今年もちゃんとシクラメンが花を咲かせてくれた。
ロクにお世話もしないのに、
毎年ちゃんと咲いてくれる可憐な彼女に、心から感謝したい。
出窓の片隅に、少ない冬の陽だまりを大切な命の源に
ささやかな我が家の、淋しく寒い部屋の中で、
明るい笑顔をふりまいてくれる。
時々水やりを忘れる、グータラ主人を怒ることもせずに
ちゃんと咲いてくれる。
まったくもって絵日記の観察記録でも描きたいくらいだ。
彼女が我が家にやってきたのは、たしかもう4年前の冬
夏の水遣りをちょっと注意するくらいで、本当に手間隙いらずのおりこうさんの彼女たち。
こんな何も用事の無いフル休日には、窓辺の彼女達に語りかけることにしている。
「ちょっとぉ、綺麗かぁ・・・。よう咲いてくれたね。有難うさん。」
「うちのシクラメンは美人揃いバイ・・・・。」
花と小父さん・・・・というか、4年も同居していれば情も移ろうというもの。
最近は、何がしかの意志すら感ずるようになってきたんである。
花の意思なんて、云ったら気が狂ったかと、馬鹿にされそうなのだが、
そんな大袈裟なスピリチアルではなく、地下の水脈が通じている本当の話。
そして、花を愛でるささやかな幸せ。
寒い冬のある日、いい、シクラメン色の休日でありました。