山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

目白押し

2018-12-21 | 知育タンスの引き出し
目白押し
「目白押し」という言葉があります。人や物が混み合っている状態をいいます。この語源をご存知ですか。読んで字のごとし、なのです。

――(鳥の)目白が仲間と枝に止まるとき、押し合うように間を詰めて並ぶことから(日本語知識辞典)

納得の解説です。ただし私は、メジロの群れを見たことがありません。メジロはときどき庭にやってきます。本当に目の周りが白いので、すぐに識別できます。ただしいつも一、二羽でしか飛んできません。仕方がないので、ネットで画像を確認しました。ほのぼのとした可愛い姿でした。
山本藤光2018.04.16

332:祭壇での回想

2018-12-21 | 小説「町おこしの賦」
332:祭壇での回想
――『町おこしの賦』第10部:生涯学習の町
 焼香がはじまった。宮瀬昭子は、祭壇に深く頭を垂れた。そして胸のなかを去来するいくつもの思い出のなかの、一つをつまみ上げている。
――可穂ちゃんを、おれの子どもにさせてもらいたい。
 哲郎のプロポーズの言葉だった。昭子は、
――幸史郎さんと彩乃さんも、あなたの子どもにしてくれるのなら、その話に乗せてもらうわ
 と、答えた。
――昭子がお母さんになってくれるのなら、おれにはまったく異存はない。

 幸史郎が焼香に立った。彼はこんなことを遺影に向かって、心のなかで語りかけていた。
――おれと彩乃を子どもに迎えてくれて、ありがとうございます。親父の望みどおり、おれは家族を守り、標茶町の発展のために全力を尽くします。だから、おれがこれ以上ボケないように、どうか天国でおれを守ってください。親父、長い間ありがとうございます。

 彩乃が焼香に立った。彩乃はこんなことを、父に伝えた。
――お父さん、お疲れさまでした。もっともっと親孝行をすべきだった、と反省しています。お父さんの笑顔が、大好きでした。お父さんの代わりに、お母さんを大切にします。だから安らかにお眠りください。

 可穂が焼香に立った。
――お父さんの子どもになれて、幸せでした。高校新聞のときは、嫌な大人の一人でしたが、お父さんはやさしくて人情味のある最高の大人だったことを、一緒に生活するようになってから知りました。お母さんを大切にします。ご安心ください。

074cut:日報の仕掛け

2018-12-21 | 完全版シナリオ「ビリーの挑戦」
074cut:日報の仕掛け
――12scene:5月のオフイス
(日報のブランクフォーム。次第に左側の訪問先、宣伝品目、方法の欄が埋まりはじめる。コメント欄はまだブランクのままである)
影野小枝 出がけには、半分以上が埋まっているのですね。これって、逆転の発想です。日報はオフイスへ戻ってから書くもの、という常識が根底からくつがえっています。
漆原「朝書き日報」により、MRの一日に起伏が生まれました。その日、成功したらそれを翌日のバネにする。失敗だったら、今日を翌日の糧にする。そのことは、コメント欄を見てもらえればわかります。
(コメント欄をズームアップ)
影野小枝 これが本日の目玉の面談ドクターですね。さて、どうして上司とMRは、元気なやり取りができたのでしょうか。探ってみます。
(コメント欄に文字が浮かぶ。次のような文章が書かれている)

「川上先生についての日報」
◎一日の成果を思い描いての記述
新規処方の確実な感触を得る
◎日報のコメント欄の記述
・これまではデータすら見てもらえなかった。
・本日はじっくりと見ていただけ、二度ほどうなずいてくれた。
・相変わらず話してくれないが、次回は処方を依頼する。

影野小枝 シンプルなコメントですけど……。
漆原 わかりますか。日報の書き方に秘密があります。

078:自説をまとめる2(小さな研究の進め方7)

2018-12-21 | 銀塾・知だらけの学習塾
078:自説をまとめる2(小さな研究の進め方7)
――第6講義:考えを深掘りする
◎枯木に花を考える

お爺さんは毎日、芝刈りのために山へ入っています。柴刈りとは、枯れ枝を集めることです。お爺さんは、枯木についての深い知識がありました。ある日、お爺さんは山桜に、花芽がついていないことに気がつきます。山桜は葉桜とも呼ばれており、まず葉が先に色濃くなります。葉が出たら、開花の日は近いのです。ところが、葉すら見当たりません。

いつもたくさんの柴を与えてくれる恩返しにと、お爺さんは山桜の手当てを行います。米の研ぎ汁やかまどの灰など、お爺さんが手当てに用いるものは限られています。そんなときに臼が燃やされ、灰にされます。

季節は春。お爺さんは良質な灰で、枯木を再生しょうと考えます。お爺さんは必死で治療にあたります。

お爺さんは心の中で、シロに語りかけます。「お前からはたくさんの富みをもらった。本当に感謝している。最後にもうひとつ、わしの願いを聞いてほしい。この枯木に花を咲かせてほしい。私は隣りの爺さんの振る舞いにずっと耐えてきた。一度として怒らなかった。しかしもう限界だ。私が枯木に花を咲かせたら、隣りの爺さんはまた真似をするだろう。わしはそこを復讐の場としたい」

枯木の手当てをしながらの、長い独白が終わります。突然、一陣の風が吹き、枯木の枝が揺れます。太陽の陽射しが強くなります。すると枯木に小さな葉がつきます。山桜は葉がつけば、花を結びます。他の桜とは逆の順序で開花するのです。

有名な桜並木が満開となります。殿様が家来を連れて花見に訪れます。爺の復讐劇が始まります。おとなしい爺が信じられない行為に出ました。

「花咲爺、花咲爺、枯木に花を咲かせましょう」
樹上からお爺さんは大見得をきります。陰から欲張り爺さんが覗いています。高々と灰をまきます。枯木にみごとな花が咲きます。手厚い保護と開花時期を周到に計算した、爺の復讐劇は完結しました。

こんな研究なら自分にもできる、と思っていただければ幸いです。これで「第5講義:考える」は終わりです。明日からは「第7講義:発信する」をお届けします。

久しぶりの西村京太郎の作品

2018-12-21 | のほほんのほんの本
久しぶりの西村京太郎の作品
タイトルに魅せられて、久しぶりで西村京太郎の作品を買い求めました。高校時代に読んでいた作家です。買い求めたのは『十津川警部・雪とタンチョウと釧網本線』(集英社文庫)。私は釧網本線の真ん中にある標茶(しべちゃ)町で育ちました。故郷がでてくるのかどうかはわかりませんが、ページをくくるのが楽しみです。
山本藤光2018.12.21

裸一貫

2018-12-21 | 知育タンスの引き出し
裸一貫
「裸一貫」の「貫」は、重さのことではない。こんな見出しを見て、ありゃりゃと思いました。私はそう思っていたのです。

――「裸一貫」の一貫は、「終始一貫」の「貫」のことで、一筋に貫くことをいう。(「語源2」青春出版文庫)
山本藤光2018.12.21

話題のステージが上がった

2018-12-21 | 妙に知(明日)の日記
話題のステージが上がった
昨日は大学時代の仲間との忘年会。5ヶ月前に腎がんで手術をした友人も参加。
話題は結局、病と健康のこととなりました。昨年は孫と薬の話題が中心だったので、話題のステージが上がった感じがします。こんな話題を笑いながら語り合って、「また会おう」と別れました。古希過ぎの集いは忘年会というよりも、生きている証の会のようです。
山本藤光2018.12.21