アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

モーパッサン著・永田千奈訳「女の一生」

2018年01月15日 | 名作読破PRJ

世界の名作シリーズ。
今回は、モーパッサンの「女の一生」文庫版456頁。

描かれたノルマンディーに住むフランス貴族の暮らしには共感しないが、モーパッサンの自然主義、写実主義の文学には共感するところ大であった。

つまり、物語(特にその舞台)をまるでドキュメンタリー映画のように、極めて忠実に且つ、写実的に描写していくのだ。しかも、それが極めて美しい色彩に彩られる。

昨今の「筋だけ」小説の対極にあるものだ。
それがこの小説をして「名作」として、人類遺産的に永らえさせて来た理由ではないかと思う。

一度、こうした小説世界に没入してしまうと、昨今の「筋だけ」小説などまったく読む気がなくなる。それほど魅力に満ちた小説(文章)世界だ。

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