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純情きらり(130回)~きらりの法則と・・・

2006-08-31 23:53:53 | 連続テレビ小説
竹下景子さんには何の罪もないのだけれど、今日も、最後に、思い切り、白けました。「お願い、言わないで!」
このナレーション、「朝ドラ」には必ずついてまわる代物だけど、とにかく邪魔で仕方がない。前回ドラマの「由布岳」クンも結構耳ざわりなときがあったと思うが、前々回の「ファイト」になると、ナレーションに関する記憶が全くない(ニワトリ頭のせいもあるが)。時間が経つにつれて忘れてしまうなら、やっぱり最初から必要ないのでは?
副音声なら「消せる」し、それに副音声は(ハードボイルド小説のように)画面に映っていることだけを描き「心理描写」なんてしないからな。ドラマの内容をスポイルすることはない。「がんばって!桜子」は、母親の気持ちとして「いいなあ」と思ったけれど、「予言」と「心の中の解説」には気持ちが萎えるだけ。思えば、人気「純きら」ブログで最初にコメントしたのが、このナレーションのことだった。「ナレーションに耳を塞いで、15分間に仕方なく省略されてしまう部分を脳内で補い、演じている俳優の表情から行間を読んで、この世界をより豊かにしたい・・・」そんな書き出しだったと思う。

鈴村と杏子&幸を皆で祝っている最中、それこそナレーションによれば、「本当の幸福に包まれた幸せなとき」に、必ず不幸がやってくる。これを「きらりの法則」と呼ぶ。「第2週~ピアノが来た」→源一郎の死。「第9週~今宵君と踊ろう」→拓司の死。「第12週~絆が試されるとき」→音楽学校入学を断念する。「第20週~来ぬ春を待ちわびて」→山長の女将になることを諦める。これまで何度も何度も繰り返されてきた。今回の不幸は「八州治に来た召集令状」。戦争末期になると、17~45歳までの男子は「根こそぎ動員」されているので、「赤紙」が来ること自体は不思議ではないのだが、ささやかな幸福を感じている最中の不幸な知らせだけに、八州治のキャラクターに準じたプチ「きらりの法則」ということになる。

昨日、怒りに任せて口走った人々は、最初から不在を約束されているマサ以外は「きらりの法則」にしたがって、都合よく殺された人々だ。

①物語は、ある人物の死を契機に新たな展開を迎える。
②ある関係を描くために、都合の悪い人間は排除される。
③いずれの場合も、「幸福感」がピークに達した後に不意に訪れる。

源一郎、斉藤先生(実家の破産)、拓司、かね、達彦(②のために死んだことに)、鈴村の父、鈴村の妻子、幸の両親、冬吾が救えなかった子供、和之の母、皆こうして物語から排除された。ここで以下の問題が生じる。

④視聴者は、「違和感」や「後味の悪さ」が先に立って、その結果生じた新たな関係や展開を素直に受け入れられず、否定的な感情を抱く。
⑤新たな関係ができる以前の、「排除された人々を巡る」ドラマに感動した自分が馬鹿馬鹿しくなる。

私は、これから磯がどんなに和之を愛そうと、磯が和之の頼みを断わったとき以上の感動は覚えないし、そのエピソードすら今では汚されてしまったことを悲しく思う。登場人物たちが不憫でならないが、一番の被害者はやはり桜子さんだ。せっかく音楽学校に合格したのに入学できないし、山長の女将にもなれない、恋する想いも最後まで遂げられず、唐突に婚約者の死を信じさせられ、無理矢理気がつかされた「一番大事な人」への想いとやらに日々揺れている・・・

ここからはドラマの中だけの感想です。
桜子さんは昨日、「一緒にいると苦しい」と言ってましたね。そこまで深刻なら「純情きらり」でなくて、トリュフォーの「隣の女」ですよ。桜子さん!
冬吾もまた、今日の「あのとき死んでも良かった」発言は、駄目ですね。魂がどうしたこうしたって、抽象的な表現を使ってますが、「愛の告白」も同然!
「自分が生きていくために貴方が必要なんだ」ということを相手に告げてしまったら・・・
竹下さんの「予告」どおりにはいかなくて、二人が他の人たちと(場合によっては永遠に)お別れするのが普通だと思います。
夏目漱石は、「それから」が起こした顛末を「門」できちんと描いていますよね。竹下さんの「予告」どおり、物語が進んでいくことが明らかである以上、二人は心情を吐露することなく、静かに離れていくべきだったのですが・・・

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Unknown (裕美)
2006-09-01 22:00:16
トシ子さん



こんばんは 今夜も愚痴になると思うのですが。ごめんなさい。



そろそろ二人の恋に終止符が打たれるという事でしょう。来週までひっぱれませんから。でも、二人の心がかなり際どく引かれあったことは事実であり、それがこの後どう関わってくるのか注目です。それとも桜子はそんなことケロッと忘れて、彼の元へ飛び込んでいくとしたらそれもまた恐い話です。



それにしても、今日の15分はとても不愉快でした。『Tに捧ぐ』なんて思わせぶりな題名もむかついたし、空襲の衝撃に抱き合う まあこれは危なかったから仕方ないにしても、その後の表情がいけません。もう、「離れろー」って言いたかったです。



桜子も桜子だけど 私冬吾さんという人 戦争が始まってからあんまり好きではありません。あの当時若い男の人はほとんど戦場へかりだされましたが、彼はちょっと結核気味という理由で兵役を免除されています。でも、結婚もしているし、子供もいるし、周りの誰も結核などうつっていません。つまりすこぶる健康な若い男性です。普通の人だったらいたたまれないという気持ちになりますが、彼はそういう事はあまり気にしていません。むしろ、自分も取られるのではと怯えています。なんか情けない。そして女達に働かせて自分は好きな絵を描いている。自分の命すら自分で守れない。私が桜子だったら 「お義兄さんは楽でいいわねぇ」って皮肉の一つも言いたくなりますよ。



私は戦争を肯定しているのでは決してありませんが、みんなお国のためとか言われて我慢して戦争に行き そして不幸にも死んでいったのです。それなのに彼は妻の目を盗んでちゃっかり義妹と精神的恋愛をしている。そういうことが許せないのです。

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来週もしんどいかも? (Toshi)
2006-09-01 22:58:11
裕美さん、こんばんは。

本当にため息ばかりがこぼれて・・・

来週以降の展開ですが、「思いがけない帰還」後、おそらく二人は出征以前の関係には戻れないでしょう。いくらなんでも、ケロッと彼の元に飛び込んでいく展開にはしないと思います。大変残念ですが、私は諦めました。でも、桜子さんは母かねから貰った「花嫁衣裳」を一体どうするのでしょう? 彼の嫁に着させるのか、それとも自分のために着るのか?



冬吾に対する苦言は、全くその通りで、「いたたたたたたたた」と全弾命中! 彼の人となりについては、もう少し考えたいことがあるのですが、今週中にUPできるか微妙なところですが、書いたところで許してもらえないでしょうね・・・きっと。
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