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「安倍売り」と日銀追加緩和

2015年12月20日 12時06分06秒 | Weblog
 安倍首相が経済政策を発表すると、株価指数が下落する。 この株の投げ売りが「安倍売り」である。 経済政策に根本的な構造改革が含まれないために失望売りが出るからだ。
 今回は、3.3兆円規模の補正予算が発表され、株価が大きく下落した。 バラマキ政策では、ゾンビ企業が延命し、新興企業の成長を阻害するため、長期的な経済成長にマイナスの影響を与える。


 「アベノミクス」として、株価指数は2倍以上に上昇した。 これは、政府の経済政策への期待感ではなく、日本銀行が現金を印刷してバラ撒いているからである。 日本円の価値が下落するため、相対的に株価が上がっている。
 安倍首相が経済政策を発表して株式が投げ売られるたびに、黒田総裁が現金をバラ撒いて株価を押し上げてきた。

12月18日の市場では、この流れが止まったようだ。 「安倍売り」で株価が下落した。 黒田総裁の金融緩和規模が十分ではなかったため、株価の再上昇の流れが滞っている。


 実効性のある景気対策がない首相官邸に引きずられる形で、日本銀行も金融緩和処置から実効性が薄れ、対応が横滑りするようになってしまった。
 謝罪も反省もないまま、黒田総裁は「2%のインフレ目標」を放棄してしまったかのようだ。


 発明家エジソンの発想を借りると、「100回の失敗は、100回の進歩」らしい。しかし、「失敗から学ぶ」ためには、まず失敗を失敗として認めて反省し、正面から問題点に向かい合わなければならない。 「同じ失敗は繰り返さない」と強い意志がなければ、失敗から学び成功に近づくことはできない。


 日本銀行は「2年間で2%のインフレ目標」達成に失敗した。 さて、彼らは失敗と認識をして反省をし、成功に近づくための努力をしているのだろうか?
 企業間物価の先行期待値も下落傾向があるし、(企業側ではなく)労働組合側がベースアップ要求の拡大に慎重だ。
 黒田総裁が、口先だけで「デフレ・マインドの打破」を訴えても、金融政策が停滞しているために、現実の企業間・労働者間ではデフレ・マインドの固定化が進んでいる。 「白川デフレ」を克服するのは簡単ではない。

 日本経済成長のためには、「デフレ・マインドを破壊」する必要がある、と私は思う。 日本銀行は、低インフレ率を目指して金融緩和を拡大するべきだ。


 白川総裁時代の日本銀行は、口先での言い訳ばかりで実効性のある金融政策を取らなかった。その結果として、日本経済は未だに低成長・「白川デフレ」に苦しんでいる。
 当時の日本銀行も、狂乱物価を杞憂し萎縮していた。 黒田総裁に交代し、「狂乱物価を杞憂」する時代は終わったかのように思われた。 しかし、黒田総裁も日本銀行勤務が長引くにつれて、「インフレ恐怖症の宗教団体」に洗脳されてしまったかのようだ。

 年間70兆円規模の量的金融緩和では、0%台のインフレ率が1%台までしか上がらなかった。 1%台のインフレ率を2%台に持っていくためには、追加でもう70兆円規模の量的金融緩和が必要なのだろう。 黒田総裁には、ぜひ現実を見てもらいたい。金融緩和規模は、追加で年間70兆円引き上げるべきだ。

 日本銀行の研究室に引きこもって50年前の経済理論を参考に金融政策を取ることを止めてもらいたい。 中小企業を回り地方銀行を回って、現実を見て、21世紀の経済理論をもとに金融政策を進めてもらいたい。

 資金の流動定数は著しく低下している。 年間140兆円程度の金融緩和規模では、年率2%のインフレ率に達しない可能性もある。 少なくとも、年間140兆円規模の金融緩和では、狂乱物価を心配する必要は全くない。

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