平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ミニアンプのシミュレーション

2015-04-06 01:00:12 | アンプ製作と修理
 回路シミュレーターのSIMetrixでオールFETミニアンプを解析してみました。オールFETミニアンプは音が小さいのですが、これは主に2段目の2SK246の増幅度が低いことから来ています。

 FETは増幅度をgm(単位はジーメンスS)と呼ばれる数値で表していますが、gm×負荷抵抗=増幅率と計算されます。2SJ74の初段は、22m S×2kΩ=44倍。2段目の2SK246はgm が3程度と低く、3m S×3kΩ=9倍。トータルで44×9=396倍。これにNFBがかかるので、仕上がりゲインは13dB(約5倍)まで下がります。

 市販のアンプは30dBが普通で、20dBもあればガンガン鳴らせます。ゲインを上げるには、NFB抵抗の47kΩを倍の100kΩにするか、2段目の2SK246を増幅度の高いFETに交換するかですが、gmが22m Sと高い2SK170だと、トータルで2900倍(約69dB)になります。NFB後の仕上がりゲインは20dB程度。出力のMOS-FETが中出力用なのでガンガンとは行きませんが、それでも音は大きくなるはずです。


上の赤い線がNFB前の裸のゲイン(高域が落ちている)
下の緑の線がNFB後の仕上がりゲイン(NFB量は高域で小さくなるので相対的に高域が持ち上がってフラットになる)


 元々、2SJ74と2SK170はコンプリメンタリーとして使われ、ヨーロッパの高級アンプの初段にも使われている銘石です。2SK170は2SK246に比べて少し高いことと、初めて作る人が多いので安全マージンを高く取ったことから、今回は2SK246を選択したわけです。

 窪田アンプのオリジナルは、ソニーのV-FET、2SK79が2段目に使われています。これはキレが凄くて、病み付きになるか敬遠するかの好き嫌いが出そう。僕は大好きですけど、足の配置が2SK246などとは違うので、足を捻るか回路パターンを変える必要があります。

 ということで、音を大きくしたい人は、2段目を2SK170に交換し、NFB抵抗の47kΩを100kΩに変更すると良いと思います。100p(ピコ)のセラミックコンデンサーも33pで良いはずです。高域が伸びます。

 ただし、バイアス調整用の1kΩ半固定は最小(時計回りに目一杯)にして置かないと、終段のMOSがバイアス過剰で高熱を発するかも知れません。今までだって、左に目一杯にしろとは一言も書いていないのに、正反対に解釈して目一杯ばかり。一人間違うと右に倣えで間違える。本当に日本語を理解していない orz

 なお、できるだけ能率の高い大型スピーカーで鳴らせば音は大きくなります。僕はスーパーケルビムで鳴らしています。

    エフライム工房 平御幸
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする