21世紀航海図;歴史は何も教えてくれない。ただ学ばない者を罰するだけ。

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円安になったからって・・・

2011年05月22日 20時25分19秒 | Weblog
円安になると輸出企業の業績が回復する。と言われている。

とは言え、業績を回復させれる輸出企業は一部だけ。

円高倒産した企業の多くは、円安になったところで、生き返ってこない。

日本全体の景気は、円安になったところで回復する可能性は低い。


1990年代ならまだしも、2010年代の日本に、輸出できる技術力のある企業は何社あるの?
数えるぐらいしかないから、たまにテレビで大きく取り上げられている。
1990年代には、世界トップレベルの記述力を持った企業が「掃いて捨てるほど」あったから、注目されなかった。すでに注目されるレベルにまで、企業数が減っている。

2030年にはどうなっているかな?
中国では、改革開放以来、技術者として生きてきた人が多くいる。今までは安物しか作れなかったとしても、彼らの多くは、2030年には職歴40年の熟練技術者になる。

2030年の日本には、何人の「熟練技術者」がいるかな? 輸出競争力が維持できている根拠はナイ。
現時点で、20代、30代の若手技術者見習いを多く抱えている企業はあるのか?
そして、その若手が海外に流出することなく、20年後も国内に残っていてくれる可能性はあるのか??


円安が輸出競争力を回復させる、と言うのであれば、まずは輸出品を作れる技術者の育成・維持が重要になってくる。民間企業は、円高の影響で余力が残っていない。

日本に輸出企業が残ってくれる可能性はあるのか?



「円高倒産」と言っても、企業が倒産する(と言うか企業を倒産させる)本当の理由は、経営者の高齢化と後継者難だ。老後の資金がある程度ある熟練技術者兼・社長が、頑張る気力を無くして、仕事を辞めてしまうのが倒産の理由だ。その技術を受け継ぐ後継者はいない。
そして、その熟練技術者が使っていた「製作機械」も多くは倒産に合わせて、そのまま中国の工場に輸出されて使われるか、鉄スクラップになる。国内にそのままの形で残される場合は少ない。

円安になったとして、輸出産業は復活できるのか? 若手技術者もいない上に、製作機械もない。
技術者は育成すればいいし、製作機械も新しく作れる。しかし、その程度の技術さえ残らなかった場合、円安は輸入品(ガソリン、小麦)の価格上昇だけを意味する。



早い段階からの対策が求められる。

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