21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

税制の所得の再分配機能??

2008年10月18日 19時17分42秒 | Weblog
 累進課税等、税制には所得の再分配機能がある。しかし、上手く機能するのだろうか。

 所得税・贈与税の場合、一括の現金での移動以外対象にできない。たとえば、企業は給与以外の形でも社員へ報酬を与えている。つまり社員旅行の経費を企業側が負担した場合、それは「社員への報酬」であるが、所得税課税の対象にはなりにくい。
 贈与税・相続税の場合にも似たような例がある。たとえば、両親が働いている子供の生活費を全額負担した場合、子供は自身の収入を全額貯蓄に回せる。両親が他界する時点では相当額の「富」が相続税の課税対象にならないまま、子供に移転していることになる。この「資産の移動」も厳密な意味では贈与税の対象になってよいかもしれない。しかし、どうやって親が子供に買い与えた生活用品(自動車を含む)の全額を計算できるのだろうか。現実問題として不可能で、子供が収入を全額貯蓄できるように生活を支援することは「節税対策」として高い意味を持つ。相続税を払うことなく遺産で家を建てることは難しいが、生きている間に親に家を建ててもらうことはできる。あとは両親が他界した後、一度住宅を銀行に差し押さえてもらって、その上で公売で買い取りなおせば良いだけだ。

 この「節税策」防げるのが、「消費税」である。消費税は、お金を使う人ほど、贅沢な生活をする人ほど負担額が大きくなる。そのため、企業が給与の代わりに物品等を社員に買い与えるとしても、親が子供のためにぜいたく品を買い与えるとしても、消費税の課税対象になる。消費税は、金を良く使う「豊かな生活」をしている人を対象にする税制である。そのため、裕福な中高年を支持母体とする左翼系の政党は消費税を毛嫌いしている。

 生活必需品にかかる消費税は低所得者の生活を圧迫する、と言われている。しかし、消費税で増加した税収を生活保護の拡充、年金給付の拡大に活用し、法律を改正して「最低賃金」を引き上げればよいだけである。企業側にしてみれば、消費税増税で、法人税・社員の所得税・年金保険料負担の負担が減るのでありがたい。その上、「努力して」儲けるほど多くとられる所得税よりも、コスト削減で支払額が減少する消費税の方が、企業が経営努力を進める要因になりうる。

 現金経済の世界では「消費税脱税」も簡単であるが、これは電子決済を進めて行けば良いだけのことである。会計上も、計算しなければ出てこない「純利益」に課税するよりも、計算する前からハッキリしている「売上高」に課税する方が確実である。
 個人間のネット・オークションを消費税の課税対象にするのは難しい。しかし、これは所得税制度にも含まれる問題点である。個人がネット・オークションで「いくら消費しているか」を証明するのも不可能だか、「いくら収入を得ているか」を証明する手段も存在しない。


無駄な投資・消費をすることで税負担額は減少する、その税制度がバブル発生の要因である。

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