10月13日の紫金山・アトラス彗星の別のショットを再度処理した画像をアップします前回は撮影
して直ぐに処理してアップしましたので今回は時間を掛けて処理した写真になります
夕方の彗星はまだ明るい時間帯は高度が高くて低空のモヤとかに埋もれることも無くスッキリと見え
るのですが淡い尾の部分は明るさにかき消されています、そして時間の経過とともに少しずつ空が薄
暗くなってくると淡い部分もはっきりと見えてきますが今度は彗星の高度が低くなり低空のモヤに埋
もれ始めます、この空の暗さと彗星の高度の兼ね合いで一番良く見える時間帯と言うのはその時の空
の状態特に低空に靄があるかないかや彗星そのものの明るさや大きさによって違うので現場で判断す
る時間がないのでとにかく撮れると思ったら構わず全てシャッターを切っておく事を優先したいです
画像さえ取り込んでおけば後から細かな修正できますからいろいろなレンズや露出の設定を変えてお
くとなお良いです
思い起こせば48年前の1976年3月にウェスト彗星という天文愛好家の間では世紀の大彗星と期
待した彗星がありました、この人生で初めて体験するであろう大彗星を写真に撮ろうと夜中の3時に
合わせた目覚まし時計を少しでも大きな音になるようにとブリキのバケツの上に置いて準備万端で寝
ました、でもいざ起きる時間になっても熟睡している体には簡単に聞こえず2個目3個目の時計でや
っと目を覚まし眠い目を擦りながら自転車で事前に待ち合わせた友人宅へ行き真っ暗な道を40分か
けて東の水平線が見渡せる場所にたどり着きました
撮影予定地に到着すると真っ暗な東の空の水平線から立ち昇る煙のようなものが見えるじゃないです
か確かにその方角80kmくらい先に工場群があるのは知っていましたが初めて来た場所のロケハン
をしっかりしていなかったことを反省しながら三脚とカメラを準備をはじめました、撮影の準備が完
了してからしばらく待つと水平線のすぐ上に彗星の本体が見え始めしっかりとした彗星核や太い尾も
時間と共に昇ってきて段々とはっきりと見えてきました、しかし所々に雲もあって彗星全体が綺麗に
写るように雲が切れるのを待って空も白み始めた頃三脚固定でアサヒペンタックスSPにSMCタク
マー135mmと白黒フィルムトライXでの露出3秒で撮影を始めましたが彗星は薄明に埋もれ始め
て長い尾は撮れませんでした、撮影できた写真では彗星核ははっきりと輝いていて時折通過する雲の
中を通してでも核がはっきり見える様な立派な彗星でした、低空でも空が暗くで彗星がはっきり見え
ている間に撮影しておけばと悔やんだものです、当時は貧乏な高校生だったので高価なフィルムを無
駄打ちするには抵抗もあり必要最低限のコマ数しか撮影するしかなかったです。
後から知ったのですがまだ真っ暗な時間に見えていた工場の煙突から立ち昇る煙の風になびくような
薄淡いような雲のような物はなんとなんと大彗星になって発達した長大な尾が本体よりも先に立ち昇
って濃い尾だけが見えていたのでした、そんな人生でそう何度も体験できないような光景を記録出来
なかったという失敗を繰り返さないように今ではなるべく多く撮影するよう気を付けています、デジ
タル時代となって何枚撮ってもコストはかかりませんのでとにかくシャッターを切るようにしていま
す
さて少々昔話が過ぎましたが紫金山・アトラス彗星の撮影風景ですスカイメモRに2台のデジタルカ
メラに70-200mmズームレンズとSMCタクマー135mmを装着して2台体制での撮影です
3台目のカメラは55mm標準レンズの三脚固定で撮影しました
今回の紫金山・アトラス彗星は太陽に最接近して東の空から西の空へ移ってきた最初の撮影となりま
す、もっと太陽に近い位置にある日でも見られたかも知れませんが天気が良くなくてこの日が夕方の
最初の彗星となり夕方は晴れるとの天気予報で西の空が開けた漁港へ出かけての撮影しました
この場所へは晴れを信じてたどり着いたのですがこの写真のようにまだ明るい時間は雲がなかなか切
れずやきもきして待っていると関西の友人から空が暗くなってきて肉眼で彗星が見えて凄いと歓喜の
連絡がきました、こちらにも雲さえなければ素晴らしい彗星がそのうちに見えてくるかもと期待がど
んどん膨らんできます、少しずつ暗くなる空を彗星があるであろう金星のある位置から北寄りの空を
双眼鏡をぐるぐると見回して彗星を雲の切れ間から見えないかと探しているこのワクワク感は48年
前のウェスト彗星の時のような始めて大彗星に出会える感動で心臓がバクバクした思い出と早朝の空
と夕方の空で時間や風景は違うも大きな感動と素晴らしい体験を再び味わうことが出来ました
そんな雲の切れ間の彗星をなかなか見つけられない中写真で撮れば何か写るだろうと撮影を始めて何
枚目かに彗星が写っていて直ぐにすべてのレンズをそちらへ向けて撮影を開始しました
見えだしてからしばらく雲に隠れましたが少々時間が経過して雲の下に現れてからの撮影です
55mm標準レンズの写真は三脚固定ですがステライメージで星に合わせてコンポジットしました
2024/10/13 18h49m49s
NikonDf NIKKOR-S・C 55mm f/1.2
4s×15 絞り4.0 ISO1600 三脚固定 ステライメージで星に合わせてコンポジット
2024/10/13 18h48m01s
NikonD810A AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR(200mm)
5s×10 絞り4.0 ISO800 スカイメモRで追尾
2024/10/13 18h51m15s
NikonZ6 PENTAX SMCタクマー135mmF2.5
5s×12 絞り4.0 ISO800 スカイメモRで追尾
2024/10/13 18h50m35s
NikonD810A AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR(200mm)
5s×12 絞り4.0 ISO800 スカイメモRで追尾
わずか6分7分の間で低空の雲を通り越しました
2024/10/13 18h57m19s
NikonZ6 PENTAX SMCタクマー135mmF2.5
5s×3 絞り4.0 ISO800 スカイメモRで追尾
2024/10/13 18h57m24s
NikonD810A AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR(200mm)
5s×6 絞り4.0 ISO800 スカイメモRで追尾