えーかげんなヤツじゃケー

いつ飽きるかわからんけどできるところまで

41年前の白鳥座に新星を見つけた

2016-04-05 08:46:55 | 日記
今から46年前発行された藤井旭著「天体写真の写し方」という本がありました。私の天体写真のみならず写真の全ての基本を教えてもらった本でした。カメラの使い方、フィルムの違い、三脚固定の固定撮影から赤道儀に載せて手動ガイドで撮影するガイド撮影、アイピースを付けてのコリメート撮影、そしてフィルム現像や引き伸ばし機を使った印画紙への焼き付け。更には本が発売された頃は超がつくほど特殊であったコダックの天体写真専用フィルムの103aEを使ったHα輝線撮影方法まで事細かに説明されていました。天体写真を撮影する全ての技術がこの一冊でマスター出来ました。この本の著者である藤井旭氏は今でも精力的に活躍されていて毎年いくつもの本を出されています。
そんな藤井旭先生の最近の著書で「白河天体観測所」という本が出ました、その本には先生や多くの星仲間の歴史が書かれています、本の冒頭に今から41年前の8月29日に藤井旭先生の山口高校の後輩であった長田健太郎氏が発見された白鳥座新星(後にV1500cygに命名)の事が書かれていました。高校生だった私は夏休みが終わろうとしていたこの日は学校が別々になった仲の良かった幼なじみの友達数人と海岸端で何を話すでもなく夕日が暮れるのを見ていました。すっかり辺りが暗くなってきた頃、見上げた頭の上に輝く天の川と夏の大三角形がキラキラと普通に見えました。でもなんか変!白鳥座のデネブの近くに2等星が光っています、こんなところに星は無いはず。なぜそんなにはっきりと分かったと言うとつい数日前に夏の大三角形というタイトルと秋の天の川と言うタイトルでペンタックスSPに35mmを付けてトライXフィルムで撮影し印画する時に構図を何度も何度も確認していたからです。後にこの写真は天文と気象に2枚同時に入賞しました。
人工衛星か飛行機かでも動かない天文現象であれば新聞に出ているはず、でもそんな記事は今朝見ていない。
結局気にはなっても確認しようがなくそのまま過ごし翌日の新聞やニュースで山口高校の高校生が発見と出ていました。時間的に長田氏は20時45分ころ、私たちがみつけたのが21時前でした。まさかこんな事があったなんて今ではインターネットで瞬時に広まる世界ですが当時は知る事も知らせる事も簡単ではありませんでした。
あれから41年過ぎようとしています当時の幼なじみも既に他界した者もいてこの藤井旭先生の本を読んで私にも時の流れを感じます。
高校生最後の夏休みの思い出でした。
コメント
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