コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

新聞世論とネット世論

2012-12-10 18:23:00 | 政治
「世論調査」が崩れ去るとき
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-668.html

内田樹 ‏@levinassien
https://twitter.com/levinassien

それにしても僕のTLにはどこまでスクロールしても、「自民党支持」「改憲賛成」と立場を明らかにしている人が一人も出てきません(知らない人からの罵倒リプは別)。それなのに新聞では「自民圧勝」報道。この非対称はすでに誤差の範囲を超えていると思います。

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中村勘三郎亡くなる

2012-12-10 03:00:00 | ノンジャンル
同世代としては、勘九郎の名前の方に記憶が濃い。同世代の死去が珍しくなくなってきたのをあらためて感じる。しかし、同じ世襲でも、どうして政治家の世襲だけは、劣化していく例が多いのだろうか。

まるで生き急いだような勘三郎のめざましい活躍ぶりは、この間のニュースで繰り返されているが、出演映画で記憶に残っているのは、阪本順治監督「」(2000年)だ。この役には驚いた。合掌。



(敬称略)
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ここはひとつナカをとって

2012-12-08 11:34:00 | 政治
すごいね、最近の新聞コラムは。

産経抄 2012.12.8 03:14
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121208/dst12120803150001-n1.htm

▼原発論議もまたぼやけている。各党や候補者の訴えが情緒的に流れすぎているからだ。ならばいっそのこと「脱原発」を唱えている人々は、中央道のトンネル事故で9人もの命が失われているのだから「脱トンネル」も唱えてはどうか。

全文、諭旨免職ものの論旨不明。しかし、この「問題箇所」こそが、このコラムの肝なのです。これは、「ぼやけた」「情緒的な」原発論議として、「脱原発」や「卒原発」を批判しているのではありません。あるいは、筆者や産経新聞が原発再稼働、原発維持に賛成しているから批判しているのでもありません。原発による電力供給をめぐる国民経済の問題など、じつは眼中にないはずです。

ここで露呈しているのは、来る衆院選では原発を争点にしてはならない、という苛立ちです。

なぜでしょうか? 選挙後の連立提携の枠組みが、おそらく集団的自衛権の行使になるからでしょう。安倍自民党総裁や石原維新の会代表の憲法改正や核兵器保有発言は、アドバルーンに過ぎません。実現性に乏しいから、いくらでも無責任に放言できるし、国民中の不満居士も気楽に支持できます。

ただし、集団的自衛権の行使は、現行憲法の解釈を変えれば、できます。そして、「ぼやけた」「情緒的な」安全保障論議が一人歩きし、やがはて落としどころとして、集団的自衛権の行使が浮上します。そのとき、「そのくらいは当たり前」「それくらいはしかたがない」。

憲法改正や核兵器保有にくらべれば、「ここはひとつナカをとって」と。


しかし、「その」「それ」「ここ」がルビコンの河です。産経抄のコラム氏は、原発という内政問題ではなく、集団的自衛権の行使に向けた、外交・安全保障が「未来」の課題であるべきだと考えているのでしょう。消費税増税はすでに決着済みで、TPPも交渉への参加までなら、内閣の決議で可能です。

残る未解決の内政問題は原発だけです。

脱原発、再稼働のいずれにせよ、どちらかに一気に舵を切ることはできず、実際には棚上げになりかかっていました。ところが、日本未来の党ができたおかげで、脱原発か否かに衆院選の争点が二分されそうになってきた。国民は原発のある「未来」と原発のない「未来」を心に描くことになりました。コラム氏は、国民の問題意識が内政に向かうのを看過できなかった。

内向きの「未来志向」に向かうことに、我慢ならなかったのではないでしょうか。

とはいえ、脱原発や卒原発を公約にあげた諸党が、小選挙区で議席を獲得するのはきわめて難しいといわれます。ならば有権者は、比例区と小選挙区を使い分けして、留保の姿勢をはっきり示す必要があります。選挙期間中なので、書きにくいのですが、比例区では政党を、小選挙区では議員を選ぶ、といわれる通例を変えてみてはどうでしょうか。小選挙区では政党を選び、比例区では原発の支持不支持を選ぶのです。「ここはひとつナカをとって」。

「自民党、小選挙区で圧勝するも比例区で惨敗」。そんな誰も予想しない選挙結果が出たらおもしろいじゃないですか。
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未来・嘉田由紀子党首の問題発言にネット沸く

2012-12-07 23:52:00 | 政治
う~む、これとは逆の放言を自民党・安倍総裁がやらかすのではないかと期待していましたが、嘉田さんが「お先にイ」するとは。

 第二次世界大戦は2つの原爆で、戦後、日本は戦中の軍国主義から抜けでました。
 今回の原発事故は大きな犠牲を国民に強いたが、これを乗り越える新しい社会システムが求められる、今回の選挙はそういう選挙です。




選挙期間中のためか、いまのところメディアはとりあげず、ネットのみで鬼の首をとったように騒いでいるが、これは「放言」ではない。「問題発言」でもない。メディアがとりあげにくいのは、こういう「天災史観」を共有してきたからだ。

さきの大戦において、日本が敗戦を受け入れ、降伏するきっかけとなったのは、アメリカによる原爆の投下ではなく、ソ連の参戦だった。今日では、それが定説であるが、戦後の物語はそうではなかった。沖縄の玉砕、東京大空襲、原爆の投下など、国民のこれ以上の苦難を払うために、天皇陛下が終戦のご聖断を下された。それが国民が共有する物語だ。

アメリカが占領にやってくる以前から、「鬼畜米英」は捨て去られ、アメリカによる戦争犯罪にひとしい日本国民虐殺の数々を、まるで天災のように日本人は受け入れた。そこでは敗戦を終戦と読み換えるの同じ没主体的な心理がはたらいていた。

右がかった人たちは、アメリカの原爆のおかげで、日本は民主国家に生まれ変わることができた。そういわんばかりではないかと嘉田発言にお怒りなのだが、的外れなのである。空から降ってくるナパーム弾や原爆を、雨や嵐のような自然災害にみなすところから、戦争の被害者どころか、被災者として自らを瞞着して戦後は続いてきた。加害の責任など、国民の意識には上がらなかった。

したがって、この前段の発言は、間違ってはいるけれど、戦後の大多数の国民意識を代弁するもので、とりたてて奇異ではない。むしろ問題は、後段にある。戦争の惨禍を天災とする欺瞞をフクイチの原発事故でも繰り返そうというのか。そう憤るべきだと思う。東北を主とする東日本を襲った地震と津波は天災だが、フクイチの原発事故はけっして天災ではない。

もちろん天災ではなく人災だというのでさえ、じつはきわめてふじゅうぶんで、東電と政府機関の怠慢と隠蔽は、原子力関連法を適用するだけでも、あきらかな不正であり、犯罪的行為だと思う。原子力関連法以外の刑事罰に問われても、なんら不思議はないと思う。責任と責任者は、明らかにされないだけで、必ずいる。

これもやはり、今日の定説といえるが、先の戦争において、日本国民の総意に基づき戦争をしたように、フクイチをはじめ54基もの原発を建設したのには、日本国民の合意を抜きには考えられない。フクイチ事故を引き起こした、そうした「社会システム」を問わずして、どのようにそれを乗り越え、「新しい社会システム」を構築できるのか。理念どころか理屈にもなっていないじゃないか。怒るならそこに怒るべきだと思う。 
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あのネ、このネ、東京のネ、納豆はネ、ねっぱるネ

2012-12-04 01:02:00 | 政治



消去法でいくと、次の衆議院選挙では、嘉田さんのところかネ。小沢について問われて、「なぜ、みなさんはそんなに小沢さんを怖がるのか」と答えて、記者たちの「失笑を買った」らしいネ。なかなかおもしろい問答だネ。

「失笑を買った」という記者のわけ知り顔に失笑するよネ。女だから、すなわち政治の素人だから、小沢の怖さを知らない。しかし、俺たちは男だから、そのうえ新聞記者だから、すなわち政治の玄人だから、小沢の表も裏もよく知っている、というわけネ。

よく知りもせず、生意気な、とネ。そんな含意の「失笑」だろうネ。とりあえず、女性だからとバカにしてネ。小沢が嘉田擁立に動いていることをつかめなかったくらい、じつは知らなかったんだがネ。「何が怖いの?」と母親から尋ねられたみたいで、悔しかったんだろうネ。

これが頑是ない男の子なら、「怖かねえや!」と言い返すものだが、これがしようもない大人だから、発言を切って引用する小細工をするんだよネ。嘉田さんは、「何が怖いの?」の後に、さらにこう問うている。「小沢さんを利用しようとした人が、小沢さんを怖がっているんじゃないですか?」。

これには、「失笑」は出なかったのネ。早とちりして「失笑」したが、すぐにだんまりさせられたんだネ。そこをはしょって、小沢に担がれたアホなおばさん、という印象操作はちょっと汚いネ。嘉田さんは、こう続けている。

「これまで小沢さんを利用した人は自分のために利用したかもしれないが、私は小沢さんの力を日本の未来のために使う」「小沢さんを使いこなせずに、官僚を使いこなすことはできない」。この問答、嘉田さんの勝ちネ。さらに、バカにされた女性視聴者は嘉田さんに傾くだろうネ。

前原某は、八ッ場ダムひとつ止められなかったが、嘉田さんは、県内のダム建設計画の4つを凍結させているそうだネ。新幹線の新駅建設も止めている。知事選のときも、自公民、社民それぞれの支援を蹴っているしネ。なかなかの実績じゃないかね。ま、政治も経済も、改革より、見直しだよ、ネ。

あのネ、このネ、東京のネ、納豆はネ、ねっぱるネ、ネーネー、いうんじゃね!(秋田地方に伝わる東京っ子への囃し言葉)

(敬称略)
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