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ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

光と影

2025-04-07 | 映画・ドラマ・小説
引き続き「スキップとローファー」の話です。

同書の2巻で、「私がムカつく奴の名前を2つ覚えている間に
この子は親切にしてくれた人の名前を1つ覚えるんだろう」というセリフがあり、
このセリフが胸に刺さる人が、ネット上でも多いようです。
私もその一人です。ハッとさせられる印象深いシーンです。

私はここを読んだとき、自分はどっちだろうと考え、
おそらく前者よりではあるが、ムカつく奴、親切にしてくれた人の
両方に気付くだろうな、と思いました。

人のよいところに気付ける人は、それと同じくらい、人の悪いところも見えてしまうのではないかと思います。
感度の高い人ほど、微量な善意と悪意の両方に気付いてしまうでしょう。
さりげない善意に気付いて心が温まることもあれば、
滲み出る悪意を感じ取って傷付くこともあると思います。
どちらか一方のみを受け取ることはできないのです。

そして、人の悪意には目をつぶり、できるだけ善意にフォーカスした言動を心がけることが、今の世の中に求められている、あるべき人間像のように感じています。

私のブログも、本当はよいことだけを書き綴っていたら、
もっと爽やかで読後感のよい(?)ものになるのだろうと思います。
そうありたいという衝動に駆られ、人の悪口を書いた記事を、ちまちまと非公開にすることもありました。

でも、「人の善意のみに気付く自分」は、ありのままの私ではありません。
よいところ、悪いところ、両方に気付いて、喜んだり、苦しんだりしているのが私です。
人に光が当たれば、そこには必ず影ができます。
光だけを書き続けることは、私には息苦しくてできません。

「スキップとローファー」も、主人公のよいところがたくさん描かれていますが、
それと同じくらい、別の登場人物のネガティブな気持ちも、たくさん描き込まれています。だから一気読みするとしんどくなる…。
きっとこの作者も、人のよいところと悪いところの両方に気付いてしまう人なのだと思います。

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スキップとローファー

2025-04-07 | 映画・ドラマ・小説
アニメをちらっと見て心を掴まれたので、
週末で一気に8巻まで読みました。
以下、感想です。

心理描写が細やかで、とても読み応えのある作品でした。
みつみの器の大きさが大好きです。みつみの良さは、人の上辺ではなく本質を見る力にあると思いました。クラスでの立ち位置や損得感情を抜きにして、まっさらな目でその人だけを見ている気がします。私もこういう人になりたい…

実際にはクラスでカーストの上下が混ざり合ってグループを構成することはなく、「こうだったらいいな」の夢物語だと思いました。その一方で、心理描写が繊細すぎて、一気に読むと息苦しくなリました。描写されるエピソードの一つ一つが、現実社会と地続き過ぎて(「あるある」が多い)、逃避できないからだと思います。

心に残るエピソードは多くありますが、私は、ナオさんが、心に湧いてくる陰性感情を上手く処理して、みつみに優しく接するところが好きでした。高校時代のナオさんが海辺で一人で泣いているシーンも…。ドロドロした胸の内をさらけ出したりぶつけたりするのが偽りのない人間関係かというと必ずしもそうではない。大切に思う相手を傷付けないように、自分の醜い部分には触れさせない。ナオさんはカッコいい大人だと思いましたし、今の私が目指す姿でもあります。

色々と考えさせられる要素が詰まった作品で、じっくり読み返してみたくなります。この作品に出会えたことに感謝です。


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リカバリー・カバヒコ

2024-02-26 | 映画・ドラマ・小説
青山美智子さんのリカバリー・カバヒコを読んだ。
心が温かくなる、いい話だった。

意外だったのは、カバヒコの存在感がとても控えめなこと。
夜になったら歩き回るとか、魔法を使えるとかはない。
夫は、カバヒコの背中から超合金の羽が生えて
困った人を救いに行く話だと思っていたそうだ。
そんなマトリックス・カバヒコの話ではない。

カバヒコはただ静かに、
そこにいるだけなのだ。

私もカバヒコに会いたい。
私の話を聞いてもらいたい。

カバヒコ〜
みんなね、自分の話ばかり一方的にするんだよ。
私の気持ちはお構いなしに。
私、ただの道具と思われているみたいだよ。
みんなの感情のゴミ箱みたい。
ゴミ箱にも気持ちはあるのに!!
黙って聞いていればいいとばかりに!!

たまにだけど、私をいたぶって憂さばらしする人もいるんだよ。
抵抗したらクレーム出すんだよ。
ひどくない?

苦しいよ、カバヒコ。
休みたい。
自分の心をケアしたいよ。
心が傷付いた。

カバヒコ…
私もカバヒコみたいにボロボロになった。
目もよく見えないし、肌も塗装が剥げてシワシワだよ。
カバヒコと一緒だね。

疲れたよ、カバヒコ。
休みたいね。
カバヒコに会いたい。


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カムカムエヴリバデイ その2

2022-03-24 | 映画・ドラマ・小説

標記の朝ドラですが、毎日、欠かさず見ています。

最近、見ていて思うのは、このドラマのテーマの一つに、
「叶わなかった夢」というものが
あるのではないかということです。

錠一郎のトランペット、
文四郎の時代劇俳優、
算太の「たちばな」再興、
桃太郎の恋愛成就などなど・・・。

努力して夢を叶えるドラマは数多くあると思うのですが
実際には、努力をしても叶わない夢の方が多く
その過程は地味で冴えないから
ドラマにはなりにくかったと思うんです。

でも、私が本当に知りたいのは
人が夢を諦めた後、どう生きるかということでした。
このドラマは、さりげなく
そこに光を当ててくれているような気がします。
(夢を諦めているのは、主役ではなく、皆、脇役だから)

「夢を諦めた後も、生活は続く」と
錠一郎が言っていたけれど
私も実感として、そうなんだろうなあと思います。

自分が当初、思い描いた道とは違っていても
それなりに大切な出会いがあり、幸せがある。
そういうことなのかなと思います。

右肩上がりの成長が見込めない、
努力に見合った見返りが必ずしも得られるとは限らない、
今の時代の雰囲気を反映したドラマなんだなと思います。

そして、峠を越えて人生の秋を迎えた
私の心情にも沿ったドラマのように感じています。


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東リベ

2022-02-12 | 映画・ドラマ・小説
夫が録画した「東京卍リベンジャーズ」のアニメを一緒に見ています。

流行っているのは知っていたのですが、おっとり、穏やかな夫が興味を持っていたのは驚きでした。夫曰く、アベンジャーズみたいなヒーローものだと思っていたようです。予想は早々に裏切られたようでした。

暴力描写が生々しかったので、二人とも怖くなり、2話の途中で一旦、見るのを止めました。しかし、「ここで止めたら、面白さが分からないのではないか。流行っているには、理由があるはず」という思いもあり、頑張って(?)視聴を再開したところ、主人公が友達を助けるためにボスに戦いを挑むあたりから面白くなってきました。

刺激的な内容に私たち夫婦も影響を受け、二人で卍会を立ち上げようという話になり、「〇〇市△△町◎丁目▲番地◆号卍会」という、勢力範囲が極めて狭い(ほぼ現住所)の卍会を作りました。私たち夫婦はその範囲で「番を張っている」という設定です。総長は私、夫は副総長です。隣のメビウスがときどき抗争をしかけてくるので、二人で迎え撃つというストーリーです。

週明けに、録画した回をドキドキしながら見ています。二人とも暴力描写は苦手なので、おっかなびっくりです。私は、このアニメを見て、夫が夜の街を怖がり、寄り道をしないでまっすぐ家に帰ってきてくれるようになればいいなと思っています。
 
いい歳をした夫婦ですが、楽しませてもらっています。

 
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