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みいちゃんとみいちゃんのパパの日記

ちょっとショック!! フェルメールの有名な絵が大きく修正される。

2019年05月08日 | アート

 今朝、産経新聞にフェルメール関係の記事が載っていました。

以下はその引用。 

フェルメール「窓辺で手紙を読む女」後世の人が上塗りと判明
2019.5.7 21:13 

  ドイツ・ドレスデン国立古典絵画館は7日、同館が所蔵するヨハネス・フェルメール(1632~75年)の作品「窓辺で手紙を読む女」の上部に、キューピッドが描かれていたが、フェルメールではなく、後に別人が上塗りしたことが明らかになった、と発表した。 

 オランダ17世紀の黄金期を代表する画家、フェルメールの現存する作品は三十数点とされている。手紙と女性を題材にした作品を6点残しており、「窓辺で手紙を読む女」は最初の1枚とみられている。絵画の中に額装絵画(画中画)を描く手法を好んで用い、大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開催中の「フェルメール展」(12日まで)に出品中の「恋文」などにも同様の手法がとられている。 

 「窓辺で手紙を読む女」については、1979年のX線調査ですでに、キューピッドの額装絵画が描かれていることが明らかになっていた。一昨年春から本格的に始まった修復作業の過程で、X線や赤外線を使った最新の調査などから、キューピッドが塗り込められたのは、絵画作成の数十年後、フェルメールの死後であることがわかり、本人による上塗りではないことが判明した。 

 この日、同館で行われた記者会見に出席した、フェルメール研究の世界的な権威、元ワシントン・ナショナル・ギャラリー学芸員のアーサー・ウィロック氏は上塗りされた目的について、「当時さほどフェルメールは知られておらず、高く売買するために上塗りをして、同時代の画家、レンブラント風にしたのではないか」という。 

 同館では今後、上塗りを除去する修復を進める予定で、修復中の状態の絵画を展示することにしている。


 う~ん。いまいち記事の内容が良く分からないし、写真の意味も良く分からない(まさか、キューピッドが半分露出したそのままにしておく...訳ないか)ので、海外の記事にあたってみました。

 以下は「The Art Newspaper」の記事。 内容は抜粋と自分の注釈を加えた、書き換えをしています。 

 修復中の絵画(The Art Newspaper)

 オリジナルでは、キューピッドの絵が少女の後ろの壁に掛かっていたことについては、40年前にX線によって検出されていた。しかし、学者はずっと、フェルメール自身が、それを消したと推定していた。

 最近の修復実験室でのテストで、フェルメールが絵画を完成してから数十年経ってから塗り替えられていたことが疑いなく確認されたので、キューピットの絵を作品の中に戻す決定が下された

 ドレスデンの絵画館(Gemäldegalerie)のシニアコンサベーターであるUta Neidhardtによれば、「キューピッドの元のニスの上に汚れの層さえあり、絵が何十年もの間、元の状態(キューピッドが描かれた)にあったことを示しています」と言う。

 あとの画家が手を加えたとき、オリジナルの暗くなったニスを補正する必要があったので、オーバーペインティングも、フェルメールによって壁に使われた色よりわずかに暗かったと、彼女(Uta Neidhardt)は言う。 

 アムステルダムのアムステルダム国立美術館の支援を受けて行われたドレスデン美術アカデミーの実験室試験および蛍光X線検査により、下の塗装よりもキューピッドを隠した塗装の方がかなり新しいことが確認された後、2018年初頭に、塗装を取り除き、キューピッドの絵を露出することが決定された

 

 修復は顕微鏡とメスを使って行われ、絵画のVermeerのバージョンの上に乗っているオリジナルのニスを取り除くことなく、上塗りをこすり取る方法で行われる。キューピッドはこれまでのところほぼ半分露出している (この作業が少なくとも、もう1年を要すると推定されている)

 「窓辺で手紙を読む女」は、ドレスデンのゼンパーバウにあるGemäldegalerie Alte Meister に、5月8日から6月16日まで、現在の半復元状態で展示される。

 それが、この写真だったんですね。やっとわかりました。

 

 

 日本の新聞は(産経新聞でさえも)、内容を良く調べずに、海外配信のニュースをただ載せたり、共同通信が独自の予断と偏見をもってミスリードして書いた記事をそのまま載せるために、いいかげんな記事や意味のとれない訳の分からない記事がおおいのです。

 私のように海外の記事にあたる方が、正確な情報が得られるのですから、余計なことは書かないで、見出しと配信元のURLのバーコードでも載せておいてもらった方がよっぽど役に立ちます。

 

 ところで、隠れていた同じキューピッドの絵は、ロンドンのナショナルギャラリーの「バージナルの前に立つ女」にも登場します。研究者は、それがフェルメールの所有物の中に実際に存在した絵であったとしています~フェルメールの未亡人の所持品の1676年の目録には「キューピッド」の記載がなされている。



 フェルメールはしばしば絵画の中で、他の芸術作品を補足的な情報や解説を伝えるための道具として使用しています。

 キューピッドの絵は、絵の中で「ラブストーリーを示唆する唯一の手がかり」であると、修復した Neidhardt は言っています。

 ところが、この絵画における「フェルメールによる偽装と隠蔽の要素が、この初期の作品では、それほど支配的な役割を果していなかったため、オリジナル作品よりも、背景が別のひとの手によって変更された構図のほうを、私たちは信じさせられていた」と Neidhardt は言っているそうです。 

 しかし、修復前の絵に精通している幾人かの鑑賞者にとっては、静かな背景と内省的な気分を下げてしまうことになると彼女は認めているといいます。

 確かに、わたしもその一人です。このごろ、フェルメールの絵の修復が新研究のもとでどんどん進み、当初抱いていたフェルメールの静謐な雰囲気という印象がどんどん変わっていくのに戸惑っています。


 


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