三寒四温の日々の営みの中、春の足音が遠くから聞こえてきた。
春風に誘われるように、昨夜は久しぶりに佐世保の友人、お客様と一献傾けてきた。
共に佐世保地区のお客様を隅々と回った仲間。
嘱託で残ってくれていたのだが、いよいよ今年度で信用金庫を去るのだという。まだ61歳なのに勿体無い限り。
彼の人間力で佐世保地区がどれだけ助けられたことか、
おエライ方々は知らないのだろうなと、
慰労の言葉を差し向けながらも、残念な気持ちと、後は果たして大丈夫だろうかという不安な気持ちが交錯して、多少苦い酒であった。
最後は彼と二人で、フラフラになりながら佐世保の街を彷徨った。
一生付き合おうと決めた友なんである。
一隅を照らす彼の信金マンとしての人生を、誰よりも、何よりもお客様が一番知っている。
彼のファンが頗る付きで多いのは、いつも陰日なた無くお客様に接してきた証なのだ。
私も信用金庫を離れたものの、まだ気付くと、一所懸命に信金の営業をしているという根っからの信用金庫マンであるから、
どうか現場力を高めるために、現場に自主性を持たせて欲しいものだと思えてならない。
しっかりと正しく考え、長期的な視野で任された地域を見ることのできる戦略的な人材を育てるために、現場に出向き一緒に汗をかいてほしいものだ。
水温むいざ生きめやも春の夜の苦い酒にぞおもひは溢る