町の図書室で手に取り、ごく短いコラム集なので読み易いだろうと思って借りて来た。
09年~13年、日刊ゲンダイに「流されゆく日々」として連載されたコラムの中から表題に沿った内容のもの30編を収容している。

ところが、扱っているテーマがあれこれと広く、特に仏教にからむ話が多く難解で、とても読み飛ばすというわけには行かなかった。
ただ、最後の方にある「天寿を知るということ」という文章はとても面白かったし、自身の人生と重ね深く考えさせられた。
五木氏は言う。
「人は老い、やがて病み、そして必ず死ぬ。しかし、それがいつなのか、そこが知りたいというのは、欲が深すぎるだろうか。
もし、あと3年でこの世を去るとはっきりわかったならば、突然、人生や世の中がこれまでとちがって見えてくるはずだ。
午後の日ざし、葉をゆらす風、人びとのざわめき、指先の感触、1分1秒の時間の流れ、それらのすべてが、くっきりと、深く体にかんじられるのではあるまいか。
それよりも何よりも、自分の一生を静かに振り返って、一応の納得をしなければならない・・・。」
自分はこのように、自己の人生に納得しつつ天寿を全うできるであろうか。
09年~13年、日刊ゲンダイに「流されゆく日々」として連載されたコラムの中から表題に沿った内容のもの30編を収容している。

ところが、扱っているテーマがあれこれと広く、特に仏教にからむ話が多く難解で、とても読み飛ばすというわけには行かなかった。
ただ、最後の方にある「天寿を知るということ」という文章はとても面白かったし、自身の人生と重ね深く考えさせられた。
五木氏は言う。
「人は老い、やがて病み、そして必ず死ぬ。しかし、それがいつなのか、そこが知りたいというのは、欲が深すぎるだろうか。
もし、あと3年でこの世を去るとはっきりわかったならば、突然、人生や世の中がこれまでとちがって見えてくるはずだ。
午後の日ざし、葉をゆらす風、人びとのざわめき、指先の感触、1分1秒の時間の流れ、それらのすべてが、くっきりと、深く体にかんじられるのではあるまいか。
それよりも何よりも、自分の一生を静かに振り返って、一応の納得をしなければならない・・・。」
自分はこのように、自己の人生に納得しつつ天寿を全うできるであろうか。