北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「底辺への競争~格差放置社会ニッポンの末路(山田昌弘著・朝日新書2017刊)」を読んだ。山田昌弘(やまだまさひろ1957生れ)氏は、東大(文学部)卒で、同大学院(社会科学研究科)博士課程修了し、現在は中央大学教授である。“パラサイトシングル”、“格差社会”、“婚活”を造語し、家族社会学を専門としている。-----
「底辺への競争」は、「The Race To The Bottom(アラントネルソン著2000刊)」のタイトルの日本語訳を使ったのだそうである。米ソの冷戦が終わって、グローバル化が進展し、経済活動が活発となって、自由世界ではさらに繁栄が続くだろうと考えられていたが、“人、物、金”のグローバルな経済活動はとてもダイナミックになって、これまでの既存システムに守られてきた人びとから富を奪ってしまう現象が激しくなって、人びとの経済格差が増大した。とりわけ日本では、戦後達成した“1億総中流”が壊されて、社会階層が2極化し、中流の下が下層に落ち込んで来ているのだ。そしてその社会階層は今後も分離したままに続くと予想されている。-----
アラフォーの団塊ジュニア世代がパラサイトシングルの中核世代であるが、続くアラサー世代も“車・持家・子弟の大学進学”を当たり前とする戦後の標準家庭を営むことは、30%だけが可能だろうが、70%は無理になって来るだろうと山田昌弘氏は予測している。-----
日本の将来はどうすれば社会不安を払拭して解決できるのか、ベーシックインカム制度の導入しかないのではないかと書いている。そのためには社会保険を含めた税額が多くなることを認めねばならないともいう。
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