平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

アンプ改造

2009-12-01 21:06:09 | アンプ製作と修理
 またアンプを作りましたが、今回は初めてメーカー品に手を加えた物なので、あえて改造としました。アンプ基板や電源部は作り直したので、実質は新規製作に近いですが、フロントパネルやメインボリュームなどは流用したので、見栄えはメーカー品のままです。

 ベースとなったのは、パイオニアのローコスト製品です。一応はダイレクトエナジーMOSというデバイスを使っていますが、回路のパーツはゴマ粒程度なので音は期待できません。これの「片チャンネルの音が出ません」というジャンクを1000円で落札してみました。メイドインジャパンなので、電源回りはそこそこに高級です。この電源部を利用して、使い慣れた回路を収めてみました。パワー段とドライブ段が独立した、往年のビクターが命名した前後独立電源です。本当の高級品は、ここからさらに、左右の干渉のない左右独立電源となるのです。

 今回苦労したのは、小さなスペースに収めるレイアウトです。入力端子やスピーカー端子はオリジナルを流用するので、結構ギリギリのレイアウトとなりました。電源のブロックコンデンサーとメインアンプ基板は、穴開きのユニバーサル基板を用いました。終段の石は、前回と同様にNECの中出力MOS-FET、2SK2303/2SJ313のコンプリ(コンプリメンタリー=上下対象)です。ソニーの高級MOS-FETプリメインアンプのドライバー段に使われていた石で、ノイズと歪みの小さな名石です。無理をすれば大型の大出力MOSも使えたのですが、ヒートシンクが小さいので諦めました。



 電源を入れるとボリューム回りが白く、入力インジケーターがオレンジ色に光ります。音ですが、電源トランスがしっかりしているので低音も苦になりませんが、やはりMOSの特徴である繊細さと空間表現に優れています。パワーは小さいので、パソコン用にはピッタリだと思います。

 

 なお、日立の古いパワーアンプ、Lo-D HMA-4590ジャンクを1200円で落札し、中身を調べてみました。電源コードも切られていて、ボンネットは凹んで中も埃だらけでした。音も片方から小さく出る程度で、ジャンクも頷けます。でも、終段のMOS-FET(世界初のオーディオ用にして、未だに最高音質)を外して調べてみたら生きているようです。これだけで5千円から1万円近くの値段が付くこともあるプレミア品です。

 回路を調べてみたら直りそうなので、トランス以外は全部分解して洗いました。でも、せっかくの石が壊れると嫌なので、後継のまた後継という2SK2221/2SJ352を代用しました。ヘッドフォンで聴いてみると、時々バチッという音がして、パワーレベルメーターが動かなくなります。音は大丈夫なので、パーツを換えれば直りそうです。それにしても、ローコスト製品なのでパーツの数が少なく、修理には手を出しやすいですね。フロントパネルが凹んでいるし、高級感もないので、パネルだけ黒っぽいアクリルにし、インジケーターなどをアクリルの向こうから透けて見えるようにすれば、高級感も出ると思います。音は、回路が古いのと、トランジスタが多用されているので、僕の自作FETアンプにかないません。外した高価な石は、僕のアンプで生かすつもりです ホルホルホル <`∀´*>。

12月03日 追加

 Lo-D HMA-4590の修理が終わったので追記。抵抗とダイオードを除いて新品に交換。まあまあの音質になりました。メインスピーカーに繋ぐとサーというノイズが聞こえますが、これは終段以外に使われているトランジスタのノイズですね。



 トランジスタの特徴である力強さと甘さが出ているのですが、終段のMOS-FETの特徴である高域の伸びと繊細さをマスクしています。空間表現では、春霞のような見通しで、上級機の秋晴れの空とは違います。全体的に、印象派のモネのようなタッチの荒さ(粒子の大きさ)が感じられますが、油絵のギトギトした感じよりは日本画の公募展に近いですね。東山魁夷(かいい)とかが好きな人に向いています。アンプとしては悪くないですね。



     エフライム工房 平御幸
コメント (5)
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