【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「J・エドガー」

2012-02-15 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)


ディカプリオ、がんばるの巻。
初代FBI長官ジョン・エドガー・フーバーの一代記をぼてぼての老けメイクまでしてがんばる。
有名人の一代記としては、ハワード・ヒューズを描いた「アビエイター」があったけど、それに勝るとも劣らない熱演。
「アビエイター」でも、大物=変人を演じていたディカプリオ、ここでも大物=変人を演じてるんだど、演じっぷりがいよいよ堂に入ってきた。
でも、「アビエイター」はマーチン・スコセッシが相当ハッタリかましていたけど、「J・エドガー」は監督がイーストウッドなだけに、あくまで重厚なつくり。
チェンジリング」と同じように時代の雰囲気というのを大切にしているのがありあり。
風俗から、ファッションから、イーストウッド映画ならではの時代色が大いなる見もの。
セピアを基調に派手な色合いを押えた映像は、それだけで“映画”であることを感じさせる。
そんな中、いちばんの儲け役は、実はデカプリオじゃなくて、彼の片腕となるアーミー・ハマー。
端正な顔立ちといい、流麗な立ち居振る舞いといい、秘めたる怪しさを漂わせて、ディカプリオの傍らにいつも寄り添う。
始終イライラした様相で性格破綻を感じさせる小柄なディカプリオと対照的にすらりとした風情で涼しげにたたずむ姿は、なんとも言えない微妙な波風を映画の中に際立たせる。
だけど、歴代大統領が醜聞を握られていたとはいえ、政府の要職を50年近くも1人の人間に任せていたなんて、アメリカっていう国もおかしな国ね。
政府の要職がコロコロ変わる国とどっちがまともかな。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿