ケンミジンコのうた

平和な日々の暮らしを綴った日記です

やさしいひと

2013-04-23 16:21:06 | 
夫が仕事から帰宅して、何とはなしに言いました。
「今日は暑かったね。花壇に水をやってたら・・・」

え、花壇?
初めて聞く話だったので、尋ねたところ、
会社の敷地に小さな花壇があって、
夫がときどき水をやっている、とのことでした。

「水って・・・水やり係とか決まってるの?」
「特にないけど、土が乾いていたら、時々あげてるんだよ」

夫は特にガーデニングが趣味というわけではないし、
花にも草にも詳しくない。
今まで5年間、一緒に暮らしてきたけど
会社の花壇に水をやっていたなんて、初めて知ったのでした。

夫は無口で不器用な堅物ですが、
そんな夫が、会社で休み時間にじょうろを持って
花に水をやっている・・・。
その姿を想像して、ほほえましく思いました。

私が会社の女子社員だったら・・・
こんな姿を見たら、すぐに好きになってしまうよ!!
バレンタインデーには一つもチョコレートをもらえない夫だけど
もしかしたら、隠れファンがいるかも・・・いや、いないか。

*****

私は私なりに、「この人好きだな」「信用できるな」と
判断しているときがあります。

その人の言葉では判断しません。
いくら「私って、こういう人間なの」とアピールしていても
その通りに思うことは、ほとんどありません。

むしろ、その人がみせる、ふとした仕草を見て
直観のように感じ取ることが多いです。

『ライ麦畑でつかまえて』という小説で、
印象的なシーンがあります。

ある学生が、寮の屋上から飛び降りて、自殺をします。
血まみれになって、動かなくなったその生徒を、
たくさんの人が、遠巻きに囲んで見ています。
誰も手を出せないのです。

その人の輪の中を、ある先生がかき分けていって、
何の躊躇もなく、その生徒を抱き上げ
優しく声をかけるのです。

いつもは目立たない、特に人気もない先生だったのですが
主人公は、その姿を見て、
その先生を信用するようになります。

記憶違いがあるかもしれませんが、
大体、そんな話だったと思います。

私もきっと、その先生を信用したと思います。

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気付いてしまった

2013-04-23 16:00:56 | 仕事
某社員さんの机の上は、
小さな観葉植物でいっぱいです。
そこだけ小さな植物園のよう。

休み時間には愛おしそうに植物の世話をしています。
霧吹きで水をあげ、
枯れた草を抜き取っています。

その姿を見ていて、ほんわかした気分になっていたのですが
ふと、思い出してしまったんです。
先日、パートの人が持ってきた鉢植えの花が
枯れてしなびて、捨てられていたのを・・・。

自分のものしか、世話しないんだ・・・。

一瞬にしてその人の本質を見抜いてしまった気分でした。
ついさっきまでほんわかしていたのに
急にその人が怖くなってきた。

人のこと、厳しく見すぎかな、私・・・。


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動物園化

2013-04-18 11:25:15 | 仕事
昨年は生徒が皆、冷め切っていて
針のムシロのようだったのですが
今年はその逆で
ワイワイガヤガヤ、動物園のような賑やかさ。

始めは静かだった生徒も、
私が本気で怒らないと分かるや
本領発揮、授業とは関係のないおしゃべりが増えました。

「先生いくつ?」
「先生どこ住んでんの?」
「先生子供いるの?」

いつもこんな質問が教室を飛び交ってます・・・。

まあ、私も力を抜いて、楽しくやろうと最近は思っていて、
そんなやりとりも軽く流して
生徒と一緒に笑うこともしばしば。

楽しくやっていたつもりだったんですが・・・。
昨日、隣の教室の先生が入ってきて
生徒にお説教を始めました。
何がそんなにおかしいんだ、うるさい云々・・・。
途端に教室、シーン・・・。

その先生、前にも少し書いたのですが(こちら
主婦講師を見下していて
授業に乱入しては怒鳴るという、嫌な人です。

私もついにやられたかー。

でも・・・そんなにうるさかったかな?

授業後、逆の側の先生に「うるさかったですか?」と聞いたところ
「え?別に?」と言われました。
まあ、そう聞かれて「うるさかったですよ!」と答える人は稀か。

自分の非は認めないといけない。
うーん、でも、やっぱりモヤモヤするわあ。
一応、教室に責任を持っているのは私だし、
私が束ねているクラスなんだから、
別の教師が入ってきて云々・・・というのは
やっぱり気持ちがいいものではない。

私は私で、楽しくやりたかったんだけどなあ。
塾長のクラスや、ベテラン教師のクラスも
ワイワイガヤガヤで、結構、盛り上がっているけど
そっちに乱入することはなくて、
立場の弱い、主婦講師の教室だけ、叱りつけている気がする。

いやでもやっぱり。
うるさかったんだよね。
自分の非を受け入れるのって、難しい。


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いつか見た人、どこかで見た光景

2013-04-15 11:49:51 | 雑感
夫が毎週見ている音楽番組があります。
週末の朝はその録画を見ながらごはんを食べるのが
最近の習慣になっています。

毎回、新しい音楽が紹介されているのですが
目新しさが感じられません。
どこかで聞いたような音楽だったり、
以前に見たアーティストの格好に似ていたり。

思い切り奇抜な格好をしていても
「あの髪型はGLAYだね」
「米米クラブにいたよね、こういう人」(←古い)
過去に見たものの焼き直しに見えてしまいます。

ドラマを見てもそうです。
過去にあった似たような筋書きを思い出してしまいます。

職場でも同じで、
異動のため、新しい顔ぶれが入ってきたのですが
どの顔も、どこかで見た誰かに似ているように感じます。
そして、その人の性格や行動パターンも、
過去に関わった人を参考にして、
類型化して整理している自分に気付きました。

そして、ふと思いました。
これって、歳をとったということかな。
経験を重ねた反面、
目新しさを感じられなくなっている。

若い人は、色々なことが新鮮に感じられるのかしら。
未知のものに囲まれて、先の見えない不安はあるけれど、
出会うものすべてが新しくて
刺激に満ちていたかもしれない。

今までと同じ地平で、同じものを見続けていたら
きっと歳を経るごとに、退屈になっていく。
意識して、新しいものを開拓していけば
心躍らせる、面白いものを
見つけられるかもしれないな。


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幸せの裏側

2013-04-12 14:19:53 | 雑感
学生時代の友人から、あるサークルに誘われました。

コラージュアルバム作りとのことで、
それぞれ写真を持ち寄って、
それを楽しく飾り付けていって
世界で一つだけのアルバムを作るのだそうです。

せっかくのお誘いではあったのですが
やんわりお断りしました。

なぜかというと、その友達も含め、
参加している方が、全員、子持ちだったからです。
おそらく、子供を含めた家族写真をたくさん持ってきて、
幸せいっぱいに飾り付けていくのだろうと思います。

私も今、夫と二人の生活を、それなりに楽しんでいますが
赤ちゃんのアップの写真にハートをつけたり、
子供がポーズをとった写真に星をつけたり、
そういった「幸せ」の嵐の中に放り込まれると、
私達の大切な時間が、
色あせ、霞んでしまうように思えたからでした。

もう一つ言うと、
その友人は、経済的にかなり恵まれていて、
誰もが知っている都内の某高級住宅地に住んでいるほか、
年に何度も家族で海外旅行をしていて、
そういった写真を見せられて
楽しい気持ちになれる自信がなかったからでした。

彼女のとりまきも、きっと同じ境遇の人たちだろうし。

きっと楽しいサークルなのだとは思いますが
互いの幸せをこれでもかと見せ合う、
しんどい集まりに思えてしまったのでした。

思えば、他人の幸せを素直に喜べなくなったのは、
婚活で苦労しはじめた、30代のはじめだったように思います。
友人から来る、「結婚しました」の年賀状が
苦痛になりました。

結婚が遅かったため、子供にも恵まれず、
「新しい家族が誕生しました」の年賀状にも
心の痛みを覚えるように。

幸せは、他人を傷付けることもある。
幸せの持つ、もう一つの側面を、
晩婚・不妊を通じて
学ぶことができました。

でも、学べてよかった。
幸せは、思わぬところで人を傷付けるかもしれないから、
宣伝しない。
奥ゆかしい人になりたいです。


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