アーバンライフの愉しみ

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司馬遼太郎著「短編全集②」

2020年11月16日 | 読書三昧

 

1958-59年発表の短編16編を収容。624頁の大冊。

①伊賀源と色仙人
②壷狩
③戦国の壷~日本名器伝来抄
④大阪醜女伝
⑤マオトコ長屋
⑥白い歓喜天
⑦豪傑と小壼
⑧難波村の仇討
⑨大坂侍
⑩和州長者
⑪泥棒名人
⑫盗賊と間者
⑬十日の菊
⑭下請忍者
⑮神々は好色である
⑯法駕籠のご寮人

1956年「ペルシャの幻術師」で講談倶楽部賞を受賞してデビューし、60年に「梟の城」で直木賞を獲得するまでの習作が収められている。

つまり、まだあの舌鋒鋭い司馬節が開花する以前の、言わば、見習い作家の小説集で、テーマも定まらず、また書きっぷりも平凡な短編集である。

例えば、②、③と⑦の3編は、同一テーマを話の長短や読者層の違いで書き分けたものでいただけない。つまり「全集」だからこその扱いだ。

唯一、司馬節の萌芽を認められるのが、新選組近藤勇が登場する⑫「盗賊と間者」で、これは面白く読んだ。

 

 

 


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