スリルな夏

昨夜の雨は凄かった。
雨は未だいい。
窓の下に蛙が居たようで、
そいつの鳴き声で眠れなかった。


ああ、若松、
さっきはご苦労様。
空仕事だったね。



眠りが浅いんで、
やっぱり夢を見る。

会社を休んだ次の日、
出社すると事件が起こっていた。
ショールームの展示車が、
ガッツリ潰れているのだ。
見れば、2台の展示車が互いにぶつかった様な形跡がある。
誰かが、ショールーム内でぶつけた様だ。

昨日の帰りまではこうではなかった、
と誰かが言った。
じゃあ、朝早くか、昨日の夜に出入りした人間だ。

さあ、犯人は？

誰かが、木村（小）だと言った。
顔を見る限り、彼では無いだろう。
しかし、異論を唱える者は居ない。
まるで、申し合わせた様に。

エキサイトする社長息子が、異常な汗のかき様だ。
（うむ、こちらか・・・・）
何か、圧力が働いている。
長いものに巻かれる我が社員たち。
こんな時に発揮しなくていい組織力だ。

私はぼんやりとして、唯眺めている。

高まる緊張感！
疑惑の罠！

木村（小）の運命や如何に！



目が覚めた。


続きが、見たい。