21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

21世紀型の共産主義

2011年04月18日 21時45分22秒 | Weblog
「共産主義」の基本的な考えは「生産手段の共有と富の公平な分配」である。
ここで言う「生産手段」とは工場・企業のことである。



「20世紀型の共産主義」では「政府」が中心になった。
国民の変わりに、政府が生産手段を所有し、富の分配を行った。

「21世紀型の共産主義」では「市場」が中心となる。
国民は、株式の所有を通して、企業を所有する。として、配当金として富の分配を受け取る。
企業年金制度、生命保険等を通して、国民のほとんどはすでに株主である。

市場を通して、全国民が生産手段を共有している状態を「21世紀型・共産主義」と言う。



「20世紀型」が失敗したように、「21世紀型」も失敗する。

例えば、人口1億人の国で、
全国民が株主となった時、株主一人分の発言権は株主総会での議決権の「1億分の1」だ。
経営者に対抗できない。
もし、51%以上の議決権を確保しようと思えば、5100万人からの「同意」が必要になる。
現実的ではない。

株主の発言権は無くなり、経営者の権力が強くなる。
経営者は「経営する責任」を放棄し、「分配されるべき富」のほとんどを私有するようになる。



東京電力は多くの個人株主を抱えていた企業である。
原発の事故が起きても経営陣が「経営する責任」を全うしているとは言い難い。

アメリカでは、多くの個人株主を抱えている企業で、CEOが天文学的な金額の報酬を得ている。



21世紀型・共産主義が今後どうなっていくのか、楽しみである。

最終的には、制度ではなく、人間の「倫理観」の問題である。

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