此方

病院の窓から外を眺めていると、
ふわり、と一羽の野鳥が降り立った。


チョンチョンと飛び跳ねながら、
こちらの窓の下まで来た。
私が見えていないのだろう。

私が見る窓の外は、
際限なく広がる自然の風景。

鳥が見るこの窓は、
この建物の一部であり、
中に居る私も建物の一部。


なんてない事なんだが、
何だか、
理屈っぽく考えようとしている。

きっと、
様々な事に理由を当てはめたいのだろう。



パッと、鳥が飛び立った。

そして傍にある樹に停まった。

キョロキョロと周囲を見渡し、
また何処かに飛んで行った。

何の理由も理屈も無く、
自然に生きる者として、自由に飛び回っているだけだ。



ああ、

少し疲れてるな･･････