ザ・バンド。このグループは、自分の学生時代にまだ現役で確かに存在し、リアルタイムで、ニューアルバムを聞いた思い入れの深いグループでした。
最初に聞いたアルバムは、雑誌かなんかでは、あまりに評判がいいので、買ってみた「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」だったかと思います。でも、最初は、正直ちょっととまどい、「何? この音楽は?」と思ったほどで、あまり好きになれませんでした。
そして、自分が聞いた彼らのニュー・アルバムは「ロック・オブ・エイジズ」だったような気がします。これも雑誌では非常に評判がよく、耳にしたところ、ライブ・アルバムで、これまで聞いたことのないようなノリと全員が一体となって繰り出されるサウンド、そしてパフォーマンスに圧倒され、好きになりました。その後は、もうザ・バンド・フリークといった感じで、彼らのミーハーでした。
残念ながら、「ラスト・ワルツ」を最後に解散してしまいましたが、今でも、というか、たぶん自分の中では、彼ら以上のバンドは今後も現れないと思っているくらい最高のロック・バンドだったと思っています。
その後も再結成をしたり、個々の活動はしていましたが、自分が音楽を聴かないでいるうちに、今日の歌を歌っているリチャード・マニュエルが自ら命を絶っていたというのをずっと後になって知り、かなりショックを受けました。
リチャードは、ザ・バンドの代表曲の一つと言えるディランの名曲「 I Shall be Released 」をファルセット・ヴォイスで歌っていますが、他にも彼の名唱は多々あります。この曲も叙情的な素晴らしい曲だと思います。
哀愁を帯びた彼のヴォーカル、本当にいいアーティストだったのに・・・・。彼は1986年3月4日に亡くなりました。享年42歳でした。あらためて、彼の冥福を祈りたいと思います。