ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

リカバリー・カバヒコ

2024-02-26 08:53:18 | 映画・ドラマ・小説
青山美智子さんのリカバリー・カバヒコを読んだ。
心が温かくなる、いい話だった。

意外だったのは、カバヒコの存在感がとても控えめなこと。
夜になったら歩き回るとか、魔法を使えるとかはない。
夫は、カバヒコの背中から超合金の羽が生えて
困った人を救いに行く話だと思っていたそうだ。
そんなマトリックス・カバヒコの話ではない。

カバヒコはただ静かに、
そこにいるだけなのだ。

私もカバヒコに会いたい。
私の話を聞いてもらいたい。

カバヒコ〜
みんなね、自分の話ばかり一方的にするんだよ。
私の気持ちはお構いなしに。
私、ただの道具と思われているみたいだよ。
みんなの感情のゴミ箱みたい。
ゴミ箱にも気持ちはあるのに!!
黙って聞いていればいいとばかりに!!

たまにだけど、私をいたぶって憂さばらしする人もいるんだよ。
抵抗したらクレーム出すんだよ。
ひどくない?

苦しいよ、カバヒコ。
休みたい。
自分の心をケアしたいよ。
心が傷付いた。

カバヒコ…
私もカバヒコみたいにボロボロになった。
目もよく見えないし、肌も塗装が剥げてシワシワだよ。
カバヒコと一緒だね。

疲れたよ、カバヒコ。
休みたいね。
カバヒコに会いたい。


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カムカムエヴリバデイ その2

2022-03-24 08:00:00 | 映画・ドラマ・小説

標記の朝ドラですが、毎日、欠かさず見ています。

最近、見ていて思うのは、このドラマのテーマの一つに、
「叶わなかった夢」というものが
あるのではないかということです。

錠一郎のトランペット、
文四郎の時代劇俳優、
算太の「たちばな」再興、
桃太郎の恋愛成就などなど・・・。

努力して夢を叶えるドラマは数多くあると思うのですが
実際には、努力をしても叶わない夢の方が多く
その過程は地味で冴えないから
ドラマにはなりにくかったと思うんです。

でも、私が本当に知りたいのは
人が夢を諦めた後、どう生きるかということでした。
このドラマは、さりげなく
そこに光を当ててくれているような気がします。
(夢を諦めているのは、主役ではなく、皆、脇役だから)

「夢を諦めた後も、生活は続く」と
錠一郎が言っていたけれど
私も実感として、そうなんだろうなあと思います。

自分が当初、思い描いた道とは違っていても
それなりに大切な出会いがあり、幸せがある。
そういうことなのかなと思います。

右肩上がりの成長が見込めない、
努力に見合った見返りが必ずしも得られるとは限らない、
今の時代の雰囲気を反映したドラマなんだなと思います。

そして、峠を越えて人生の秋を迎えた
私の心情にも沿ったドラマのように感じています。


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東リベ

2022-02-12 15:13:22 | 映画・ドラマ・小説
夫が録画した「東京卍リベンジャーズ」のアニメを一緒に見ています。

流行っているのは知っていたのですが、おっとり、穏やかな夫が興味を持っていたのは驚きでした。夫曰く、アベンジャーズみたいなヒーローものだと思っていたようです。予想は早々に裏切られたようでした。

暴力描写が生々しかったので、二人とも怖くなり、2話の途中で一旦、見るのを止めました。しかし、「ここで止めたら、面白さが分からないのではないか。流行っているには、理由があるはず」という思いもあり、頑張って(?)視聴を再開したところ、主人公が友達を助けるためにボスに戦いを挑むあたりから面白くなってきました。

刺激的な内容に私たち夫婦も影響を受け、二人で卍会を立ち上げようという話になり、「〇〇市△△町◎丁目▲番地◆号卍会」という、勢力範囲が極めて狭い(ほぼ現住所)の卍会を作りました。私たち夫婦はその範囲で「番を張っている」という設定です。総長は私、夫は副総長です。隣のメビウスがときどき抗争をしかけてくるので、二人で迎え撃つというストーリーです。

週明けに、録画した回をドキドキしながら見ています。二人とも暴力描写は苦手なので、おっかなびっくりです。私は、このアニメを見て、夫が夜の街を怖がり、寄り道をしないでまっすぐ家に帰ってきてくれるようになればいいなと思っています。
 
いい歳をした夫婦ですが、楽しませてもらっています。

 
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カムカムエヴリバデイ

2022-02-12 14:36:24 | 映画・ドラマ・小説
今期の朝ドラ(カムカムヴリバデイ)ですが、毎日、楽しみに見ています。
 
今まで放映された中で一番のお気に入りは、接近するジョーとるいの姿に気を持むベリーに、トミーがかけた言葉です。
 
「気が合う者は、特別なことをしなくても自然に引かれ合う。そして同じ夢や目標を抱いて共鳴するんや。」
 
というような内容だったと思います。
 
人との出会いについて、私はその通りだと感じています。私と夫は、出会ったときから、何となくこの人とは合うなという感覚がお互いにあり、大きな困難もなく、とんとん拍子で結婚しました。育った環境、金銭感覚や価値観はとても似ていると思います。二人で無理なく、共鳴するように暮らしている感じがします。
 
一方が頑張って関係を育てようとしても、互いに引き合わなければ何も起こらないのは、もう痛いほど経験してきました。
 
また、ドラマではありますが、毎回すごいなあと思うのは、いつまでも働かないでぶらぶらしているジョーに、るいが全く怒らないことです。入水自殺をしようとしたジョーに「私が闇から救い出す」みたいなことを言って抱きしめたるいですが、その決意を貫いていて、本当に立派です。私だったら「いい加減、働け」と小言を言っていると思います。
 
おっとりしているけど芯が強いるい、愛が深いんだなと思います。格好いいです。
 
バトンはアンカーのひなたに繋がりましたが、最後に安子とるいの和解があればいいなと思って見ています。
 
 
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すべて真夜中の恋人たち

2021-11-22 09:00:19 | 映画・ドラマ・小説
川上未映子さんの「すべて真夜中の恋人たち」を読みました。
(以下、ネタバレあり)

新聞で連載中の「黄色い家」が面白くて、川上さんの小説をいくつか読んでみました。
「乳と卵」、「ヘヴン」と読んで、今回が3作目です。

3作に共通するポイントをみつけました。

1 主人公は地味で暗いタイプ
2 相反する主張がぶつかり合うシーンがある
3 分かりやすい大団円がある

1は、最も意外だったポイントです。川上さんは、いつも新作を出すと顔写真つきで宣伝される美人で、見た目で販促するタイプだろうと勝手に思い込んでいました。内容も共感できるものではないだろうと思い、今まで読む気になれなかったんです(読むと傷付くような気がしたから)。

「黄色い家」を読んで、多数から冷やかされたときのいたたまれなさがとてもリアルに描写されていて、なんとなく「こっち側」に立ってくれる人だなあと感じ、もっと読んでみたいと思ったのです。

そして、3作まで読んで感じたのは、見た目の美しさに反し、男性のことはほとんど書かれておらず、女性自身を深く掘り下げて理解しようとしている姿勢でした。男性とのやりとりより、女性同士の本音のやりとりに興味を持っている感じがします。ちなみに家族のあたたかさ、親子の情愛といったテーマもほとんど扱われません。

2は、小説をあまり読まない輩の妄言ですが、作者の主張を登場人物に延々と語らせるのは、小説の手法としてあまり上手な方ではないんだろうなあ・・・と感じています。ただ、熱がこもっており、読ませる部分ではあります。3作とも、主人公とは全く異なる精神構造の人物が、主人公の価値観を打ち砕くような、根本的に相容れない主張をぶつけてきます。

私はこの二つの主張がぶつかるシーンを読むと、いったい作者は、どちらの主張の側に立っているんだろうなと思います。「乳と卵」、「ヘヴン」を読んだときは、きっと作者自身が抱える葛藤を、二人の登場人物に分けて戦わせてみたんだろうなと感じました。でも、今回、「すべて真夜中の恋人たち」を読んで、作者はきっと基本的には主人公の側で、それを脅かす主張と議論させてみたかったのではないかと思いました。具体的には主人公と聖の主張の対決なのですが、作者の中で聖のような考え方が優勢なのであれば、きっと聖を主人公にしたのではないかと思ったからです。

3は、個人的にはなくてもいい部分だと思っています。純文学なんだから、これ、なくていいよ的な激しい感情の発露のシーンが、3作ともあります。私の好みですが、これはむしろない方がいい・・・。なくても分かるし、ない方が現実の物語っぽいし。映像化されたときのことを考えて書いているのかな。

表題作ですが、読了後はとても寂しい気持ちになりました。ハッピーエンドではありません。。雰囲気としては川上弘美さんの「センセイの鞄」にとてもよく似ています。でもそれよりもっと悲壮感と切迫感があります。

また、作中のエピソードとして、不倫をしている主婦の話があり、不倫相手と会っているときは楽しいけれど、会うたびに自分の心の一部が麻痺して硬くなっていき、しんどくなる。同じく不倫をしている自分の夫は、気楽に過ごせているといいな、しんどく感じていないといいいな・・・という独白の部分が、結構、刺さりました。そうか、そんな風になるものなのか・・・。

主人公が頭にうかんだタイトルを書き留める、というラストは、残念ながらあまり心に響かなかったな。どういう意味合いがあったんだろう。

また別の作品を読んでみようと思います。


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