コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

風のささやき

2014-11-26 23:39:00 | 音楽
スティーブ・マックィーンとフェイ・ダナウェイが共演した映画「華麗なる賭け」の主題歌です。邦題は「風のささやき」(嘆かない、嘆かない、映画屋なんてそんなものです)。原題は"The Windmills of Your Mind" です。「華麗なる賭け」と1999年にピアーズ・プロズナン主演でリメイクされたトーマス・クラウン・アフェア」の場面を編集した動画がありました。歌っているのはダスティ・スプリングフィールドです。

風のささやき [日本語訳付き] ダスティ・スプリングフィールド


動画のMrMoonligttさんの訳詞です。

回る
まるで渦巻く車輪のように
無始無終に
回り続ける糸車のよう
雪玉が山を転がるようか
カーニバルの風船のよう
くるくる回る回転木馬
月にかかる輪のよう
文字盤を針が撫で
時を刻んで行くように
そして林檎のように世界は
静かに宇宙を回り続ける
思い描く輪のように
風車は回るあなたの心に

トンネルを抜けると
またトンネルに辿りつく
もっと下って光も射さない
奥深い洞窟へ
回転し続けるドアのように
夢の中へと誘われ
小川に波紋が広がる
誰かが投げた小石でね
文字盤を針が進む
時を刻む針のように
そして林檎のように世界は
静かに宇宙を回り続ける
思い描く輪のように
風車は回るあなたの心に

あなたのポケットで鳴る鍵束の音
私の頭の中を駆け巡る言葉
なぜに夏は早く過ぎたの
私 何か言ったせいかしら?
カップルは海辺沿いに歩き
砂に足跡を残して行くわ
遠く聞こえるドラムの音は
あなたが鳴らず指音のよう
廊下に掛かる絵画
そして歌の欠片
浮かんで消える名と顔は
曖昧な記憶
もうお終いとわかった時
ふと わかるのだろうか
秋付いた葉の色は
あの人の髪の色と同じだと

螺旋の輪のように
回る車輪のように
無始無終に
回り続ける糸車のよう
イメージが説かれる
思い描く輪のように
風車は回るあなたの心に


次は作曲したミシェル・ルグランの歌詞です。どうも英語歌詞が先のようなので、仏語歌詞はいわば訳詞になります。それをさらにミシェル・ルグランTV出演のために日本語に訳詞したわけです。対比してみると、「あなた-わたし」や比喩、情景描写の違いなど、なかなかおもしろいです。

Michel Legrand Les Moulins de mon Coeur


投げ入れた小石が
せせらぎに幾重もの波紋を残すように
星の回転木馬が
月を巡るように
土星の環
祭りの風船のように
時計の針の
休みない回転のように
ひまわりの花弁の世界一周のように
君の名前が
いっせいに
僕の心の風車を回す

子どもの手にかけた毛糸のかせのように
聞き流された歌の文句のように
逆巻く雪のように
かもめが飛ぶように
ノルウェーの森に
海の白波に
時計の針の
休みない回転のように
ひまわりの花弁の世界一周のように
君の名前が
いっせいに
僕の心の風車を回す

あの日 泉のほとりで
覚えているね
君の言ったこと
けれど夏は終わり
小鳥は巣を飛び立った
ごらん 砂の上に僕たちの足跡はない
そして僕は独り
指で机を叩いている
まるで 雨にむせぶ太鼓の音のように
忘れられるやこと切れる歌のように
秋の木の葉は あせた空の青と出会い
君のいない秋は 君の髪の色に染まる

投げ入れた小石が
せせらぎに幾重もの波紋を残すように
四季の風の中で君の名前が
いっせいに
僕の心の風車を回す

星の回転木馬が
月を巡るように
土星の環
祭りの風船のように
時計の針の
休みない回転のように
ひまわりの花弁の世界一周のように
君の名前が


(敬称略)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする