21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

個人の時代だからこそ、個人を活かす「組織」が栄え、個人を伸ばす「組織」が潤う。人を活かす「組織」の時代。

消費税の段階的引き上げを

2009年03月04日 20時43分36秒 | Weblog
 待てば待つほど欲しい商品の値段が下がる「デフレ」は日本経済にとって良くない。正価で商品を販売できないようになれば、企業は十分な収益を得られなくなり、労働者への利益の配分も減り、もちろん個人消費がさらに悪化することにつながる。

 その上、欲しいものをすぐに買わない、と言うのは人の精神衛生面上も良くない。「楽しい人生」を送るためには、クヨクヨせずに欲しいと思ったものはすぐに買うべきだ。
 日本はただちにデフレを克服しなければならない。


「デフレ=価格の下落」なので、単純に考えれば「デフレ克服=価格の上昇」となる。企業が相争って、商品価格を引き上げてくれれば願ったり叶ったりですが、市場で過剰競争に陥っている以上、企業がデフレ克服の原動力とはなりえない。
 また個人に「少しでも高いものが欲しい」と考え貰うのも現実離れしているので、個人消費力もデフレ克服の原動力にはなりにくい。
 となれば、デフレ克服の原動力になり得るのは政府だけである。

 日本政府が消費税を引き上げれば、価格の上昇が起こり、デフレは名目上消滅する。ただ、単発的な消費税率の引き上げでは、短期的な消費の停滞と企業収益の悪化を引き起こすだけで、インフレを自然発生させる力にはなりえない。
 そのため、消費税率を毎年2%程度ずつ、段階的に5年間にわたって引き上げる必要がある。

 例えばパソコン価格。現状では1年も待てば半額になるために、個人は購入を急いだりしない。しかし、もし1年待つと本体価格は下がっても、消費税率が上がると分かれば「今年買ってしまおう」となるはずだ。
 さらに具体的なのは、自動車や住宅価格である。100万円以上・1000
万円以上の買い物になれば、消費税率が1%上がるだけで、出費が1万円・10万円も変わってくる。自動車の買い替えをためらっている消費者は、インフレを嫌ってすぐにでも自動車を買い替えるだろう。そして住宅市場では、地価が下がり続けた「失われた10年」を克服して、消費者は住宅購入を早めるだろう。拡大された住宅ローン減税との相乗効果で、建設業界は息を吹き返すはずだ。

 そして、消費税を2%ずつ・計10%上げることで財源が20兆円うまれる。これを生活保護・医療保険・年金・教育等の社会保障の拡充に充てれば、個人は将来への不安から解放され、可処分所得の中の消費志向性を高めるはずだ。
 現実には、消費税率を2%ずつ、3年かけて6%上げたところで、インフレ期待感から個人に消費意欲が回復し、売り上げが伸びることで十分な効果が得られるのではないかと思う。

 個人に「今買わないと損だ」と思わせられる政策が求められている。



 しかし、過去最低の支持率の与党にも、党首の公設秘書が逮捕された野党にも、政策を議論している余裕はない。それが悲しい現実だ。
 だから、日本には「失われた10年」が誕生した。現状維持を続ければ、すぐに「失われた20年」と言われる時代が来るだろう。
 そこで育つ子供たちは「経済大国・日本」を教科書で習う歴史として学ぶことになるだろう。

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