

豊かな時間

2020-09-12 21:51:09 | 仕事
最近、小学校で働いていた2年間のことをときどき思い出します。

私は飼育動物の世話を任されていて、ウサギやカメ、文鳥、セキセイインコと金魚の世話をしていました。

よく思い出すのは、それまで世話をされずに泥だらけになっていたカメの浴槽を、デッキブラシでこすっていた自分の姿です。浴槽からカメをそっと出して散歩させている間、せっせと泥を掻き出してコケを洗い流していました。

カメは風に吹かれて気持ちよさそうにしていました。綺麗な水に放したときに、気持ちよさそうに泳いでいた姿も忘れられません。

それまでの私は、都心のオフィス街で、パソコンと向き合いながら、書類に埋もれる日々を過ごしていました。窓の外を見ても無機質なビルがあるだけでした。人が作ったものではなく、神様が作ったものを見たい…。そう思いながら毎日を生きていました。

そんな私が、汗を流してカメの浴槽を洗い、ウサギの柔らかさに触れ、小鳥の鼓動を手のひらに感じながら働いた。エネルギー溢れる子供たちと過ごす時間があった。

勤めていた当時は不満ばかりでしたが、今、振り返ってみると、自分に必要な時間だったことがよく分かります。私がこれから生きていく上でバランスを保つために、なくてはならない時間でした。

そして私が覚えているのは、デッキブラシで浴槽のコケを落としながら、額の汗を拭くために顔をあげると、校舎の屋上から、教頭先生が身を乗り出してこちらを見ていたことです。

額に汗して働く私の姿を、見ていてくれた人がいたのです。ここで私がカメをいじめていたりしたら別ですが、カメをそっと浴槽から取り出し、散歩させてあげている私を見て、悪く思う人はいないのではないでしょうか…

今から思えば、小学校での2年間は、とても豊かな時間でした。苦しいこと、辛いこともありましたが、時が経った今は、そう思えます。

今の私の暗中模索の日々も、将来、豊かな時間だったと振り返れるようになるといいな…


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シグナル

2020-09-12 10:56:10 | 片思い
憧れの離島の人が投稿するたびに
私は「超いいね」や「すごいね」などの"特殊いいね"を押しているのですが

(関連する過去の記事はこちら

人気者の彼には多くの「いいね」がつくので
私の「いいね」は埋もれてしまって
目立たない感じがします。

先日、私が久し振りに自分のページで投稿をすると
彼から「すごいね」がついていました。

私のページはひっそりとしていて
素っ気ない「いいね」がいくつかついているだけなので
彼の「すごいね」はおひさまのマークのように輝いて見えました。

 君が毎回、「すごいね」をつけてくれていることは
 僕も気付いているよ

そういうシグナルだと私は感じました。

誰も気付かない夜空の片隅で、
キラッと一瞬だけ輝いて尽きるような、
ささやかなシグナル。

これ以上、先に進むことはできないし
きまぐれなチャンスの到来を
期待することもできないでしょう。

でも、そんな一瞬もあったということを
記憶しておきたいと思います。


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