5月の新茶の時期を迎えると、毎年佐世保市は早岐(はいき)地区で茶市と呼ばれる市が立つのを御存知であろうか・・・・。
7日、8日、9日と17日、18日、19日に27日、28日、29日という7の付く日から三日間、早岐瀬戸の河川沿い500mほどの道の両サイドに市が立つのだ。
さながら韓国のチャガルチ市場のようなテントが立ち並ぶ市場である。
お茶は嬉野茶や世知原茶が立ち並び、海に面した街らしく、海産物も立ち並ぶ。
まさに、海彦と山彦の出会いというところだろうか。
起源は江戸時代にも遡る由緒あるもので、元々は海彦と山彦がそれぞれの特産物を持ち寄り物々交換をやっていたのがこの市の始まりだということである。
早岐瀬戸に直接船付けしてそのまま出店されていたというから、それは賑わったものであろう。
物々交換ならば、消費税もかからずに済む。
何かのヒントになりそうな気がする。
昔懐かしい鍛冶屋さんや刃物屋さんも店を構えるのが、とてもいい。
値引き交渉もあって、やりとりも面白い。
そして、この中には、我が信用金庫のお取引先様がたくさん出店されていた。
地元佐世保からは勿論、嬉野や武雄、西川登、鹿島や多良からまで
つぶさに見て回ると、いつしか仁義買いで私の両手は塞がってしまっていた。
それぞれのお店にご挨拶をして回るのだが、今年の景気は天気に恵まれたせいか、とてもよろしいようで、出店場所代5万円の元は取れたようで一安心。
お取引先の鯨屋さんはホクホク顔で実に嬉しそうであった。
6月は梅市と称して7日、8日、9日と最後の市が立つ。
もう一度お伺いせねばと思わされている。
お店を回っていてたくさんのお取引先さまから、「こんな所まで挨拶に来て、買い物までしてくれるとは、やっぱい信用金庫さんならではバイ。」と云って頂いたのが、とても嬉しかった。
昭和の時代の面影がこの市に残されているような気がしてならなかったのだが、そこには人間の優しさと、商売の原点が溢れているからであろうと思う。
市は商いの原点、人間関係の原点なんである。