夜半に、私の人生のような土砂降りの雨で目が覚めた。
ここは嬉野温泉大正屋さんの客室、萩の間
今夜も有難いことに送別会を開いて貰っていたのだ。
コップの水を飲み干し、寝心地の良い布団に転がると、雨音を聴きながら、また再びウトウトとまどろむ。
大正屋さんといえば、九州でも指折りの宿
そのホスピタリティたるや、サービス業の最高域に達する品質。
そのすべてがお仕着せではなく、さりげないのが洗練されている証拠。
所謂、お客様に「ちょっと嬉しい・・・。」と思わせてくれる云わば達人の領域なんである。
例えば、床の間の草花にしても、とても自然で清楚で部屋と見事に調和している。
仲居さんは後にも目が付いているのではと思うくらいに、前後左右、縦横斜めにまでも気が行き届いている。
そしてここの経営者は私が保先輩と慕う素晴らしいお方。
生粋のホテルマンなのだが、硬くなく、それでいて柔らかくもない。
中庸の徳を兼ね備えた最高の人格者なんである。
加えて私のゴルフの良き
ライバルでもある。
そんな素晴らしい宿で送別の宴は繰り広げられたのであった。
スペシャルゲストには、嬉野温泉の売れっ子芸者さんであるさくら姐さんとひかり姐さんの艶やかな日本舞踊が華を添えてくれた。
このお二人は親子芸者さん。
お客様が翌朝出発される時には、旅館まで必ずお見送りにお出でになるというオマケ付きのサービス徹底ぶり。
遠来のお客様もこの嗜好には大喜びであった。
芸妓というか、その踊りは練習を一日も欠かさないというだけあって、まさにプロ中のプロなんである。
いい宿に泊まって、いい酒を呑み、日本舞踊を堪能して幸せな宴であった。
昼間はレディストーナメントで有名になった若木ゴルフ倶楽部でプレーしての心地よい疲れもあって、旨い酒を呑んだんである。
それでも、平日ゆえに、仕事しているかっての同僚に悪いなあと思いつつ、サラリーマン根性の抜けない、淋しい私ではありました。
朝方雨脚はさらに強くなり、地すべり常襲地帯の佐世保が気になる。
これからの第二の人生、雨に打たれることもあるだろうが、どんなに土砂降りであろうと、真っ直ぐに歩きたいものである。
大正屋さま、スタッフ全員での心の籠もったお見送り、ありがとうございました。
その温かさに心から敬服、そしてこんな私にと恐縮致しました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます