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著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

じりつする

2018-12-22 | 知育タンスの引き出し
じりつする
「じりつする」とは、どんな状態を指すのでしょうか。まずは漢字で「じりつする」と書いてみてください。

(画面から目を上げて……考える……考える……書き終わったら、先へ進んでください)

多くの人は、「自立」と書いているはずです。この方には「ポイント1」を差し上げます。では「自立」の意味を書いてみてください。

(画面から目を上げて……考える……考える……書き終わったら、先へ進んでください)

「自立」の意味は、あまり取り違えていないでしょう。意味が書けたら、追加で「ポイント1」を差し上げます。

ではあなたは「じりつする」と、いくつの漢字を書いていますか。「自立」だけしか書いていない人は、ものごとを短絡的に処理してしまうタイプで要注意です。

私は「1つの漢字だけを書きなさい」と、問いかけてはいません。複数の漢字を書いた人には、「ポイント1」を差しあげます。

「じりつ」に漢字をあてはめるなら、次の3通りになります。もっとも大切にしている辞書(三省堂『新明解国語辞典』第6版)を引いてみます。

「而立」
「自立」
「自律」

では3つの「じりつ」の違いは何でしょうか。考えてみてください。

(画面から目を上げて……考える……考える……書き終わったら、先へ進んでください) 

『新明解国語辞典』では、次のように説明されています。

而立:「論語」から出た語で、三十にして立つ、という意味。
自立:親からの経済的援助などを受けず、社会人として自分で生計を立てること。
自律:自分で決めた規則に従う(わがままを抑える)こと。

「自立」を理解した人は、次なるステップとして、「自律」しなければなりません。あなたは自分自身に何を「律して」いますか?
山本藤光2017.12.29

333:生涯学習センターの開所日

2018-12-22 | 小説「町おこしの賦」
333:生涯学習センターの開所日
――『町おこしの賦』第10部:生涯学習の町
 標茶町生涯学習センターのオープンの日は、抜けるような青空に恵まれた。四月一日午前九時。瀬口恭二と長島太郎は、並んでテープカットをした。待ち構えていた町民は、一斉になかへと身を滑らせている。
 九時半からは、瀬口恭二町長の講演が予定されている。二百人を収容できる階段席は、早くも埋まりはじめた。司会役の樋口正直は、町民の関心の高さに驚いている。

九時半。樋口が司会席に立った。会場は満席となり、後ろに立っている人も大勢いる。詩織の姿もあった。幸史郎も勇太もいた。
「ただ今から、町長の瀬口恭二さんから、生涯学習のお話をいただきたいと思います」
 
恭二は演壇に立ち、感激に胴震いしたほどだった。
「こうして直接、町民のみなさんにお話ができる場が生まれたことを、まずは大変うれしく思っております。標茶町生涯学習センターは、すべての町民の学びの場として、産声を上げました。ここには、中学生による小学生のための指導教室があります。高校生のための進学塾があります。そして大人のための、夜間大学も誘致されました。さらに町民の誰もが、気楽に参加できる知だらけの学習塾もあります。
 標茶町には、これまでおあしすという語らいの場はありました。しかし学校以外には、学びの場はありませんでした。温泉の町、農業の町、酪農の町。標茶町はさらに、生涯学習の町として、新たな転換期を迎えました。どうかここをみなさんの手で、活力ある場に育てていただきたいと思います」

 詩織は、会場の最前列にいた。夫の堂々とした姿を見て詩織は、胸が熱くなるのを覚えた。

075cut:共感、賞賛、共有の話法

2018-12-22 | 完全版シナリオ「ビリーの挑戦」
075cut:共感、賞賛、共有の話法
――12scene:5月のオフイス
漆原 さっきのコメント欄を、もういちど見ていただきましょう。3行に分けて、書かれていますね。こうすれば、分かりやすくなるんですよ。
(日報の各行の先頭に、上から「過去」「現在」「未来」の文字を挿入する)
熊谷 そうです。目玉先については、「前回・今回・次回」のメモを書いているんです。
影野小枝 それがどうして、あのような心地よい会話になるのですか?
漆原 過去は、現在よりも常に厳しい状況にありますよね。
影野小枝 はい。
漆原 だから過去を質問すると、「たいへんだったな」と共感できるのです。
熊谷 現在は今日の活動ですから、厳しい過去から一歩前進しているのが普通です。
漆原 したがって、今日の活動を確認し、賞賛してあげられるわけです。
影野小枝 共感に、賞賛ですか……。
漆原 そして、未来は「おい、何か困っていることはないか」と声をかけ、MRとゴールを共有し、支援することになります。
影野小枝 過去、現在、未来を書かせて、共感、賞賛、共有と反応するわけですね。これは、すごく元気の出る展開ですね。
熊谷 日報提出が楽しくなります。
漆原 一人のドクターについて、MRの活動が未来軸へと移動していれば、活動は順調ということになります。これは「PPF」という手法なのです。過去、現在、未来の英語の頭文字からつけた名前です。
影野小枝 この日報は、重要な顧客の攻略履歴になっているのですね。しかも元気な会話が生まれています。

079:生涯続けられる何か

2018-12-22 | 銀塾・知だらけの学習塾
079:生涯続けられる何か
――第6講義:発信する
老齢期を充実したものにするためには、早く生涯続けられる何かを発見することです。一般的にライフワークと呼ばれている、何かを見出さなければなりません。もちろん楽しみながら続けられる、趣味でも構いません。でも何度も繰り返しますが、できれば社会に還元できる何かを見つけることが理想です。

――その達人(補:貝原益軒)は、人として生まれてきたからには、自己が楽しむべきだし、また人をも楽しませなければならない、と一貫して主張してきた。(深澤一幸、『養生訓』まえがき、中公クラシックス)

一度決めたら、絶対に継続しなければならない。そんな大それたことを考えなくてもいいので、とにかく何かの姿を整えることが先決です。

社会貢献は、後づけでも構いません。たとえば囲碁を選んだとしましょう。入門書を買い求め、定石を覚える。NHKで囲碁テレビを観る。パソコンソフトの囲碁対局を購入する。趣味はどんどん深まっていきます。

実力がついたなと思ったら、近所の囲碁教室へ通いはじめるかもしれません。そのうちにアマチュア段位が欲しくなるでしょう。名人の棋譜を一人で並べることになります。立派な碁盤や碁石が欲しくなります。

ここまでは趣味の世界です。自分の孫や近所の子どもに、碁の楽しさを教えたくなります。この段階で趣味の領域にあった囲碁は、ライフワークへと昇華したのです。

本を読むのが大好きです。これはまだ趣味の領域です。太宰治のことを研究してみようかな。こんな考えが頭をもたげたら、「小さな研究」の誕生間近となります。

『梨の実』を何と読みますか?

2018-12-22 | のほほんのほんの本
『梨の実』を何と読みますか?
小山内薫『梨の実』(青空文庫)は、不思議な掌編です。縁日で爺と孫が「申しつけられたことは何でも叶えます」と聴衆にいいます。誰かが「梨の実をとってこい」といいます。季節は冬で、梨の実の入手は不可能です。そこで爺は縄を天に向かって投げます。縄はするすると伸び、孫はそれを登り、やがて梨の実が天から落ちてきます。その後、孫の顔や手足や胴体がばらばらになって落ちてきます。爺は聴衆に孫は死んだので、弔い金を払ってほしいといいます。みんな哀れんで大枚をはたきます。するとばらばらに籠に入れたはずの孫は、生きて籠から出てきます。

こんな話なのですが、私が問いたいのは本書のタイトルの読み方です。本文にはたくさんのルビがふってありましたが、タイトルにはそれがありません。「なしのみ」ではないとお断りしてしておきます。正解は「ありのみ」なんです。その単語で辞書検索してみます。

――ありのみ。有(り)の実。梨(ナシ)の忌み言葉。「梨」と「無し」が同音なので、避けていう(新明解国語辞典)

タイトルにルビがないので、何ともいえません。しかし私は、「ありのみ」と読ませるのだろうとかたくなに思っています。
山本藤光2018.12.22

居候

2018-12-22 | 知育タンスの引き出し
居候
「居候三杯目にはそっと出し」の「居候」の語源を紹介します。

――江戸時代の公文書で、同居人であることを示す肩書きとして用いられたことば、「××方居候〇〇」とあるのは「〇〇は××の家に居(お)ります」という意味。(日本語語源辞典)

「居候三杯目には」では厚かましすぎます。「二杯目」はないのかと調べてみました。ネット(DAZN)にこんな記載がありました。納得です。

――昔はご飯を三杯食べるのが常識で、一杯では失礼、
二杯では遠慮と目されていた。
山本藤光2018.12.22

翌日と一週間後のちがい

2018-12-22 | 妙に知(明日)の日記
翌日と一週間後のちがい
新発売された、鳥越碧『わが夫(つま) 啄木』 (文藝春秋企画出版)は、津田沼丸善にも在庫がありませんでした。しかたがないので、アマゾンで注文しました。書店経由の注文では一週間ほど要するのに、翌日届くようです。この差は何なのでしょうか。できるだけ書店で買い求めるようにしていますが、これでは負けてしまいます。全国の書店がんばれ。
山本藤光2018.12.22