百田尚樹 『海賊とよばれた男 上・下』
主人公は、石油会社「国岡商店」の国岡鐵造。
戦争で何もかも失う。
しかし、鐵造は社員を解雇することなく、戦後を生き残る道を探る。
売る石油はなく、ラジオの修理等をしながら、凌いでいく。
鐵造はその間も、どうにか石油を取り扱えないか、奮闘します。
出光興産創業者、出光佐三さんをモデルにした話。
本屋大賞作品。
友人から借りました~
先ず、すごい人だなぁ、というのが、最初の感想。
芯が強くて、行動力があって、人を惹きつける力がすごい。
先見の明があって、ここぞという時の決断力は真似できないですね。
タイムカードなし、出勤簿なし、馘首なし、定年なしの会社なんです。
今もそうなのかな??
そういえば、私の会社は、タイムカードはないなぁ(笑)
この素晴らしいリーダーの周りの人たちもすごい。
部下たちもそうですが、特に、私財を投げ打ってまでサポートした日田重太郎。
そして、多額の融資を決めた銀行。
彼らがいなければ、絶対に成し遂げることは出来ません。
鐵造のことを信用し、やり遂げると見抜いていたんですよね。
自分の会社の利益を考えるだけでなく、国や国民のことを考えて行動する姿勢が心に残りました。
そして、石油って、とても重要なんだなぁ、と改めて思いました。
確かに生活の周りでも、石油が必要な製品って多いですよね。
石油業界を通してみた、戦争描写が印象的でした。
久しぶりの百田さんでした。
百田さんの作品はとても読みやすい。
意図的に読みやすくしているそうですが、この長い作品も惹きつけられました。
スケールが大きく、面白かったです。