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ロシアのグルジア侵攻

2008年08月19日 19時58分44秒 | Weblog
ロシアがグルジアに侵攻、紛争の拡大によって、「金・原油・天然ガス」価格が上昇する。

と思っている方がいるそうですが、誤解です。現状、現実に金価格は下落基調にありますし、紛争も拡大しません。


ロシア・グルジア間の紛争の原因はアメリカにあります。と言うか「ブッシュ大統領の失言」にあります。。。{史上最悪の大統領}としても実績をもう1つ積み重ねたことになります。

グルジアがソ連から独立した直後から、ロシア・グルジア間には領土問題がありました。そこに昨年、グルジアのNATO加盟を進めるために、ブッシュ大統領がグルジアを訪れ、グルジアの大統領に「安全保障上の協力」を確約したそうです。

つまり、「ロシアから攻められたときは守ってあげるよ」と言うことですが、グルジアの大統領はこの言葉を完全に信じ切ってしまって、ロシア侵攻・領土の拡大を狙います。

まぁ、ロシアがそれを黙って見ていていられなくなって、今回の「グルジア侵攻」になったわけですが。。。軍事力的にグルジアは単独でロシアに対抗できません。どれだけ頑張っても、同盟国無しには一方的に占領されて「ロシア領」になって終わりです。

グルジア政府もそれを分かっていて、独自にロシア軍に無駄な抵抗することはしていません。グルジア軍はロシア軍と対立することを避けることで、軍事力を維持しています。今のままでは弾丸が飛び交うことなく「平和的に」グルジアは「ロシア領」になるでしょう。もちろん、金価格の上昇も起こりません。


この紛争が拡大するためには、「どこかの国」がグルジアに協力する必要があります。が、この「協力国」がありません。アメリカ合衆国の「確約」は、言葉だけのもので、アメリカにはグルジアに送れる軍事力がありません。

「ロシアと戦争できる軍事力がない」のではなく「グルジアに送れる軍事力がない」のです。すでに「アフガニスタンでの平和維持活動」「イラクでの治安維持」「国内でのテロ対策」でアメリカ軍は能力を制限いっぱいまで使い切っています。その上、「イラン・北朝鮮への圧力」としての軍事力を国内に維持しておきたいと思えば、これ以上、海外での活動に軍事力を避けないのは明白です。

 人を送れない米軍がグルジアからロシア軍を追い出すためには、「核兵器で攻撃する」しかありませんが、、、、、実現はできないでしょう。って言うかそんなことしたら、ブッシュ大統領は{史上最悪の大統領}として永遠に名前が残ることになる。

そして、NATOにもグルジアに送れる「軍事力」がありません。NATOは、「自衛」のための条約機構であって、域外に人を送るような余裕は元来無いんです。その上、今現在、「アフガニスタンでの平和維持活動」「イスラエル・レバノン間での平和維持活動」に人材を割かれていて、全く余裕がありません。それだけでなく、原油価格の高騰でロシアは貿易黒字・財政黒字を謳歌している一方、EU各国は貿易赤字・財政赤字に苦しんでいて、NATOでの各国のバランスも安定していません。ある国がロシアを徹底的にやっつけたいを思っていても、他の国がロシアと対立したくないと思っていれば、NATOは機能不全に陥るのです。


ロシア軍は、その辺のことをよく知っているから、平気でグルジアに侵攻できるし、占領もできるわけだ。それも「平和的」に。
アメリカにできることもNATOにできることも、口頭で「国際的に非難する」だけだ。

グルジア紛争が長期化する可能性は無いし、それによって金価格が上昇する心配もない。

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