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Citigroup国営化

2009年02月21日 09時26分59秒 | Weblog
 ブログ上で、アメリカ政府がCitigroupを一株50セントで国有化すると言う噂が流れていて、その影響で株価の下落が止まらない。
 全く信じられない噂だが、株価の下落が止まらないなか、アメリカ政府が否定するコメントを発表しない以上、真実味が出てきた。
 一株$3台の企業を50セントで買収すると批判が集まるが、噂を流すことで株価が下落すれば超低額での買収も現実味が出てくる。50セントと言えば、約45円だ。

 月曜日までに国営化を否定するコメントが出てくるのかどうか?

 論理的にはCitigroupの国営化はあり得ない。
Citigroupには、中国の政府系ファンドもサウジアラビアの政府系ファンドも投資している。しかも、一株$30以上の高値で。もし、50セントで買収するようなことが起きれば、政府系ファンドの資産価値を60分の1以下に抑えつけるわけで、外交問題に発展しかねない。その上、Citigroupが日興HDを買収した時に、多くの日本人が不本意にCiti株主になっている。幾分でも、日本政府にはその株主の権利を少しでも保護する義務があるわけで、日米関係にも悪影響を与える。
 その上、Citigroupの国有化には利点がない。
住宅市場の立て直しには、米住宅公社2社を通じて行えば良いわけで、Citiは必要ない。既にAIGを国有化しているわけで、債務保証業務でもCitiは必要ない。Citiの経営悪化が深刻化しているのなら、会社再生法を適用すれば米政府の負担金は増えずに済む。国営化してしまえば、国民の負担が無制限に増加していくことになる。

Bank of Americaの国営化も真実味のある噂として流れている。メチルリンチを買収しているBank of Americaを国営化すれば、アメリカ政府は国内の金融市場そのものを国営化するに近い。住宅公舎2社に、AIG、Citigroupに、バンカメ、メチルリンチ、、、、これだけ国有化すれば確かに金融市場は「安定化する」だろうが、将来の成長要因を犠牲にするに近い。残るメガ民間金融企業は、ゴールドマン・サックス、モーガンスタンレーだけになる。

 アメリカがメガバンクの国有化に走ることに利点はないが、劇場的な政策が好きなのもアメリカ人の特色だ。だから、利点がないにもかかわらず、アフガニスタン・イラクに侵攻し、国際社会の不評を買った。これからも国際社会からの評判を気にせずに身勝手な政策を進めていくのかもしれない。
 世界恐慌後に最も影響を与えたのは、「ニューディール政策」ではなく、「ブロック経済」だった。

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