コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

何を愛しているかわからないのなら、あなたは道に迷っている

2011-10-17 01:16:00 | 音楽
ガストでパクってきたカモミールティーを唇に運びながら、ザ・ガーディアンとウォールストリートジャーナルの村上春樹インタビューと評論を読む。

http://www.guardian.co.uk/books/2011/oct/14/haruki-murakami-1q84

http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203388804576617231169928302.html?mod=WSJ_Opinion_LEFTTopOpinion


ザ・ガーディアンのインタビューのなかで、村上春樹は
If you don't know what you love, you are lost.
といったので、ジャズスタンダードナンバーの
You don't know what love is
を思い出した。意味はずいぶん違うが。

今宵は、ビョーキ、いや、もとい、
ビョークとスーパー女子高生バンドでどうぞ。





(敬称略)




ジョブスの黒タートルは100着

2011-10-16 23:31:00 | ノンジャンル


首がイガイガするのでタートルネックを好まないが、黒タートルにリーバイスのジーンズは、ジョブズのトレードマークだった。あの黒タートルは三宅一生製で、同じものを100着持っていたそうだ。ただし、黒タートルをファッションとして好んだわけではなく、ジョブスは自らの制服として選んだようだ。

http://www.gizmodo.jp/2011/10/post_9494.html

ティーピーピーには賛成の反対なのだ

2011-10-14 22:24:00 | ノンジャンル
◆[TPP反対 ふるさと危機キャンペーン TPP“主導国”] 米国外交公文から読む 本音と現実 上  5月19日 日本農業新聞

ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った。


ウィキリークスの暴露情報を独占入手したはずの朝日新聞が何も発表しないのは、発表したくないからだろう。

ウィキリークス・ウォッチ・ジャパン Wikileaksの翻訳まとめ等
http://wikileaks-japan.blogspot.com/


Stay hungry. Stay foolish.

2011-10-08 00:39:00 | ノンジャンル
アップルの会長スティーブ・ジョブズが死んだ。2004年、すい臓ガンのガン告知を受けた後、スタンフォード大学の卒業式式辞に立ちました。感動的なスピーチです(翻訳してくれた Satoru Nakata さん、ありがとう)。

スティーブ・ジョブスの伝説の卒業式スピーチ(字幕付き) from Satoru Nakata on Vimeo.


「死は生命の最大の発明です。新しき者は生まれ、古き者は消え去る。そうあるべきです」

臓器移植やクローンなどの「発明」に、痛烈に対比させているのは明らかです。

グローバリゼーションやガバナンス、コンプライアンスといったカタカナ語を得々と語る人が幅を利かす日本からは、けっして生まれない企業家でしょう。

Working classの両親に育てられたJobsとは知りませんでした。たしかに多くの人々にJobを与えました。

Apple製品を持ったことがなく、PIXERアニメを観たことがない私ですが、ジョブスの冥福を祈ります。

(敬称略)

捧ぐるは愛のみ

2011-10-07 01:31:00 | レンタルDVD映画
スタンリー・キューブリックをして、「私が今まで遭遇したなかで、恐らく最もぞっとして、しかし信じられる歪んだ犯罪心理の一人称小説」といわしめたジム・トンプソンの『俺の中の殺し屋』については、5年ほど前に紹介しているが、すでに映画化され、今春日本で公開されていたとは知らなかった。



TUTAYAの新作コーナーに並んだパッケージを眺めながら、傑作小説の映画化はたいてい失敗していることを思い出した。スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」も成功とは言い難かった。ところが、嬉しい誤算。「キラー・インサイド・ミー」(THE KILLER INSIDE ME)は、原作に劣らぬ傑作だった。冷酷無残だが、愛についての映画だ。



監督:マイケル・ウィンターボトム 
出演:ケイシー・アフレック(ルー・フォード 保安官助手)
    ジェシカ・アルバ  (ジョイス・レイクランド 娼婦)
    ケイト・ハドソン  (エイミー・スタントン 婚約者)
    サイモン・ベーカー (ハワード・ヘンドリックス 郡検事)
    イライアス・コティーズ (ジョー・ロスマン 建築業組合委員長)
    ネッド・ビーティ  (チェスター・コンウェイ 建設会社社長)
    ビル・プルマン   (ビリー・ボーイ・ウォーカー 弁護士)


監督のマイケル・ウィンターボトムは、「ウェルカム・トゥ・サラエボ」(97)で注目されたイギリス映画界出身。ケイシー・アフレックは同じくアメリカ俳優のベン・アフレックの弟。兄のベンが初監督した「ゴーン・ベイビー・ゴーン」の一途な若僧探偵が印象的だった。兄以上に端整な顔立ちで、とくに相手を見据える強い眼が特徴。原作では、もっさりした田舎者のルー・フォードとはまるで違うシャープな容姿だが、その分不明瞭な喋り方でおぎない、好青年らしい白い歯が輝く笑顔を見せて、ジョイスとエイミー二人の女から愛されるのもなるほどと納得させる。ジェシカ・アルバに娼婦は意外だが、少女っぽさが返って娼婦の純情に似合った。はじめはトウが立った学校教師と見えながら、やがて妖艶さを増し、濃厚なセックスシーンを見せるケイト・ハドソンの婚約者は、原作ではジョイスの強烈な個性に隠れて陰気くさい清純派に思えたが、映画のエイミーは愛を捧げる女としてジョイス以上の存在感である。やがて、ルーを疑い出すサイモン・ベーカーの検事も意外な配役。いつもは軽薄なジゴロや浅薄な同僚役を与えられることが多いのに、今回はなかなか渋い抑え役にまわった。抑えといえば、町を牛耳る建設会社社長役のネッド・ビーティ。愚かしく滑稽なデブ役でおなじみ、たいていの人が見覚えのある豚顔を、今回はハードに引き締め、晦渋な父親を好演している。マイケル・ウィンターボトムがイギリス人監督だから、ネッド・ビーティの役どころに先入見がなかったのだろう。不思議な狂言回しは、ネッド・ビーティの建設会社社長と敵対する組合委員長のイライアス・コティーズ。「タワ言は、バカにいえ」とルーの犯罪をうすうす知りながら、ルーを助けようとするかのように立ち回る。ある意味、ルーを畏敬する使徒とも思える。ビル・プルマンはちょい役の友情出演っぽいが、「インデペンデンス・デイ」でアメリカ大統領に扮したとは思えない、エキセントリックな登場にびっくりする。近作、「サベイランス」では、やはり清純派だったジュリア・オーモンドと連続殺人鬼カップルを気持ちよさそうに演じていた。

ありふれた田舎町のありえない惨劇に、地味な俳優たちが起用されて、それぞれの持ち味をじゅうぶんに発揮した。映画史に残るとまではいえないのは、映画史のどこに残すべきなのか、わからないからだ。おもしろいかおもしろくないか、好きか嫌いか、言いよどむところがあるが、長く記憶に残る映画になるのは間違いなさそうだ。