有田に行ってまいりました。
笹井宏之さんの足跡を訪ね、27歳という早すぎる死の一周忌を弔うために・・・・。
そして言葉が見つからないほどの感動的な一周忌コンサートに、聴衆の一人として参加させて頂き、いまだ覚めやらぬ状態でパソコンに向かっているのです。
歌人笹井宏之さんについては、ちょっと前に私の拙いブログでご紹介をしていましたので、詳しいことはこちらをクリックしてアーカイブされて下さい。
しかし、彼の処女歌集「ひとさらい」や彼の作曲・演奏した音楽に触れる度に、おじさんの疲れた脳細胞に強烈な電気信号が送られてくるので、少しくどくなるかも知れませんが、二日間に分けてお話をさせて頂きます。
まずは会場の有田ポーセリンパーク、ツヴィンガー宮殿に入れないほどの多くのお客様・・・ざっと400人ほどのお方が詰め掛けていらっしゃいました。
短いご生涯だったのに、彼を愛した人の多さを思わされました。
清楚な献花台には彼の遺影が美しい花と共に、私も勧められるままに白いカーネーションを一本たむけました。
そしてお父様の話を聞いていますと、どうやら宏之君は音楽家志望のようで、短歌のイメージが強かった私には、知ってはいたものの、まさに新しい宏之君の発見がありました。
彼の楽曲作品は以前私のブログからリンクを貼った折に、全作品を拝聴していたのでしたが、その感性の高さと完成度の高さには同じく音楽を演奏する者として、かなりのショックを受けてはいたのでしたが、思うとおりにならない自分の体のエネルギーを振り絞って作曲活動に励まれたとか・・・・。
短歌は寝たきり状態となって音楽活動が叶わなくなってから、ベッドの中でも出来る自己表現の手段として始められたもののようです。
彼の音楽作品が丁寧に、大切に披露され、その後お父様の碗琴演奏が始まりました。
有田焼のお茶碗や湯のみ、どんぶりで音階を探しながらの演奏なのですが、磁器の乾いた音が会場を包み込みました。
数多くの曲をご披露されましたが、一回のとちりもなく、演奏技術の高さと表現力はまさにプロ級のレベルで、筒井孝之さんの碗琴にかける想いの高さを感じずにはいれませんでした。
そしてオカリナの演奏も・・・・。
「浜辺の唄」の時には宏之くんの佐賀新聞文芸最優秀賞を受賞されたあの歌を思い出さずにはおれませんでした。
冬ばってん「浜辺の唄」ば吹くけんねばあちゃんいつもうたひよつたろ
この歌は母方の祖母が亡くなられた時に詠んだ短歌だとか・・・
お父さんの宏之君に語りかけるような朴訥とした話も、とても心に染み入りました。
昨年の今日は大雪だったそうです。その寒い朝数多の才能を秘めた前途ある青年は紅の空に昇っていきました。
その一年後は打って変わって冬晴れの好天気となりましたが、その空の青さが却って哀しみを深くしました。
二時間ちょっとのコンサート、生前の宏之君の足跡と、お父様の愛情に浸った至福の時間でありました。
ツヴィンガー宮殿の天井にお父様が演奏するオカリナの高い響きが木霊していました。
まるで宏之君の魂が合唱しているように・・・・・。
一生に一度ひらくという窓のむこう あなたは靴をそろえる
笹井宏之 歌集「ひとさらい」より
みなさんとてもナィーブだということ。素晴らしい感性の持ち主だということですね。
天は無情です。
笹井様のお父様にご紹介頂き、こちらを訪問させて頂きました。
伺うことが叶わなかったコンサートの詳細を拝読し、
東京の空の下、宏之さんを想い、祈ることができました。
ありがとうございました。
優しい方ですね。
笹井さんも優しい人でしたけど!
今日と言うより日曜日正午、久々に映画を観に行った。タイトルは「オーシャンズ」。昔々、ディズニーが得意としてた分野の自然界の記録映画。10年かけて撮影したと言われるだけあって、なかなかのもの。出来たら、撮影した全ての映像を観てみたいって思わせる程。それだけに、編集者の好みは仕方が無いにしてもコメントが中途半端で、もう少し突っ込んだ映像とコメントが欲しかった。とは言うものの、久々に良い作品でした。中には、知能が高い動物の「子を思う親心」なんかもツッコミが少ないにしてもありました。私の隣には、私の怖い顔(笑)を見ても怖がらずニコニコしてた4歳の可愛い女の子がお母さんと来ており、珍しく館内も満席状態。雰囲気全てが良い一日でした。
そして、今夜の風竿様のブログを見ると、僅か27歳で逝った若きミュージシャンと逆縁の子を思う御尊父の演奏。感動と言うか何と言うか・・・言葉では表現できない幸せを感じる一日でした。