志を立てる
「志」(こころざし)という漢字をみただけで、どん引きしてしまう人は多いかもしれません。慶弔などの贈物の表書きとは別に、一般的には「志を高くかかげる」などと用いられます。「志」を確認しておきたいと思います。
――人生における、その人としての到達目標。理想。(新明解国語辞典)
志と夢はちがいます。引用した辞典の「そのひととしての」の意味を理解してください。身の丈にあった、ちょっと高めの目標に挑む気持ちが「志」などです。
中国の賢人・孔子は『論語』のなかで、次のように説いています。
(以下引用)
子曰、吾十有五而志乎学、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而従心所欲不踰炬
訓(よ)み:子曰わく、吾(われ)十有(ゆう)五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。六十にして耳順(みみしたが)う、七十にして心の欲する所に従いて矩(のり)を踰(こえ)ず。(貝塚茂樹訳注『論語』中公文庫、第一巻・第二章四より)
『論語』では、志を立てるのが15歳とされています。そして一本立ちするのは、30歳ということです。
世阿弥『風姿花伝』では、年齢別の能のトレーニングのあり方を伝えています。7歳からはじまるトレーニングのあり方を読んで、自分はもう遅いと思われるかもしれません。
そんなことはありません。『風姿花伝』からは、歳を重ねるにつれ少しずつレベルを引き上げることの大切さを学ぶことができます。ちなみに私は、渡辺淳一『秘すれば花』(初出2001年サンマーク出版、講談社文庫)をお勧めしています。
自分自身を向上させるために、やらなければならないことは何? いまの自分を少しだけ変えることで、達成してみたいことは何? ぜひ志を立ててもらいたいと思います。
「志」(こころざし)という漢字をみただけで、どん引きしてしまう人は多いかもしれません。慶弔などの贈物の表書きとは別に、一般的には「志を高くかかげる」などと用いられます。「志」を確認しておきたいと思います。
――人生における、その人としての到達目標。理想。(新明解国語辞典)
志と夢はちがいます。引用した辞典の「そのひととしての」の意味を理解してください。身の丈にあった、ちょっと高めの目標に挑む気持ちが「志」などです。
中国の賢人・孔子は『論語』のなかで、次のように説いています。
(以下引用)
子曰、吾十有五而志乎学、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而従心所欲不踰炬
訓(よ)み:子曰わく、吾(われ)十有(ゆう)五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る。六十にして耳順(みみしたが)う、七十にして心の欲する所に従いて矩(のり)を踰(こえ)ず。(貝塚茂樹訳注『論語』中公文庫、第一巻・第二章四より)
『論語』では、志を立てるのが15歳とされています。そして一本立ちするのは、30歳ということです。
世阿弥『風姿花伝』では、年齢別の能のトレーニングのあり方を伝えています。7歳からはじまるトレーニングのあり方を読んで、自分はもう遅いと思われるかもしれません。
そんなことはありません。『風姿花伝』からは、歳を重ねるにつれ少しずつレベルを引き上げることの大切さを学ぶことができます。ちなみに私は、渡辺淳一『秘すれば花』(初出2001年サンマーク出版、講談社文庫)をお勧めしています。
自分自身を向上させるために、やらなければならないことは何? いまの自分を少しだけ変えることで、達成してみたいことは何? ぜひ志を立ててもらいたいと思います。