青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

大阪駅前地下通路 ~松葉

2024-06-04 | 昭和・懐かしい大阪の風景

大阪にはいろいろなユニークなお店があります。こんな狭いスペースに、こんなお店が!・・・というのは、大阪のお得意(笑)「アリバイ横丁」も、阪神梅田駅コンコース脇の、各種飲食店が並ぶ「フードテリア」もユニークでした。今も残る「新梅田食道街」も。

また、大阪城や道頓堀の辺りで、無許可もしくは脱税しながら大儲けしていた飲食店もあれば、どさくさに紛れてお店を開店して、市政に睨まれながらもお客に愛されたお店もありました。

これは平成13年(2001年)2月の、串カツ店「松葉」の大阪駅前地下通路にあったお店です。懐かしいと思う人は多いと思います。地下道は、JR大阪駅と阪神百貨店の間の約220メートル。ここにいろんなお店が昭和にはひしめいて、繁盛していたのです。

このお店は駅前地下道開通当時の1949年から、この地で営業していました。約6平方メートルの「松葉」の通路の利用代金は年間約15万6千円で、一等地では破格の安さ!当時の「松葉」の売上高は年約1億3600万円、営業利益は約2200万円。

大阪市は「松葉」など同地下道で営業する飲食店などに、1年ごとに地下道の「道路占用許可」を出していましたが、阪神百貨店の建て替えに伴う地下道の拡幅工事のため、占用許可の更新を平成27年9月で打ち切りました。このため、旅行に行かなくても各地のみやげが買えるとして「アリバイ横丁」の名で親しまれたみやげ物店や古書店、薬局など大半の店は退去。

しかし、松葉など5店は営業を続け、松葉は「一方的に退去を決められた」として同年4月、同市に地下道占用許可更新を求め提訴。大阪地裁で争いました。

「市は乱暴過ぎる」「明らかに不法占拠」等、多くの人々の声が上がりましたが、最後は「松葉」が自主的に退去すると市に申し入れ、庶民の味として親しまれてきた名物店は、平成27年(2015年)に60年を超す歴史の幕を閉じました。写真右の方に写っているチケット販売店「チケットショップオアシス」も、「市側との紛争を拡大するのは本意ではない」と、営業を終了したのです。

街の姿はどんどん変わります。昔の思い出を現在に残すことは、本当に簡単なことではありません。

 



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