青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

畳の下から “ 木村政彦 ”

2020-10-25 | こんな「モノ」ありました!

まだまだ年末の大掃除には時期が早いですが、僕は大掃除が大好きでした?子供の頃は大掃除をすると、机の中から五百円札(古!)が出てきたり、写真や本が目に止まってつい読んだりしたものです。自分の部屋以外に目を移すと、応接間のソファの掃除をするのが楽しみでした。背もたれと座面の間の奥が、意外や硬貨の宝庫だったりしたものです。親父は小銭を財布ではなく、ズボンのポケットに入れており、そのままソファでうたた寝をすると、ポケットからこぼれた小銭がそこに落ちて行くのです。

学生時代には喫茶店や市場(現在のスーパー)などの、年末の大掃除のアルバイトをしたものです。喫茶店なら壁・天井のヤニを拭き取るのに、頭がヤニと洗剤の混ざったものでグリースのように固められたものですが、最悪なのは市場の焼き鳥コーナーやコロッケなどの揚げ物コーナーの換気扇の掃除。「こてこて」の脂と洗剤・水の混った液体を、頭から全身に被るのですから服はアウト。いくらお風呂に入っても、2~3日は臭いが身体から取れませんでした。高圧洗浄機のような便利なものはなく、手で洗うのが当たり前の時代でした。

もっと凄かったのは、このバイトの副収入でした。市場の床には排水溝があちらこちらに走っており、その上には鉄板でフタがされています(写真の黄色枠参照)。それを持ちあげ掃除するのですが、ゴキブリの死骸などかわいいもので、ネズミの腐乱死体まで出て来ます。しかし、そこには水で溶けかけた1万円札、五千円札、千円札、百枚近い硬貨が落ちているのです。🤩この合計が3万円以上あったので、自ら進んでこの「人の嫌がる仕事」をしました。

今だから時効で話せますが、この臭い硬貨は自動販売機に入れ、返却ボタンを押すと、当時は入れたものとは違う硬貨が返って来たので、それで綺麗にして「マネーロンダリング」とふざけて呼びました。お札も同じように両替機で1万円札を千円札に。千円札は硬貨にマネーロンダリングしたものです。

最近はあまり見ない光景ですが、やはり大掃除といえば、畳をあげて叩いたものでした。そして畳の下に敷く新聞紙を交換する。これを田舎で行った時に、とんでもないお宝を僕は見つけ、僕は今もそれを持っています。それがこの新聞です!

僕が所持する最も古い新聞。昭和29年12月21日の新聞です。翌日12月22日に蔵前国技館で開催された、プロレス日本ヘビー級王座決定戦「木村の前に木村なく、木村のあとに木村なし」と言われた日本史上最強の柔道家、鬼の木村政彦7段と力道山の1戦についての、決選前日の木村先生のインタビューが掲載されている新聞だったのです。

その新聞の下には、その1戦の広告が載っています。リングサイドが何と3,000円!その後1,500円、1,000円、500円、300円と、座席の値段が続くのですが、この当時のサラリーマンの月給が1万円そこそこの時代ですから、これはかなりの高額です。こういうことが分かるお宝が大掃除の時に見つかる。僕に見つけられるまでに、20年間も眠っていたのです。そしてもう1つ分かったこと・・そう!爺さん、東京までこの世紀の一戦を観に行っていたのです!(笑)お爺さんの代からプロレスファンだった我が家に伝わる、奇蹟の物語でした。

 


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